空飛ぶ雑草

観た・行ってみた・食べてみたのログ置き場

2024年3月の見た・読んだ

映画

彼方に

 18分間によくここまで感情を詰め込んだな、という作品。それを少ないセリフで演じ切る主演がすごい。最後、それでも生きていくことを決めた顔が印象的だった。不幸への急転直下が生々しいので、最近身内に不幸があった人は見ない方がいい。

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アイ・アム・マザー

 人類vsロボットとか培養人間vs一般人類とか、SFスリラーを期待していたけど違った。テーマは面白いのになんだろうな……塩入れずに茹でたパスタみたいな。的を絞れず全体的にボヤっとしたまま終わってしまって消化不良。母の動きが「中に人入ってます」感あるのは冷めたな。エンディングの受け止め方はそれぞれだろうけど、私は人類再生失敗だと思った。一番のツッコミどころは赤子抱いたまま銃撃つシーン。絶対にマネしないでください。

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エクス・マキナ

 アンドロイド映画に対する消化不良を解消すべく見てみた。面白かった!2015年の映画だから「想像の近未来技術」に少々古さを感じるものの、CGが美麗かつテーマが面白いのでそんなに気にならない。(2019年制作の『アイ・アム・マザー』より予算ある感じしたよ。)Wikipediaで知ったけど、タイトル名は「デウス・エクス・マキナ機械仕掛けの神)=強引なハッピーエンドを指す演劇用語」に由来するみたいだね。エンディング見た後に知って手叩いて喜んじゃった。セクシストでレイシストのゴミが痛い目に合うことは期待してたからいいとして、そっちもか~という終わり方はめっちゃ良かった。「女性」性の解放という意味つながりで、話題の『哀れなるものたち』も見たくなった。(が、その後のアカデミー賞エマ・ストーンにドン引きしたので見ないことにした。)

 まさか約10年でAIがこんなにも身近な存在になってるとは思いもしなかっただろうし、AIより人型ロボットの進化の方が遅れてるとは予想外だろうな。なお、女性の裸体がもりもり出てくるので、家族の前で見るのはおすすめしないよ。

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食べて、祈って、恋をして

 昔から見よう見ようと思いながら、なぜか機会を逃し続けてたのをついに視聴した。旅しながら自分を再発見する気持ちには共感できたので、社会人になってから見て良かったな。ただ主人公が超恋愛脳だったり、周りが結婚ごり押しだったりなところには古さを感じた。さらに『終わらない週末』同様、ジュリア・ロバーツウエメセ白人様・アメリカ人様ムーブが素っぽすぎて節々で腹立つ。10代~20代前半に見て「私も自分探しの旅に出るわ!」って飛び出すと大爆死すること請け合いなので、疲れた会社員が旅行したいな~と流し見するぐらいでちょうどいいかな。私の「私を表す言葉」はまだ見つかってないので、これから旅しながら考えてみたい。

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娼婦ベロニカ

 眠れない夜にエロ欲しさで見てみたら、面白すぎて普通に目が覚めた一作。裸体は出てくるけど『ニンフォマニアック』みたいな過激派ではなく、『チャタレイ夫人の恋人』ほど心が辛くならない、ちょうどいいラブストーリーだった。実態は娼婦というより、16世紀ベネチア版の花魁。高下駄履いてたり教養こそ魅力と教えられる等、江戸と似たところがあって驚いた。

 女性の人権が皆無の時代に、結婚して男性の所有物になるのではなく、あえて高級娼婦として生きることの自由と悲哀。ドラマチックなだけじゃなくて、その苦労の一部は現代にも通じるところがあった。例えば、才色兼備の女性を逆恨みする男性がいるところ。生きづらさの根本的原因は他にあるのに、女性間で軋轢が生まれるところ。しかしピンチでも黙ってやられる女じゃないベロニカ、めっちゃ良い。最後の最後まであがいて、境遇がどうあれ自分らしく生きることの気高さを教えてくれる。マルコの妹もいいキャラだった。妻の座に収まった身とはいえ「私の娘はあなたのような高級娼婦にする」ときっぱり言い放ち、正反対の立場から自分の生き方を讃えてくれる友人。女の生き方はたったの二択でどちらを選んでも地獄だった時代に、対立だけでなく女性同士の絆もきちんと描かれることに感動した。

 知ってる役者が多くて、特にマルコは『ザ・ディプロマット』のハルじゃん!と興奮したし、法廷のシーンは痺れたよ。マルコの長台詞で場を張り詰めさせた後の "I am standing." は「絶対ここが書きたかったんじゃん!」と思わず叫んだぐらい良かった。古い映画とはいえ常に画面が華やかで、ベネチアまた行きたくなった。今度は16世紀に思いを馳せながらゆっくり散策したい。

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ペイン・ハスラー

 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』系の話が好きなら刺さるけど、あちらほど下劣ではないぶん爽快感もなかった。こういう急激に金儲けして奈落の底に沈むストーリーほど、申し訳ないけどアメリカンドリームだなぁと思ってしまう。メリー・ポピンズみたいな英国人むき出しのエミリー・ブラントも好きだけど、『プラダを着た悪魔』しかり米系バリキャリのエミリーも好き。恥ずかしながらオピオイド危機について無知だったので、これきっかけで関連ドキュメンタリーを見た。

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ミーン・ガールズ(2004)

 日本でも公演してたからずっと気になってたのをやっと見た。(Netflixで配信終了間近にならないと腰が上がらない。)コロコロ鞍替えするし頭も普通のアーロンがなぜモテるのかさっぱりだったが、女性陣は可愛く狡猾で幼くて見どころたっぷりだった。舞台のポスターとかプラスチックスしか表に出てなくて主人公の影薄いな?と思ってたけど謎が解けた。確かにこれはレジーナが強すぎる。学校ごと炎上させる発想はすごい、さすが女王蜂。ていうか『ディア・エヴァン・ハンセン』もそうだけどアメリカの高校生マジで大変すぎないか?こんな高校生活イヤすぎるんだが。ミュージカル映画版はともかく、舞台で観てみたいと思った。

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タイム

 「寿命が通貨になった世界」とかめちゃくちゃ面白いコンセプトなのに評価低いのなんでだろう、と思ってたけど見て分かった。それ以外のすべてがアカン。面白いのはその設定だけやった。兎にも角にも世界観がズルガバの甘々。キャラクターは中途半端。シナリオも陳腐。何もかもがっかり。

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ドラマ

ペイン・キラー

 すさまじくダウナー系再現ドラマ。こんな救いのない話が現実に起こり続けてるってどういうこと?しかも誰も有罪判決を受けてないなんて反吐が出る。イマジナリー創業者との対話演出は必要だったのかと思わんでもないが、そうでもせんと他に天罰を下せる役がいないんだよな。は〜胸糞。これを見てから考えると『ペイン・ハスラーズ』はちょっと軽すぎたな。シャノンがピーピー泣くのに対してフラワーズが「カウンセリングじゃないんだけど」とピシャリと言い返したシーンは、その通り過ぎて思わず拍手。金の前では倫理どころか司法すら木っ端微塵という絶望感を再確認できた。

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マンガ

守娘

 Twitterで見て気になったので買ってみた台湾マンガの日本語版。台湾の怪奇譚(伝説?神様同士の話という意味では神話?)ということで、絵も話も好みの予感がしてたけど間違ってなかった。ストーリーはヒトコワなので驚きはなかったけど、清朝台湾の事情は全然知らなかったので新鮮な感動と共に楽しめた。上下巻完結でサクッと読めるよ。

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ひとまず上出来

 エッセイは手軽に活字欲を満たせるから毎月漁りがち。これは話題がアラフォー、アラフィフ向けで、ちょっと早かったか?と思うところがありながらも、同性として共感できる部分もあり、サクサク楽しんで読めた。特に「自分を不幸せなところに置いたままにしない。自分で選択したことの責任を取る。」というのは首もげそうなぐらい同意。これは一人前の大人として本当に大事なことなので気をつけたい。自分より上の世代が人生満喫してるのを見ると、先々に希望が持てるし、私も下の世代にそう思ってもらえるようになりたいな〜、と考えるアラサーの今日この頃。

books.bunshun.jp

はるなつふゆと七福神

 前月に読みたいと書いた、推し実況者の処女作。「男はみんな母を求める」とか不快で余計なくだりが随所にあった今作に比べると、第二作目はかなりブラッシュアップされてたんだなと今になって分かった。もっとやってみたいこと・書いてみたいたいことがあったけどなんとかまとめました!な感じがすごく第一作っぽい。面白かったけど、エッセイの方が言葉選びの良さや談話の上手さが出てて私は好きだな。

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1984

 ディストピア好きなくせに未読だったのを、Kindleアンリミに来てたのでやっと読んだ。めちゃくちゃ面白かった……。行き過ぎた社会の鬱々とした日々にふいに希望が射したと思ったら、足元をすくわれて元居た場所より下まで転げ落ちる。ハピエンなど無い、まさしく元祖ディストピア小説。ハクスリーの『すばらしい新世界』が超資本主義の合理的社会なのに対し、こちらは超全体主義。エンタメ要素で言えば前者の方が面白かったけど、リアリティという意味ではこちらに軍配が上がる。1949年に書いてるのに音声入力や生成AIを登場させられるとか、作者ほんま何?予知能力者?言語の破壊や相互監視など、現代社会に当てはまることもありすぎてゾッとした。そして理論武装の上手さもこちらが上。作中に登場するゴールドスタインの本は(眠たくなるぐらい)ガチの教科書で感心した。「方法は分かる、理由が分からない」の「理由」がシンプルすぎて正直腑に落ちなかったけど、いや実際の権力者なんてこんなもんかも、とむしろ現実味が増して震えた。(昨今のロシアとか見てると特にね。)付録に新言語の解説まで載せてくるのはさすがに世界観が緻密すぎて笑った。どう考えてもあなたが優勝、ディストピアの王だ。

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彼女

 久しぶりに本屋へ立ち寄った際、ビビッときたので購入した百合小説アンソロ。大満足!Amazonのレビューにもあったけど、最初の三編だけで十分元が取れた。甘くて苦い百合にどっぷり浸かれたので、とにかくそれらだけでも読んでほしい。

 一番最初の『椿と悠』は自分的ホームランすぎたし、続く二編も形は違えどいわゆる「クソでか感情」に振り回される人間模様にグッときた。4編目は人間ドラマとして面白かった。しかし、主題がゲーマーの5編目は読者層と異なる気がして、わざわざこの職業で書かなくてもいいのに感が拭えなかった。6編目は百合である必要性は?と思ってしまったし、7編目は最後に相手側の視点さえ無ければ良かった!振り回される側だけ見ていたかったのに、種明かしは不要だよ~。しかも今の時代に女性語(てよだわ喋り)は寒い……。なので、欲をいえば掲載順は変えてほしかったな。めちゃくちゃ美味しい前菜とスープ食べて、わくわくしてるところに来たメインとデザートが首をかしげる味だったので。(初手あれで読者を惹きつけたいのは分かる。分かるけど差がありすぎたのよ!)あと学生ものが多かったので、できればもっと社会人百合が欲しかった(強欲)。最近の作家さん、全然知らなかったのでこれをきっかけにまた本探してみようと思った。アンソロのいいところだね。

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おわりに

 日記は全く続かない質(読み返さないし、いずれ捨てるのに書く意味ある?となってしまう)だけど、こういう感想記録は直感的に書けるし、他人や過去の自分と比べることもできていいなと実際始めてみて思う。推しの雑談とか月末振り返りブログと比較するのも楽しい。Twitterに吐き出すには長すぎるし、ブログちょうどいいな。

 今月は月初に詰め込むように映画を見たので、来月はドラマを充実させたいな。とりあえずNetflix版『三体』は絶対見るぞ!(原作まだ三部読み終わってないけど。)本も既に何冊か購入してるし、先月からずーっとちまちま読んでる本もあるので、変わらず読書の勘を取り戻していきたい。

2024年2月の見た・読んだ

映画

ニモーナ

 今さら見たけど最高だった。無骨だけど実直に成り上がってきた除け者 ✕ 民衆から大人気のイケメン貴族(しかも髪はラベンダーの香り)。人気も信頼も天と地ほど差がある二人が実は裏でデキてる、という所からスタートする物語。開始5分で「これ絶対オタク好きなやつ」とハート鷲掴みにされた。騎士学校編とエンディング後の同人誌ください。これをクィア要素抜きにしようとした上に制作中止したディズ◯ーは本当にどうかしてる。このでっけぇラブあってこそじゃん。ニモーナ自身もすごく味がある。基本コメディでスピード感あってサラッと見終えることができるので、気軽に沼へドボンしてほしい。

 そして、ただでさえ話が面白いのに日本語吹替キャスト全員が素晴らしすぎた。真面目で善人だけど不憫で早口で喋る樽さんとか世界で一番大好物。収録すげえ楽しかったんじゃねぇかな、特に地下鉄のシーンとか。金ピカの興津さんも実家のような安心感。一人語りするとき情緒むちゃくちゃになってるの可愛すぎる。ベテランかつBL作品経験者つれてくるのマジで120点のキャスティング。ニモーナ役に白石涼子さん当てるのも完璧すぎる。『スケダン』にしろ、陽キャヤンキーやらせたら右に出る者いなくないか。見習いくんに太田さん(山崎退)を採用したのも最高。1周目は字幕で見といてマジで良かった、初手吹替版で見てたら興奮しすぎで冷静に話を追えなかった恐れがある。本国キャストも全員ぴったりで最高。クロエ・モレッツ超かわいいよ。(メタル~!)語彙力足りなくて申し訳ないぐらいどこ取っても最高だった今月のベスト。

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ディープブレス:呼吸、深く

 原題『The Deepest Breath』。フリーダイビングのドキュメンタリー。自分がスキューバダイビングから帰ったら見ようと思っててやっと見た。A24は毎度なんて良いものを作るのか。映像は実際に潜って撮られたものばかりだからとにかく美しい。のめり込むあまり、息を呑むというか自分も息を止めてしまう。ただ命の危険と隣り合わせなエクストリームスポーツなだけあって、終始緊迫感がある。「このドキュメンタリーは誰のためか」が最後ようやく明らかになる構成には泣かされた。日本人選手がしっかりフィーチャーされてたのも嬉しいポイント。

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疫起/エピデミック

 2003年台北SARS禍の最中で突如閉鎖された総合病院で働く人たちを描いた映画。Netflixのあらすじ以外の前情報なしで見始めたら「突然病院を閉鎖したらそりゃパニックになるでしょ」と白けてしまったけど、調べてみて驚いた。なんと本当にそういう事件があって、和平医院と言えば台湾人の多くが、閉鎖された病院から抗議の垂れ幕を掲げストライキする医療従事者の姿を思い出すぐらい有名らしい。直近のパンデミックを経験した目で見ると「なんでやねん」の嵐だったけど、こういう事実を知るとシーンひとつひとつの重みが変わる。

 ただどうしても引っ掛かったのが看護師の安泰河。国境なき医師団に参加したいくせに、SARS最前線に飛び込むのはためらう姿には首をひねった。こういうタイプなら志願するのを恋人が止める、ぐらいの展開しそうなのに。延命治療を拒む末期がん患者の家族に説教するのも意味が分からない。「自分は地震で天涯孤独になって(≒だから最期まで家族を大切にしろ)」ってそれ相手に関係なくないか?治療費を負担するのはお前じゃないので説教する権利はない。(私はこんなこと言われたらグーで殴ってしまう。)あと医者とキスするのやめなさい。医療従事者が自ら積極的に濃厚接触してんじゃねぇ。

 ツッコミどころが目立ったのでヒューマンドラマとしてはイマイチだったけど、過去を風化させない取組という意義では素晴らしいし、だからこそ台湾国内では高評価なんだろうなと思った。

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バービー

 近しいけど趣味が違う人(大家とか)は面白かったと言い、遠いけど趣味が近い人(Twitterのフォロイーとか)は思ってたのと違ったと言い、なんでそんな意見が分かれるのか気になってたのをやーっと見た。MSストアで買ったので字幕版。結論、思ってたのと違ったに一票。ショーレースに負けたことも納得。監督賞とかは知らんけど、少なくともこれが作品賞を取るなら他のフェミニズム映画は怒っていい。

 まず冒頭から首を傾げた。「バービー上げ、既存の人形遊び下げ」ってのは違うだろ。女の子の遊びは母親ごっこだけじゃねぇ!って言いたいのは分かるけど、だからといって赤ちゃん人形ぶっ壊すのはおかしい。(ぽぽちゃんのお医者さんセットとかすげぇぞ。)幼子が赤ちゃん人形ぶん投げるところは、玩具メーカー勤めでもなんでもないけど胸が痛かった。

 一番混乱したのがターゲット層が不明瞭なこと。女性をエンパワメントするにも、男性を啓蒙するにも弱い。例えばグロリアの説得は女性陣からすると「知っとるわ」という話ばかりだが、男性にはたぶん理解してもらえない。(既に理解してる人ならああいうことは言わん。)ケンが「そりゃそうだろ、女なんだから」とか嫌な反論してさらにグロリアが解説する、とかすればいいんだろうけど、そもそもケンは人間界の様相だけ持って帰ってきて思想までは完コピしてないから無理。というか男性はケンの扱いに怒らないのか。知能もそうだが、バービーはいろいろいるのにケンはムキマッチョしかいないぞ。そして男女の分断に持っていって、お情け程度の橋渡し役がアラン一人ってのは無茶やろ。彼の存在ほぼ空気やし。バービーの勝利ってのもおかしな話だが、そもそもバービーランドも不平等だし仕方ないのかな。大統領が「いや最高裁をケンに任せるのはちょっと」って断るところは女の私でも傷ついたわ。

 バービーが人間界にもたらすのはポジティブっぷりだけで、大人を勇気づけるには物足りなさすぎる。子どもに明るい未来を見せたい割には単語が難しいし、子ども主体の話はほぼない。嫌な現実を改めて突きつけられて、若干(本当に若干)変化したのはバービーランドだけで、現実は相も変わらずジェンダー平等には程遠い。会社の役員もオッサンばっかで、これで若者に希望を持てとは無理な話。こういう面も含めて風刺や皮肉と取るにはある程度の教養がないと無理だし、そもそも笑い飛ばすには現実がまだまだ地獄すぎて笑えんわ。ほんまに誰向け?ハッピーな映画は嘘だろ。幸せになったのはバービーただ一人じゃん。

 映像はめちゃくちゃいい。私は人形遊びしないタイプの女児だったので想像でしかないけど、夢のドールハウスだなってのは伝わった。有名俳優勢ぞろいで画面が常に豪華。だからこそこれだけの実力者ぞろいならもっと深くて面白いものができたのでは?という疑問が残る。日本語キャストも豪華なので、機内エンタメとかであったら吹替版を流し見したいな。

wwws.warnerbros.co.jp

ドラマ

ブラッシュアップライフ

 方々からオススメされたのでNetflixで見た。確かにめちゃくちゃ良かった。子供時代に時間をかけすぎず、テンポを落とすことなくループするから飽きない。人生やり直しっていうありがちなテーマをどう終わらせるか気になったけど、後半ああいう風にハンドル切ってオチまで突っ走るのは予想外で純粋に楽しめた。物語の根幹を友情にしたのも素晴らしい。さすがバカリズム。私も老後は空飛ぶ車椅子の老人ホームに入りたい。アラサー(80年代後半~90年代前半生まれ)にぶっ刺さるネタが多いので同年代はぜひ見て感想語ろう。よりによって日テレ制作なのはめちゃくちゃモヤるけどね。

www.ntv.co.jp

MIU404

 続けて邦ドラ見たくなって、昔話題になってたことを思い出したので見た。面白かったけど Not for me だった。情に訴えるセリフが多くて、良くも悪くもあぁ日本の刑事ドラマだな〜と一歩引いて見ていた。菅田将暉クラスの悪がもっと見たかった。社会派と呼ぶには全く物足りないけど、日本のテレビの限界はこのへんだわな。ゲストも景色も毎話豪華で、特に山梨はまた行きたくなった。うどんも当然食べたくなった。この調子で『アンナチュラル』も見たかったけどNetflixに無かった、残念。

www.tbs.co.jp

夜に星を放つ

 Kindleアンリミで初めて失敗した。安い感傷のために他人を都合よく使うな!と絶叫したくなる短編集だった。「人肌恋しいから妹の彼氏にすがるOL」「大人への憧れがあるから人妻に告ってみる男子高校生」「妻と子が恋しいから隣家の人妻と家族ごっこする会社員」等々、キャラの動機がしょうもない割に行動の結果に対する責任を負えないやつばかり。それをさもいい話かのようにまとめられると虫酸が走る。読むのやめようか何度も迷った。(私がしょうもな!と切り捨てる部分が「エモい、分かる」ってなる人には刺さるんだろうな。)あげくシメは聡くて行儀の良い子どもが大人を癒やす話?しょうもないエモのために人を消耗するのもいい加減にしろ。あと男子高校生の話は、現代っ子こんなにバカじゃなくない?と首をひねった。作者の年齢がだいぶ上なのでジェネレーションギャップかもしれない。とにかく私の価値観と相性悪すぎたので、もうこの作者の本は読まない。

www.kinokuniya.co.jp

私の「結婚」について勝手に語らないでください

 韓国で非婚主義としてポッドキャストをやってる女性のエッセイで、原題直訳は『いや、今どき誰が』。「非婚」という概念がなるほど私にバチっとくるなと思って買った。実際は結婚批判でも非婚の取説でもなく、ラジオのような一人語りの裏に「こんな生き方もあるよ、人と違ってもいいんだよ」と優しさを感じる内容だった。最初は正直拍子抜けしたけど、まだ幼い甥姪の希望でありたいという意図に納得した。作者は恋愛するし動物好きだし、仕事はフリーランスで友達もめちゃくちゃ多いアクティブな人で、同じ非婚でも私と全然違う。韓国独特な生きづらさも多々伺える。それでもいい本だったなと思うのは、根本の「みんな違ってみんな良い」に深く共感したからだと思う。

 ちなみに、作者はなかなか家族仲が良い家庭に育った人なので、毒親持ちは注意されたし。

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君と夏が、鉄塔の上

 軽めの読み物を!と探してたらKindleアンリミにあった、推しYouTuber作の小説。瑞々しい青春小説でキャラも話もすごくかわいらしい。キャラクターそれぞれに作者の人格のカケラがうかがえて、普段から雑談やらなんやら視聴してる身としてはニヤついてしまった。結局あれは何だったんだ?という部分がかなり残されたまま終わるけど、中学生の夏休みなんて「少し不思議」ぐらいでちょうどいいのかもしれない。電線や鉄塔がない国に住んでるので、日本の景色が少し懐かしくなった。これは第二作らしいので、第一作も読もう。

d21.co.jp

おわりに

 今月は重ための本に手を出してしまった(まだ読み終わってない)ので、読み終えた本が少ない……。けど「毎月一冊以上マンガ以外の本を読む」という今年の目標は継続できているのでいいかな。上記以外では旅行ガイドをめちゃくちゃ読んでいる。今検討してるのはスペイン・イタリア・スイス!あの国気になる、ですぐガイドブックを手に取れる点ではKindleアンリミテッド最高すぎる。(Kindleアンリミ信者)(SNSより情報スピードは遅いが、その分正確でサクッとポイントが理解できる点はガイドブックに軍配が上がると思ってる。)

 あとスマホゲームにはまってしまったので、Netflixも全然見れてない。今遊んでるのは『レスレリアーナのアトリエ』と『Mini Metro(Google Play Pass)』と『ファッションバース(Netflixゲーム)』です。ていうかGoogle Play Passって何マジで。まだ無料期間中だけど対象タイトルが意外と多くて、これは良くない時間泥棒すぎる。Xboxゲームパスもまだ入ってるし、あぁこれ以上サブスク増やすのはまずい……。

Singapore Airshow 2024 に行ってきた

はじめに

 シンガポール・エアショーに行ってきた。実は世界三大航空ショーに数えられ、アジア最大規模を誇る航空業界の展示会。2年に1回の開催で、コロナ禍明けの今回は日本の防衛省が出展していたり、中国産の旅客機が来ていたり、久々の大賑わいだった模様。

 ……そんなことは全く知らず、広告を見て「わーい飛行機ショーだ!」と一般デーのチケットを即購入したニワカ飛行機好きは私です。めっちゃ楽しかったので次回も行きたい。

会場まで

 感動したのがチケ代($34)に往復シャトルバスが含まれていたこと。バス乗り場はエキスポ、つまりビッグサイトとかインテとかに似た展示場で、思わず懐かしい気持ちになった。なんでこんなとこ指定?と思ったけど、冷房の利いた会場ではチケット確認とセキュリティチェック、乗車列形成がキレイに行われてて、なるほどと感動。涼しいからみんなイラつくこともなく、スタッフも働きやすそうだった。

 バスもまたすごくて、一般のチャーターバスではなくなんと普通の路線バス(シンガポールの路線バスは全て公営)。当然車内は広いし立ってても安定してるし、二階建ても連結型も動員してるから全く待つことなく続々とバスが来るし、ぎゅうぎゅう詰めで乗らされることもない。恐るべし政府後援のイベント。エキスポから会場は意外と遠くて、バス代込みなことに心から感謝した。帰りの乗車列はテントと扇風機だけで蒸し暑かったけど、同人イベやらテーマパークやらで鍛えられたオタクには余裕だった。

 余談だけど、バスオタクが出口付近でカメラ構えてぞろぞろ待ってたのは面白かった。私らの目的は飛行機の祭典だけど、彼らにとっては同時にバスの祭典でもあったんだな。

屋外展示

 ここからは写真メイン。右を見ても左を見ても空飛ぶ乗り物祭りで大興奮だった。ただ旅客機は少数派で中も見せてもらえず、メインは各国の戦闘機。旅客機好きとしてはちょっと寂しかった。

 一番賑わってたのはシンガポール空軍のコーナー。(でも動画ばっかり撮っててブログ用の写真はほぼない!失敗した……。)戦闘機やヘリの座席に座って記念撮影ができるので、長蛇の列ができていた。ミリオタではないので私は行かなかったけど。あと噂には聞いてたけど、空軍兵はグッドルッキングガイが多かったよ。

台湾のスターラックス航空のA330-900。残念ながら中は見学不可。乗らせてくれぇ……

中国東方航空。掃除してた記憶がよみがえって懐かしい(超汚かった思い出)。

中国の国産旅客機、COMAC社のARJ21。初の大型機C919はビジネスデーに試験飛行もしてたらしい。見たかったなぁ。

エンブラエル社のE195-E2。「プロフィット・ハンター」ってすげぇ名前(環境負荷が少ないとかメリット多い的な意味もあるらしい)

こういうプライベートジェットも数機来てた。スタッフが待機してたので、もしかすると超金持ちなら「買いたいから見せて」とかできるのかもしれない。

ヘリも展示中というか販売中。……お分かりいただけただろうか?

もう一度ご覧いただこう。……クマちゃん!!(こういうの粋だな)

ここからは軍関係。これは米国空軍機。でっっっっかい。炎天下だったので羽の下で涼んでいる人が多かった。

米国空軍機の中はこんな感じ。いろんな映画のシーンが思い起こされる。

前では現役軍人さんがわざわざ来星して解説中。絵にかいたような屈強な人たち。女性兵士は惚れ惚れするぐらいかっこよかった。

こちらはドイツ軍。中は見学可能という太っ腹対応。でも炎天下で長蛇の列に並ぶほどミリオタではないので外観だけ。

シンガポール空軍コーナーにあったASTER30、唯一の対空ミサイル展示。威圧感すごい。

屋内展示

 一般デーには既に閉めてるブースが多くて、予想外にガラガラだった。おかげで冷房はよく利いていたけども。飲食コーナーもあって、広々していてよかった。

入り口すぐの防衛省ブース。こんないい場所にでかでかと構えるなんて頑張ったな~。防衛機器の商談メインなので一般デーは残念ながらクローズ。

ボーイング社のブース。工場見学行ったのが懐かしい(今はめっきりエアバス派だけど。)

ボーイングの座席展示。こういうのが見たかった!でも中入れない、悲しい。

独特な形が目を引いたこいつは、シンガポールが開発した「フェリーより早く、飛行艇よりエコ」という触書の乗り物。実用化が楽しみ。

これぞ未来、空飛ぶタクシー!Cyberpunk2077みを感じて脳汁ドバドバ。

戦車も来てた。エアショーとは??

災害救助用の特殊車両も来てた。もはや乗り物大博覧会。

銃火器や爆弾も展示。この辺からだんだんモヤついてきた。

車両用機銃。この他マシンガン等は触って重さを体験できるようになってた。

 室内展示に限らず予想以上に兵器の展示が多くて、私にとって飛行機=旅行・旅客機というポジティブなイメージだったのでショックだった。(能天気ともいえる。)世界各地で戦争している今、国防ならびに防衛産業の重要性は増しているし、「誰かが銃を向けてくるかもしれないから、私も銃を構える」という考え方も頭では分かる。でも改めて飛行機は一兵器だ、武器は必要だ、という事実を突きつけられると心にずしっとくるものがあった。逆に言うと、こういう武器の商談会をあけっぴろげにできるのは、まだこの地域が平和な証拠なのかな。

 それでも思わず顔をしかめたのは、爆弾の隣に子どもを立たせて笑顔で写真撮影している家族がいたこと。どこの国の人か知らないが、もう少し勉強した方がいいですよと思った。大人になって分かる、広島・長崎・沖縄等に修学旅行へ行くことの重要性。

飛行パフォーマンス

 これが目玉!本当に感動した!ウダウダ書いたけどどうしても戦闘機の飛行パフォーマンスはかっこいい。(現金な奴だと笑ってくれ。)遠くから姿が近づいてくるところから既に胸が高鳴る。つんざくような音も含めて文字通り震えたし、大空にキレイな飛行機雲を描いていく様には痺れた。これのためだけでも炎天下を我慢してまた行きたいと思ってしまう。

 正直自分が一番見たかったのは旅客機のテスト飛行だけど、残念ながらそれはビジネスデーのみだった模様。そこだけはがっかりした。事前にタイムテーブル発表してほしい、改善求ム!(天候や体調によるんだろうけどなぁ)

 詳しくはちゃんとプロが撮影した公式YouTubeで見れるのでぜひ!

www.youtube.com

おわりに

  今回は半日で退場したけど、他にも空軍パイロットと記念撮影してサインもらったり、子ども用の工作コーナーがあったり、一日楽しめそうな内容だった。次回は元気だったらもう少しゆっくり回ろうかな。いろいろ書いたけど全体的には楽しかったし、チケット代以上の満足感は得られた。これのためにわざわざ来星っていうのは飛行機オタク・ミリオタでもない限りオススメしないけど、タイミングが合えば立ち寄ってみてもいいと思う。

 

2泊3日プーケット旅行

はじめに

 これは「砂浜に寝転んで日差しを浴びながら読書、たまに水浴びしてビーチバレー。ビーチ最高♡」というタイプではない人間が書いています。白い砂浜より博物館や美術館に吸い寄せられ、手つかずの自然よりも公共交通機関の発展と水洗トイレに涙を流して感謝する派。そんな私の感想を一言でまとめると「楽しかったけど、一回で十分です。」

キューバダイビング

 今回の一番の目的はこれ。ビーチリゾートとして周囲がもてはやすプーケットという街に、元々興味はあったけど行くだけの理由がなかった。近場で2泊3日の旅行にはぴったりだけど自分はビーチリゾートに向いてる人間じゃないしな~とためらっていたところ、人生で一回はやってみたいと思っていたスキューバダイビングができると知って行くことに。

 実際はめちゃくちゃ難しかった!人体を沈めるのってこんなに難しいのね!?「写真撮ってるからフレームアウトしないで」とかインストラクターに言われるけど、全くコントロール不能。酸素タンクは地上では重いくせに、水中だとすごい引っ張りあげられるし左右に振られる。前に進めば安定するかと思って、慣れないフィンで必死に泳ごうとしたら「泳ぐな、魚が逃げる。流れに身を任せろ」と言われる。無茶苦茶や!(後述するけど、人の話を全く聞かずにしゃべり続ける人なので言い返さなかった。)

 あと耳抜きも難しかった。一本目は大丈夫だったけど、二本目は疲れてたからか全然抜けなくて右耳つぶれるかと思った。さすがにちょっと上がらせてとハンドサイン出したけど「鼻つまんで頑張れ」と返されるだけでむしろ深く進まれて、内心マジで焦った。ちなみに、これを書いてる今も右耳に不調を抱えている。日にち薬しかないらしいので様子見中。

 とはいえ、水中の景色はとてもきれいだった。写真のとおり、先日水族館で見たような色とりどりの魚がいーっぱい!『デイブ・ザ・ダイバー』で知ったゴマモンガラが、本当に凶暴で他の魚を追い回してる様子を見られたことにも興奮した。冷たい水がやや混じってて若干濁りはあったけど、魚や珊瑚を十分満喫できた。法律により海洋生物へのおさわりは厳禁だったのはすごく残念。でも『ファインディング・ニモ』で見たような魚の群れと間近に対することができて感動した。

 潮風を浴びながらボートで過ごすのも快適だった。なかなか揺れたけど船酔いすることもなく、終わるころには昼寝できたぐらい。まぁおかげでガッツリ日焼けしたけど。昼食にできたてタイ料理食べさせてくれたのも嬉しかった。

 ぶっちゃけ私的にはスカイダイビングの方が怖いけど楽。スキューバはやることが多い。「魚きれい!泳いだら逃げる!耳痛い!体が浮く!でも珊瑚きれい!やべぇ息し忘れてた!」みたいな感じで超忙しい。空は上に行ったらあとは重力に従って落ちるだけ。(逆に言えばインストラクターに命含めすべてを預けるしかないわけだが。)一周回ってまたスカイダイビングやりたいかもしれない……。

 ここからは愚痴。担当インストラクターが最悪だった。昭和の親父って感じで声デカくて口が悪い。ディスりをイジリと混同したまま生きてる。それが海外生活長すぎて悪化してるから余計に質悪い。ダイビングポイントまでの移動に一時間ぐらいあったけど、海洋生物の話とかじゃなくて日本の教育批判を延々聞かされた。それを同じく海外生活長いからって私に同意を求めてくるところもウザい。「私わざわざ日本人にお金払って何聞かされてるんやろ……英語ツアーにしとけばよかった」とげんなりしたので、さすがに途中からは愛想笑いもやめた。自分は実業家で金持ちっていう自慢も心底うんざり。すべてが鬱陶しかったので、当然チップは渡してない。お金あるんだから庶民のはした金なんかいらないでしょ。この辺で日本人がやってる所はこの会社以外なさそうというのも、もう行かないと思う理由の一つ。「自分が初ダイビングした時は、耳痛いしインストラクターぶっ〇してやろうと思いましたよ、ハハハ」とか笑ってたけど、そっくりそのまま返してやりたかった。

ホテル

 ダイビングの送迎の都合上、ビーチ近くに滞在した。また、計画した当初はスパも行こうと考えてたので、スパリゾートみたいなところを選んだ。が、感動がないどころか気の利かない点が多く、普通に大手ホテルチェーンにしとけばよかったと後悔した。具体的にはこんな感じ。

  • デポジットは現金で、とフロントに到着して初めて知らされる。予約確認にそうした記載は無し。たまたま持ってて助かったけど。
  • 泊った部屋は平屋造り(ヴィラなんて高級なもんじゃない、いうなれば長屋)。フロントから遠いが屋外プールへのアクセスは良い。庭に面しており、各部屋の外に付いてる椅子に腰かけて、水着を乾かしながら優雅にリゾート気分を味わえる。しかし自然豊かなぶん、夜は蛾やヤモリが大集合。対策は部屋になんの説明もなく置かれている大昔のアースだけ。私ですら使い方分からんかったわ。
  • 隣人が外の椅子に集まり宴会を始めると、扉が薄すぎるので全部聞こえる。防犯性も心配。
  • 『起こさないでください』の札が木製で、同じく木製の扉に風でガンガン当たってうるさい。お前のせいで起きるわ。
  • 歯ブラシ等のアメニティはフロントに言わないともらえない、ということが部屋には案内があるけどフロントでは教えてもらえない。仕方なしにフロントで尋ねると「ちょっと今はない。後で部屋にもっていく」と言われたが、3時間待っても来ない。今度はフロントに電話してやるとやっと持ってくる。
  • 部屋の清掃には来るが、タオルを変えるのではなく畳んで元の場所に置いておかれる。「交換したいタオルだけ洗面所にいれてください。水を大切にしましょう」とかの案内も特にない。え、清掃とは?

 なんというか、高級ホテルではないが決して安くもないのにこのレベルか、という感じで気疲れした。バスタブないとこに泊まるのはもうやめよう、いい年した社会人だしな……。お湯はちゃんと出たし、毎日飲み水2本くれたし、朝食ブッフェもルームサービスもおいしかったのだけは本当に救い。

泊ったホテル。入口だけは立派。

ペディキュアとショッピング

 気を取り直して楽しい話。リゾート地とはいえシンガポールより物価は安いので、ネイルサロンに立ち寄った。両足ペディキュア(ポリッシュ)がケア付きでTHB500と激安。直後に少し剥げてしまったけど、超かわいく仕上がったし施術も丁寧だったので大満足!ずっと買い換えたいと思ってたサンダルもゲットできた。TevaのスポサンがTHB1,700ぐらいで買えたのは最高。ベースがビーサンだから砂浜にも雨にも強い。デザインと実用性を兼ね備えているなんてすばらしい。こういう買い物は気持ちよくてずっと一人でニヤニヤしてしまう。

サンダルとペディキュア。本当にいい買い物した!

飛行機ビーチ

 正式名称はマイカオビーチ。プーケットで何したらいいんだ?とネサフしていた時に知った、空港の間裏にあるビーチ。朝イチに行くと着陸する飛行機が自分の真上を飛んでいく。実際の迫力はすさまじい!つんざくようなエンジン音。顔がカピカピになりそうなぐらい吹き付ける風。「轢かれる!」と思うぐらい機体が目前に迫ってきて、次の瞬間には写真のように自分の真上を飛び去っている。ため息がでるくらいカッコいい!

 ビーチに来てた人はみんな自撮りがんばってたけど、なかなか厳しそうだった。私も挑戦したけど、近すぎて合成したみたいになった。それくらい近くで見れる。本当は大型機を見たかったけど、時間的に無理だった。場所的に全然タクシー捕まらないし行きも帰りも苦労したけど、それでも立ち寄ってよかった。ビーチから走るバイクタクシーも、ドナドナされるみたいで面白かった。貴重な体験できたな。

イカオビーチにて。本当に飛行機のお腹が丸見え。大迫力!

その他

 マジでハッパ屋が多い。その横で「射撃(実銃)いかがですか~」とかのんきに客引きしてるのでたまったもんじゃない。ラリッた客に銃持たせるのどうかしてる。いくら射撃場は車でちょっと走った所にあるとはいえ恐ろしい。いや、そういうアホな客を誘拐する算段かも?いずれにせよ治安悪すぎる。

 入管の列で子連れをたくさん見かけたんだが、ああいう人たちは高級リゾートホテルにこもりっきりで遊ぶんだろうか。巨大ショッピングモールの周辺でさえ、信号のない横断歩道をひっきりなしに横切るバイクと車、生物的な悪臭と怪しい客引き、そしてハッパ屋。決して子供を遊ばせるような街じゃないと思うので、きれいなホテルの清潔なプールでちゃぷちゃぷしてる方が健全だろうな。

 あとコルコルコルコル(ヘタリア)の国の人がめちゃくちゃ多かった。今あなたの国のせいで戦争してませんでしたっけ?のんきなもんですね、とどうしても白い目で見てしまった。亡命してるとか国籍は違うとかいろいろ事情はあるんだろうけど、なんというか無責任で無関心な行動に思えてしまう。ウクライナのことを思うと胸が痛くて、見かけるたびにモヤモヤした。

パトンビーチ。景色はキレイ。

ビーチに背を向けるとこのストリート。ヤバそうな店が多かった。

おわりに

 スキューバダイビングやりたいがために行ったけど、近いってだけで別にプーケットにこだわる理由は全くないので、冒頭にも書いたけどもう行かないと思う。たとえ誰かに誘われても、沖縄に行こうって誘い返すかもしれない。しばらく東南アジアはいいかな、お腹いっぱいだ。さらなる遠出のために貯金しよう。何はともあれ、充実した旧正月休みでした。

2024年1月の見た・読んだ

はじめに

 年末頃からブログ書くのが楽しくなってきたので、今年はできるだけ月ごとにまとめて振り返りたい所存。

映画

エストロ:その音楽と愛と

 キャリー・マリガン推しが続いてるのと、レナード・バーンスタインの物語ということで見た。(そうです、指揮台の上で飛ぶあの人です。)キャリー様が演じる、聡くて愛情深くてちょっと不器用な女が好きすぎる。ぶっちゃけバーンスタインのことは全然知らんかったので、かなり奔放な人だったことに驚き。愛の形が違う二人が最期になってようやく寄り添える、美しくも悲しい話だった。マヤ・ホークも良かったな〜、夫婦間の板挟みになる子どもは辛い。音楽は終始豪華なので耳が幸せになる。

www.netflix.com

終わらない週末

 原題『Leave the World Behind』だけど どちらかというと"The world leaves us behind" な内容だった。これアメリカ人ならゾッとできて面白いのかな。私は「あんたの所は敵が多いからな、乙」で終わってしまった。話が浅いのに種明かしが遅いから腹立ったし、ジュリア・ロバーツが絶妙にいそうなタイプのレイシストを演じてて最高にイライラした。主要キャラも動物も死なないけど歯は抜ける終末系サスペンス。

www.netflix.com

アニメ

PLUTO

 めちゃくちゃ面白かった!今月のベスト!推しが推してたので見てみたけど、本当に声優が豪華。大御所がじゃんじゃん出てくるのにバンバン使い捨てしてて、「この声優ならこのキャラは死なないだろう」「この声ならこいつは重要キャラに違いない」みたいなオタク特有のメタ読みが封じられる。まさか「もぐりの医者」が一話、それも一分足らずで退場すると思わんやろ?手のひらでコロコロ弄ばれて超楽しい。ストーリーも重厚で見応え抜群。『鉄腕アトム』がベースなのでそっちに造詣が深いともっと楽しめたと思う。私はあのラストしか知らないので、もしや!?と最後までハラハラさせられた。

 一方で細かいところ(例えばなぜかPCのUIがMacだったり、ラップトップなのに画面とキーボードのアスペクト比が狂ってたり)は雑いので、声とストーリーありき感はあった。Netflixアニメあるある。

pluto-anime.com

ドラマ

ザ・ディプロマット

 駐英米国大使に突然任命された外交官の物語。この類のドラマは人気出ると長引きがちなので本当は見たくなかったけど、やられた。一を聞いて百を理解したうえで次に伝える一を捻りだす、外交官ってこんなに頭キレッキレじゃないとやってけないんですか怖〜と震えながら、面白すぎてイッキ見した。一生調整で見てるだけでも気疲れするのに、さらに信用できない配偶者、上司の思惑やらなんやら絡んできて胃が痛くなる。しかしそのリアルな仕事っぷりが超おもしろいので、本気と書いてガチの外交ドラマに軸を置いたまま続いてほしい。

www.netflix.com

コンビニ人間

 『信仰』が面白かったのでこちらも読むことに。Kindleアンリミ助かる。この人の文体はすごく読みやすいのに、気づけば歪な場所へ連れていかれるから不思議。

 『生存』『書かなかった小説』のように世界や日常が徐々にズレていくのではなく、元からズレている人たちの話だった。この話を気持ち悪いと切り捨てられるのは「普通」にいる側の特権だな。終盤はハラハラしていたけど、恵子がきちんと居場所に戻れたことはハッピーエンドだと私は思う。第三者やマジョリティの定義する「普通」からはみ出ても、本人が無害で幸福(平穏と言い換えてもいい)に生きていけるならそれでいいよね。それを勝手に異物認定して他人が土足で干渉する権利はないし、無理に迎合しようとする必要もない。

books.bunshun.jp

婚活中毒

 Kindleアンリミ探索してた時、タイトルにぎょっとなったので読んでみた。実はミステリ短編集。「婚活あるある」な心理描写に経験者としてウヒャ〜となりつつ読んだ。それはそれとして、イヤミスが得意な人らしいけどもっとエグめにハンドルきってほしかったな。小綺麗にまとめるなんてもったいない。男と女の話になりがちな婚活というテーマで、最終的に女と女の話に着地した『婚活マニュアル』が好きでした。

www.j-n.co.jp

明日のあなたも愛してる

 『赤と白とロイヤルブルー』の作者の二作目。最高のエチかわ胸キュン百合だった。SF深度は浅めだけど、その分ポップで非日常な上京物語としてサクッと読めた。一見さんには冷たいのに懐に入れてもらえると途端に温かいの、めちゃくちゃニューヨークって感じだ。今と昔のクィアコミュニティの対比もしっかりしてて、本当に作者のでっかいラブを感じる。全部きちんと筋を通しつつキレイに風呂敷を畳んで大団円にもっていくのはあっぱれの一言。ジェーンの実写はローレン・サイがいいな〜と妄想しながら読んでたけど、本人ヴィーガンだから革ジャン着てくれないわ。

www.futami.co.jp

チーズはどこへ消えた?

 これもKindleアンリミ。詐欺師が好きそうな類の寓話本だった。短くて分かりやすいし要旨には共感したけど、文体がめちゃくちゃ胡散臭い。中堅社員研修とかで適当に読ませるといいんじゃないですかね。

www.kinokuniya.co.jp

イタリア人マッシがぶっ飛んだ日本の神グルメ

 Kindleアンリミに来てて飛びついた。ヤマザキマリさんに続き、食のエッセイブームが続いている。これはTwitterで何かと有名なマッシさん作。これ美味しいよね!をピュアな視線で熱く語ってくれて、なんとも微笑ましいしお腹が空いてくる。「ご飯は定食の太陽」って素晴らしくない?外国語として日本語を話す人ならではの表現に感心させられるしお腹が空いてくる(2回目)。あとがきまで素敵なのは本当にいいお人柄が出てる。神戸と金沢行きたくなった。

www.lettuceclub.net

おわりに

 今月は思ったよりエンタメ消費してたことに驚き。1ヶ月でもこんなに充実させられるのか。でも心身の不調により家で長時間座ることができず、ゲームは全然できなかった。上手い塩梅で多方面のエンタメを摂取していきたいな。

母と過ごす非日常の3日間

はじめに

 母がやって来たので有休取ってアテンドしてきた。一年ぶり二度目ということで、今回はリピートしたい店や前回行けなかったところを中心になるべくのんびり回ってきた。久しぶりに観光客として振る舞うのは楽しかったけど、連日2万歩以上歩くとさすがに疲れた。総合的には満足してもらえたようなので頑張りが報われたな〜と、もう一歩も動けない体でこれを書いている。

一日目

 早朝着のため腹ペコということで、まずはカヤトーストを食べにヤクンへ。トーストと蒸しパンの両方を頼んでシェア。ガジガジの薄い食パンも、バターしみしみふわふわの蒸しパンも大好き。ベッタベタに甘い紅茶を片手に長話して互いの近況を早速キャッチアップ。

セント・アンドリュー大聖堂

 前回は工事中で行けなかったのと、雨天かつ朝イチ暇だったので訪問。これまで見てきたヨーロッパの教会や長崎など日本の教会とも違う、なんとものっぺりとした風合いでユニークな内装を楽しんだ。ステンドグラスも緻密ではないがこれはこれで美しい。参列者の椅子の背面がメッシュなのも、暑い国ならではだなと感心した。平日の朝だとガラ空きで勧誘してくる人もいなかった。

www.visitsingapore.com

プラナカン博物館

 こちらも前回工事中で行けなかったので、二人とも初訪問。イギリスのV&Aみたいにファッションの展示が充実していて面白かった。ピンクのテーブルセッティングは最高にかわいかったな。いわゆるインスタ映えスポットなのでもっと人気出てほしい。色彩鮮やかなアジア的かわいいの宝庫なので超オススメ。

プラナカン博物館は外観からすでにかわいい

 見終わってからはショッピングして、ランチには海南チキンライスを食べた。お互い朝早くて疲れたので、しばらく昼寝休憩して夜に再集合。

RISE(マリーナベイサンズ)

 ホテルブッフェでゆったり晩ごはん。点心・ラクサビリヤニ・ナシレマ等々、幅広い東南アジア料理が味わえるので、耐えられる辛さやエスニック度を測るために初日の夜にどうしても連れてきたかった。ご飯ものからデザートまで、日本ではなかなか見ないものも数多く揃ってるので写真を撮って歩き回るだけでも楽しい。時間制限がないのは寛大すぎると思う。(平日だからかな?)けど悲しいかな、胃には限界があるので「もっと食べたいし時間もあるのにもう入らない!」と二人して嘆き、次回もまた来ることを約束した。アジア料理は炭水化物が多くてすぐに胃に貯まるのが難点だな〜。

jp.marinabaysands.com

ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ

 ブッフェを早々に引き上げて間に合ったので、前回見損ねた夜のショーを見に行った。私も大昔に遠くから眺めたっきりなので実質初めて。記憶より電飾がキレイでとてもよかった。曲はミュージカルナンバーのメドレーで思わず踊ってしまったぐらい。無料で見れるの本当に助かる。

www.gardensbythebay.com.sg

二日目

 2日連続で朝から雨なんて珍しいので困った。屋内で楽しめるよう、肉まんと豆乳でエネルギーチャージしてセントーサ島へ移動。

S.E.A Aquarium

 到着すると職員がちょうど朝食をあげ始めたので、超活発な魚たちを見れてラッキーだった。

もはや襲われているのでは?レベルで魚に囲まれるS.E.A. Aquariumの職員さん

 上に下にとめちゃくちゃ広いし、全体的にマンタ含めエイやサメが多くて見ごたえあった。一方で、館内の装飾にイルカや亀は描かれているのにいずれも会えなかったことは残念だった。タコも深海魚もジンベエザメもいなかったな。でもビックリするような色合いの南国の魚たちをここまでたくさん見たのは初めてで満足。最近Switchで『デイブ・ザ・ダイバー』をクリアしたばかりだったので「こいつは寿司にすると単価高い」「こいつ強かった」みたいな目線でついつい見てしまったけど。

My Eureka Popcorn

 ここのポップコーンについて語りだすとキリがない。マジで旨いので早くKALDI成城石井で取り扱うべきだと親戚一同で思ってる。ロブスターチーズも試食して旨かったけど、オールタイムベストはチリクラブ味!きちんとカニの出汁の味がするし乾燥した身も入ってる。おかず系ポップコーンを作らせたら世界一だと本気で思う。安くないけどオマケ精神がすごくて、今回も大袋6個買ったところ、大袋2つ+小缶2つを付けてくれたので計10点を抱えて帰ることになった。エウレカちゃんマヂラブすぎるので本当に日本に進出してくれ、頼む。

sg.eurekasnack.com

 お昼はフードコートに寄り、ワンタンミーとカレーチキンヌードルを食べた。「人類は麺類だ」と祖父は言っていたらしいけど、本当にそう思うぐらいこの国は麺料理が豊富だ。

 その後はショッピング三昧でお金と体力を消耗。疲れたらカフェでお茶休憩しつつ、今後の旅行計画をあーでもないこーでもないと練る。ノンストップで旅行計画を立てるのはやはり遺伝。話がひと段落したらまたショッピングに繰り出し、気づけば夜も更けている。

サテーストリート

 前回たまたまレストランで食べたサテーがヒットだったらしく、以後諸々調べてぜひ行ってみたいとのことだったのでこちらで晩ご飯に。私も大昔に右も左も分らぬまま連れてこられた記憶しかなかったのでワクワク。ベーシックな鶏10本+牛10本+エビ6本のセットを買い、タイガービールと一緒に食した。これがめっちゃおいしかった~!甘くて濃いピーナッツソースにビールがめちゃくちゃ合う。一本ずつが小ぶりなのでパクパクいける。金融街のど真ん中、高層ビルに囲まれた歩行者天国でモクモク立ち上る煙と煌々とした明かりを見ながら串焼きを食べられるのは世界でもここだけ。

www.laupasat.sg

三日目

 最終日はまたカヤトーストが食べたいということで、今度はトーストボックスでカヤトーストを食べることに。ヤクンより厚めの食パンで、カヤジャムの味も結構違う。こっちにはこっちのおいしさがあるので母には楽しんでもらえた模様。

シンガポール国立博物館

 母の目的はほぼクリアしてしまい暇になったので、私が企画展を見たいから連れてった。一番見たかった空港のパタパタ(反転フラップ式案内表示機)はもう撤去されてたけど、「旅行」をテーマにした展示は他にないので、規模は小さいながらも楽しめた。本展込みのチケットにしたので、久しぶりにそちらも見学。改めて国の若さを感じた。母も初めてこの国の歴史を知ったと興味深そうにしていた。

www.visitsingapore.com

 見学後はお互い疲労がピークに達してしまい、ティオンバル・ベーカリーで半分気絶しながら休憩。クロワッサンとハンバーガーを食べながら喋ってたけど、暴飲暴食で胃もたれしてきてたし、二人とも「早くスパに行きたい」しか考えてなかったから何を話したか記憶が怪しい。

Chi, The Spa

 ここ数年でホテルスパという悪い遊びを覚えたので、前回母にも体験させたところ大ハマり。今回も同じシャングリラで、母は深夜のフライトに備えて、私は翌日の仕事に備えて心身をリセット。超絶気持ちよかった!前回のアロママッサージも良かったけど、今回のディープティシューマッサージは強い指圧で全身がしっかりほぐれた。名前にアロマって無いから心配してたけど、やっぱりアロマオイル選ばせてくれたところも良かった。事前にシャワー浴びさせてもらえるから、深夜便で帰るならスパ行くのを強くオススメする。母曰く機内での眠りの深さも違うらしい。特にここは他の高級ホテルスパに比べると安いのに、シャングリラブランドなだけあって技術や設備は確かなのでマジで推せる。

www.shangri-la.com

 スパ後は元気もりもりに復活。食欲も戻ってきたのでそのまま空港に向かい、ジュエルのホワイトレストランで晩ご飯を食べた。シリアルプラウンとイカソルティッドエッグ炒めと名物ホワイトビーフン。どれもおいしかったけど、さすがに濃い味を頼みすぎたな。ビーフンもSサイズにしておくべきだった。結局また胃をパンパンにして解散。母は無事帰国した。

おわりに

 5年目にして初めて行くところもあって(もっと積極的に出歩けよという意見はさておき)、とても充実した三日間だった。雨続きでクラークキーのリバークルーズは乗れなかったので、今度はブッフェと合わせてリベンジかな。自分が海外旅行するのとは違い、普段住んでる街をぐるぐる散策するだけではアドレナリンが出てこず、疲れやすいということに気づいてしまった。付きっきりのアテンドは3日が限界かもしれない。それでも非日常を味わえるのは楽しいので、誰でも何度でも来てほしいなと思う。

2023年読んだマンガ・本

はじめに

 2023年のことは2023年のうちに振り返るぞ!最後はマンガと本。

 

マンガ

蒼天航路

 推しが常に推してたこと。ゲーム『Wo Long: Fallen Dynasty』をプレイする前に三国志を予習したかったこと。横山版三国志と違って全巻Kindleにあること。これらが作用してまとめ買いして没頭した。歴史ものなので字が多いし、画風はいわゆる「おっさんマンガ」。好き嫌い分かれるやろうけど、私はハマった!推しが曹孟徳推しな理由が分かった。三国志一回通っておきたいなって人にはオススメ。話が派手なので読みやすいと思う。好きなキャラは夏侯惇です。妈妈キャラかわよ(注:ゴリゴリのおっさんです)

bookwalker.jp

環と周

 『大奥』や『つくたべ』でおなじみ、よしながふみの新刊。一巻完結アンソロなのでサクッと読めるのに、さすが各話いろんな形の愛がぎっしり詰まっててすごい満足感。ラブストーリーのお節か?輪廻転生を繰り返して結ばれる、みたいな愛のカルマ背負ったストーリー好きなら絶対読んでくれ!この作者は絶対外さんから!

comic.k-manga.jp

崖際のワルツ

 『青野くんに触りたいから死にたい』の作者、椎名うみ先生のデビュー作アンソロ。この人昔から感情の描き方がエグいのか、とドン引きしながらも惹き付けられた。人の闇に対する解像度が高くて本当に引く。(心から褒めてる)

 もちろん『青野くん〜』も最新刊まで追ってる。ここまで積み上がった不安定な愛と恐怖をどう壊す or 飾り付けて終わるのかずっと楽しみにしてる。

kc.kodansha.co.jp

違国日記

 謎は謎のままに終わってしまい一読み手としてはモヤッとしたけど、でも現実は確かにすべてが明らかになること少ないし、大切なのは残された生者の中で区切りがつくこと・前に進めるようになることだとも思うので、個人的にはいいエンディングだった。説教くさいテイストという意見も知ってるけど、私は槙生ちゃん節が好きでした。ドラマ化楽しみ。

www.shodensha.co.jp

悪役令嬢転生おじさん

 友達に薦められて読んでみた。ぶっちゃけ転生モノは食傷ぎみだったけど、これは切り口が新鮮でおもしろかった。ポテチ片手に何も考えずにギャグ漫画読みたいならオススメ。

piccoma.com

かげきしょうじょ!

 ヅカは見たことないけど、舞台好きとして主題がハマったのでずっと追いかけてる。本家が今ヤバイことになってるだけに、この漫画のキャラ達だけでも幸せになってほしい。どこまで描かれるのかも含めて期待。

www.hakusensha.co.jp

作りたい女と食べたい女

 常に新刊待ってる。細かく注意書きが入ってるのも感心するし、毎度作者の多方面に対するラブが感じられて非常に良い。

comic-walker.com

マダムたちのルームシェア

 こんな風に年を取りたいお手本No.1。ボイスが付いたのもキャスト全員ピッタリで超良かった。

www.lettuceclub.net

 

チルダは小さな大天才

 Netflix映画→舞台(WE)→原作小説、という発展の歴史とは真逆の順でハマった。個人的に一番好きなのはこの本、2位がNetflix映画で3位が舞台。今まで疑問だったところがきちんと説明されてるからというのと、エンディングが一番苦い、でも一番納得できたのが好きなポイント。そうだよな、あんな家族がいきなり愛情深い仕草するとは思えなかったんだよ。ロアルド・ダール毒親に対する解像度が高すぎる。マチルダの内面も思ったよりしっかり子どもでかわいかった。児童小説なので、活字離れしてたけど久しぶりに本読むか!って時にぴったり。

 余談:舞台は『School Song』に痺れた!ブロックを差し込み登っていくのは舞台でしか出会えない演出で感動。私が見たのはブラックのマチルダで、家族から爪弾きにさせるさまが一層痛ましかった。お歌も演技もめちゃくちゃ上手くて、子どもといえどウエストエンドで戦ってる人間は違うわ……と震えた。

 そのうえでNetflix版の方が好きなのは、映画だからこそできた「学生キャスト全員子ども」という点が強すぎるのと、ミス・トランチボルトが女性である点。子どもだけで歌う『When I grow up』が好きすぎて、「子どもは古今東西、健やかに成長できる環境を与えてやらにゃならん!」と何度見ても泣く。そして今となってはミス・ハニーの気持ちも理解できるのでより刺さる。あとストーリー、特にEscapologistのくだりは舞台だけじゃ分からんわと思ったので、画で補完できる映画は薦めやすいなと。

www.hyoronsha.co.jp

赤と白とロイヤルブルー

 読み始めがいつか忘れたけど今年読み終わった!めちゃくちゃ良い商業BLだった〜!(こう読んでいいのかな?)アメリカとイギリスそれぞれの文脈があり、政治描写もしっかりしてるのは日本とは違うなと思った。だからこそリアリティがあっておもしろい。二人とも国ごと巻き込んでもだもだするからまぁキュンキュンする!あと西洋のインテリの惚気は一味違いつつも激甘で、読みながらニヤニヤが止まらんかった!映画はまだ見れてないけど絶対見るよ!

www.kinokuniya.co.jp

侍女の物語

 これもいつ読み始めたか忘れたぐらい時間かかってしまった。文体が独特でついていくのに苦労した。ディストピアで暮らす人物の回顧録風なので、結局全貌は明らかにならず、終わりも「え、そういう感じなの!?」と個人的にはずっこけた。なので、続編の『誓願』読むか迷っている。少なくとも以前読んだナオミ・オルダーマンの『パワー』が「現代の『侍女の物語』だ!」と称賛される理由が分かったことはよかった。

www.hayakawa-online.co.jp

信仰

 Kindleアンリミに来てたので。ディストピア短編集なので、星新一とかNetflix『ラブ、デス&ロボット』『ブラック・ミラー』とか好きならおすすめできる。私はディストピア系好きですが、生存率に振り回される世界が特に面白かった。めちゃ読みやすかったので、同じ作者の『コンビニ人間』も今度読んでみようと思う。

honto.jp

挑発する少女小説

 Twitterで紹介されてて手にとって見た。読んだことあるものが結構紹介されてて、懐かしい気持ちになると同時に「なるほど、だから私はこの作品好きだったのか」と再発見もできて楽しかった。少女小説はぜひ後世にも残していきたいね。『長くつ下のピッピ』は永遠の名作だよ〜。スウェーデンとカナダ行きたい(そこ?)

www.kawade.co.jp

古代ギリシャのリアル

 ローグライクゲーム『HADES』をプレイする前の予習として買った。ギリシャの神々はめちゃくちゃキャラが濃いということと、ディズニーの『ヘラクレス』ぐらいしか知らなかったので勉強になった。これから博物館でギリシャ神話関係の作品を見る時の楽しみが増えた。私はハデスとヘパイストスが好きです。真面目に仕事してて不憫な目に遭うキャラ推しがち。作者がTwitterで有名なシシン先生なので気負わずにエンタメとして読める一冊。ギリシャ行きて〜。

www.j-n.co.jp

貧乏ピッツァ

 『テルマエ・ロマエ』の作者、ヤマザキマリさんの最新エッセイ。食を主題にした連載のまとめなので、各話短くて読みやすい。あとめちゃくちゃお腹減る。おかげでわざわざ旨いピッツェリアに行くことになったのも含めていい思い出。

 その泰然自若とした視点にハマり、その後エッセイ『ムスコ物語』『扉の向う側』、マンガ『モーレツ!イタリア家族』も読んだ。イタリアとポルトガル行きたい〜。テレビ番組の書籍化『アジアで花咲け!なでしこたち』も同じ在外邦人女性として共感できること多々あり良かった。どの本も推せる作家さんに出会えてよかった。

www.shinchosha.co.jp

今日もぼっちです

 推しYouTuberのエッセイ。2巻とも読んだ。鉄塔さん(賽助さん)の鉄塔さんたる所以が凝縮されてる。私もソロ活する派なので分かるな〜と思う部分と、さすがプロのぼっちは違うわ……と思う部分があっておもしろかった。元々ウェブ連載なので各話短くて手軽に楽しめる。鉄塔さんの独り言みたいな文体が私は好きです。

www.homesha.co.jp

おわりに

 今年は活字離れからかなり復帰できて良かった!行きたい国も増えて刺激いっぱいの読書体験が出来た一年だったと思う。でも新書は相変わらず積ん読したまま。なんで新書ってあんな腰重くなるんやろな……。来年は毎月1冊読み終えるぐらいの集中力を取り戻したいな。