空飛ぶ雑草

観た・読んだ・行ってみたのログ置き場(不定期更新)

ミュージカル『Legally Blonde(キューティーブロンド)』観てきた

はじめに

 待ってました!!ウェストエンドで『レミゼ』『ハミルトン』と大作に出ずっぱりだったNathania Ongが再びシンガポールに帰ってくる。しかも今度は主演で演目は『Legally Blonde』だと!?発表があってからずーっと楽しみにしていた。絶対に似合うと分かってた。チケット発売になってから爆速で購入した。見た感想?私の行動に間違いはなかったよ。最高だった!

開演前

会場のパネル。このポスターがMRTの主要駅に貼られていて、私は通勤時いつも「早く観たい~!」と悶えていた。ミュージカル門外漢の同僚も「あのピンクのやつ見にいくの?」と記憶していたぐらい、宣伝効果ばっちりのデザイン。

 会場はエスプラネードシアター。個人的にはシンガポールで一番好きな劇場。MBSより小ぶりだけど十分広くて、民度も良くて、シティホール駅から雨に濡れずに行けるしアクセスも抜群。駅から歩いてたら、やたらショッキングピンクを着た人たちに出くわす。絶対目的地一緒じゃんと思ってたら、本当に一緒だった。爆笑。一人参戦とはいえ、私もピンクの服を着ていけばよかった!女性だけでなく、紳士たちもピンクのワイシャツだったりジャケットだったりを着ていた。みんなスタイリッシュにオタクだ。(オタクというより、英語のSupportiveが一番正しいニュアンスではある気がする。)

観劇中

キャラクター:エル

 ナッティはこの役に絶対似合うと思ってたけど、予想以上にハマり役!素晴らしい。『Into the woods』のシンデレラの時、この人もっと頭いい役があってるよなと思ってたけど、エルこそまさに。持ち前の明るさが光り輝いて、コメディエンヌパワーが大爆発。ころころ表情が変わってキュートで目が離せない。なにより小柄な体全部からあふれ出るポジティブエナジー!どこを取ってもめっちゃエル。歌は当然上手い。『Into the woods』の時は上手すぎるがゆえに浮いてるなと思ったけど、今回は独唱とかリードシンガーとして歌うことが多かったから、最前面でバキバキに場面を引っ張ってってくれるので、画の勝敗が気にならない。素直に見ごたえがあった。

ナッティ最高!ピンクがよく似合う!これからの活躍にも期待してる!

 『Into the woods』の時の感想はこちら↓(もう3年近く前なのか。)

jpmirandasg.hatenablog.com

キャラクター:エメット

 キャストが『Into the woods』のパン屋だー!Benjamin Chowさん!当時褒めちぎってたように、やっぱりこの人だけローカル俳優の中で技術がずば抜けてる。残念ながら華はないんやけど、だからこそ善人の一般人の演技が自然。歌が素晴らしすぎて実際は全く一般人ではないんやけど、しれっとモブの空気を出してどこにでも溶け込むのがとても上手い。ナッティと並んで遜色ないのはこの人しかいないよね、納得~。

 しかしヒーロー役を務めるにはさすがに年齢が上すぎるよな……と不安だったんだけど、なんとキスシーンはありませんでした!(教授がエルに迫るところも寸止めだった。)キャストへの配慮が行き届いている!画面映えより実力を最優先したキャスティング、私は全面的に支持する。ベンさん、今度見にいく『Come from away』にも出てらっしゃるので期待しかない。

好きな曲:Chip on my shoulder

 Chip on my shoulderってけんか腰を意味するイディオム。だから「やってやる!目にもの見せてやる!」ってお尻に火をつける意味合いの曲。サントラでも好きだと思ってたけど、生で聴いて輪をかけて好きになった。なにクソ!っていう気持ちは本当に大事よね。怒りは最大のエネルギー源。この先の人生でも定期的に思い出して聴くと思う。それぐらい一番好き。

 この歌でエメットはエルの部屋を片付けるけど、物を捨てはしないんだよね。籠には入れるけど、「物置に入れるかebayで売ったら!」って言う。エメットの人の好さと貧乏性が出ているところも好きなポイント。あとエルの根本的なところを変えようとはせず、「少し工夫が必要なだけ!一緒に頑張ろう!」っていう方向で発破をかけてくれる。自分らしさを尊重してくれるところも、エルが好きになったところだろうな。

 ところでシンガポールに言及されるくだりは、もっと観客の反応があるかと思ったけど、少し吹き出す人がいたぐらいであんまり盛り上がらなかった。ちょっと残念。たぶんこの作品を知ってる観客が多すぎたんだと思う。(いいことではある。)

好きな曲:Bend & Snap

 時代背景が違うため、原作映画だと下品で小賢しい技みたいに出てくるけど、ミュージカルではそれにとどまらず自己肯定感の話に持って行ってるのが上手いなと思った。

好きな曲:There! Right There!

 めっちゃ好きなギャグ曲。こんだけコンサバな国で演者がゲイゲイ連呼してんの面白すぎた。腹よじれるぐらい笑ったわ。

着席してすぐ目に入る、ピンクの巨大ネオンサイン。ワクワクが止まらない!
演出

 写真を見てもらうと分かる通り、舞台装置自体はシンプル。大きなブリッジがどかーんと舞台上に常に居座っている。LEDスクリーンが大学やサロンになったり、椅子や机をごろごろ引きずって出し入れしたり以外、大きな舞台転換なし。そのシンプルさが個人的にはよかった。派手なセットで誤魔化しがきかないぶん、演者の細かな挙動まで目が行くし、小道具で創造力豊かに遊んでいるのが印象的だった。サーフボードの上で歌うのとか面白かった。

観客

 周りも予習済み勢だったようで、よっ待ってました!みたいな合いの手と笑い方ですごい快適だった。いけー!エルー!やったれー!という熱をひしひしと感じたよ。例えばヴィヴィアンに「あなたは去年のセール品のコスプレ?」って言い返すところ、かなりデカめの「Oh~」が聴こえて爆笑した。(なんてひどいことを、っていうサゲのOhではなく、やっと言ってやったわねエル!っていうアゲのOhだった。)

 一回だけ、とある爺がデカいいびきかいた時があった。一斉にそいつを見た後、「は?何こいつ」「前から3列目で寝るとかある?」「処すか」っていうアイコンタクトをみんなで取ったのは面白すぎた。(私はそいつの斜め後ろだったので、度が過ぎれば椅子を蹴飛ばすつもりだった。)結局隣の人が諫めてたし、音楽がでかくなったら起きてた。こういう例外もいるけど、一体感のある観客はまじで最高だと再確認。

終演後

どのキャストもめちゃくちゃ良かった(※カテコ撮影OKでした)

 一応サントラを予習したし、映画は見たことあるし、映画版との違いも検索してなんとなく知っておいた。でもなんだこれ。実際に見るとこんなにテンション爆上げになるのか!最近クサクサしていた気持ちが全部ぶっ飛んだ。見ている間ずっと笑っていたようで、気づけば頬が痛くなっていた。こんなにニコニコしながら観劇する体験は初めて。

 メンションしきれないけど、ポーレットもコーラスガールズも本当によかった。ブルックとかキレッキレでカッコよかった。どこにこんな素晴らしい俳優たちが隠れていたんだ。シンガポールの演劇界もっと盛り上がってほしい。こんなに素敵な役者がいるんだから。細かいところだけど、オンラインパンフレットに掲載されていたディレクターのメッセージもよかった。「誰だって見下されたり、過小評価された経験がありますよね。」ほんまにな!!つい最近ありました!!

 終演後、老若男女問わずみんな笑顔で帰っていくのがすごく印象的だった。とても良かったわねと微笑みあうグレーヘアのご夫婦。ΔNUみたいにOmigodを連呼している女性グループ。真面目に感想を語り合う、きっと舞台オタクであろう男女グループ。いろんな声を聞きながら、そうだよね、いいもの観たよねと私も笑顔で帰らせてもらった。

おわりに

『Legally Blonde』は五月病に効く。(個人の感想です。)気になる人はブロードウェイ版がYouTubeにあるから見てみてね。いつか他の国でも見ることがあればぜひチケット取りたいな。

youtu.be

24時間だけ台湾に行ってみた(主に高雄)

はじめに

 今回の内容は、台湾に初めて行く人にはおすすめしません。台湾は素晴らしい国です。見るべきもの・買うべきもの・食べるべきものがたーくさんあって、「お腹も旅程もギチギチに詰め込んだのにまだ足りない!また来たい!」と毎度思うぐらいです。余裕をもった旅程を心の底から推奨します。

 ……と断りつつ、なんで24時間だけ台湾に行こうと思ったのか。主な理由は二つ。

  1. 今年はヨーロッパに行く予定がないので、懐につけ入る隙があったから。
  2. 日本でホテルスパに行こうと調査したら、台湾に行く航空券代ぐらいしたから。

特に②が大きい。前回、2026年5月末に台北へ来たとき初めて現地のマッサージを体験して、「この価格でこの体験!すんばらしい!」と非常に感動した。(その旅行はブログに書いてない。)また行きたいな~と思ってた矢先に入ってきたボーナス、近づいてくる独立記念日三連休。……これはチャンスでは!?

 東京のホテルスパは約3万円からで、質を求めると5万円だって視野に入る。一方、シンガポール発台北行き航空券は、スクートならSGD400を切る。ホテル代をケチればスーツケースも不要だから、預け荷物代も減らせる。これ行けるぞ!!(お気づきかもしれないが、現地での交通費やら飯代やらショッピングやらはまるで考慮してない。カスの算数である。)

 以前ソウル1泊3日旅をしたので、私一人ならなんとかなるっていう自信があったのもある。その時のブログはこちら↓

jpmirandasg.hatenablog.com

 ということで深夜1時シンガポール発→深夜1時台北発というむちゃくちゃな旅行をしてみた。

出発

 出発の一週間ぐらい前から情緒がぐちゃぐちゃになった。というのも、台風が近づいてきたから。イルカとかいう可愛らしい名前して沖縄直撃、台湾も九州も同時に荒らそうとする飛んでもないやつ。あぁフライト絶対キャンセルやわ……と絶望しながら迎えた当日。キャンセル通知は来ることなく、なんと飛行機は普通に飛んだ。降下するときこそ左右に降れたものの、叩きつけられるような感覚はなかったし、飛行中は嘘みたいに揺れなかった。着いたら空港周辺はサイレントヒル状態。よくこれで降りれたな!

 空港のトイレで服を着替え、自販機でお茶だけ買ってさっさと台北駅へ。空港特急が普通に動いてるだけほんまにすごいよ今回。逆に前々回、どえらい運が悪かったんやなとも思ったけど。(2024年10月に行って台風直撃だったときの体験はこちら↓)

jpmirandasg.hatenablog.com

朝ごはん

 本当はこの立ち食い小籠包屋「湯包洪」に行きたかった。台北駅から近くて、日本人がよくおすすめしてるから。

dou4hua1.hatenablog.com

でも外に出てびっくり。風も雨も言うほど強くはないのに、コンビネーションでびちゃびちゃになる。無印良品の折り畳み傘が負ける。これは歩けない……ということですぐ地下街に引っ込んだ。

 代わりに前回、母に連れてきてもらったおにぎり屋さん「青島飯糰」へ。台風の日にも営業しててほんまに感謝しかない。紫米は今回も出会えなかったけど、買えるだけありがたい。

写真は2026年5月末のもの。台北駅のM8出口が最寄り。忠孝西路派出所とファミマが目印。

いざ高雄へ

 歩けそうなら普通に台北観光しようと思ってたけど、先ほどの体験をもとに断念。念のために練っていたプランB、高雄へ行くことを決行した。

 台中でも台南でもなくなぜ高雄なのか。まず台中は前回行ったから。次に台南は、調べていると1日ではとても周りきれそうにないぐらい魅力満点だと思ったから。最後に、台北から行けるような近郊都市は強風圏に入っていたから。高雄は程よい規模の都市で、高鉄が通っていて、市内の公共交通機関もよく発達している。台湾の南を初めて冒険するにはうってつけかも!と思ったので、高雄に的を絞ってプランBを用意していた。

 前回台中へ行った時は高鉄の切符を予約したけど、今回は当日まで予定が読めなかったので、当日券を購入。券売機の使い方はこの記事を参考にした↓

yuugaku-taiwan.com

記事では中国語を使われてるけど、私は英語でポチポチ操作。残念ながら日本語設定はなかった。台北↔左営(Zuoying)駅の往復券を購入。日曜日だからか、帰りの指定席は程よい時間のがなかった。(その理由は復路で判明したので後述。)しかし「旅させてもらえるだけありがたいわ!万が一にでも立ちっぱなしになったら足が死ぬ!」と腹をくくってビジネスクラスを購入。冷静になって車内で計算したら往復でSGD195ぐらいしていた。既に計算が破綻しとる。まぁええか。

 公式サイト↓を見てもらえると分かるけど、普通車でも十分快適なところ、ビジネスクラス(商務車)は輪をかけて快適。フットレストもあるしコンセントもある!

jp.thsrc.com.tw

 あと焦ったのが、日本ではもう見かけない車内販売的なお姉さんが回ってきたこと。全く知らなかったけど、ビジネスクラスでは無料で飲み物とスナックがもらえるのだ!車内は静かで超快適。おかげさまで爆睡できた。

無料のコーヒーとナッツ。お手拭きまで貰えるのマジでありがたい。飲み物は水もお茶も選べた。軽食はクッキーもあった。

買ってきたおにぎりをここでいただく。ボリューム満点の総合、旨い!!

着いたぞ高雄

 約1時間半で高鉄の終点、左営に到着。どよーんとした曇り空だけど、全然雨降ってないし風もない。汗がひかない危うさはあるけど、シンガポールのようなどぎつい日差しと呼吸できないほどの湿気はない。これは英断だったかもしれん、とテンションアップ。

 朝食の爆弾おにぎりがまだ胃にいるのでまずは観光へ。蓮池潭の龍虎塔が比較的近そうだったので、そちらを目指す。台北ではビビってバスに乗ったことがなかったけど、Googleマップから察するにタクシーかバスしか現実的なルートがなく、しかも一人旅なのでコスパ悪いやろ、ということでバスに挑戦。(ビビりなので一応予習はした↓)

ahiru-tsushin.com

高鉄を降りて歩いてたら運よくバスターミナルに辿り着いたのも良かった。(高鉄左営駅のエスカレーターを1本下ったら出てきた。)バス停の案内表示は分かりにくい上に結構待った。7番乗り場から紅35に乗車。同じように「ほんまにここでええんか……」みたいな顔して待ってる人は全員日本人観光客だった。ウケる。

龍虎塔

 Googleマップとにらめっこして、目的地で降車。周りの日本人観光客もやっぱり同じ行先だった。

バス停のすぐ横にあった看板。

台湾はやっぱり黒熊推しなのね。いつ出会ってもかわいい。

こちらが龍虎塔。昨年リニューアルしたらしくめっちゃ綺麗。きちんと龍→虎の順で通り抜けてきた。体力温存のため塔は登ってない。

少し歩けばこちらにも龍が。春秋閣という仕事運アップのスポットらしい。ずぼらなので通り抜けなかったけど。

美麗島駅

 運気が上がったような気がした後は、バスとMRTを乗り継いで綺麗と評判の美麗島駅に移動。名前からしてビューティフルよね。

実際に見るとかなり大きい。個人的には昔の梅田阪急百貨店を彷彿とさせた。

大圓環雞肉飯

 美麗島駅の1番出口の真ん前に安くて旨いと評判の鶏肉飯屋さんがあったので立ちよった。日曜日の午前11時半頃だったけど幸い空いていた。しれっとメニューを掴んで、Googleマップで予習した通りに書き込み、会計担当のお姉さんにそれを渡してお会計。あとはテーブルで待つだけ。

お店の外観。隣のお店と間違わないように注意。

注文した鶏肉飯の小とハマグリ&鶏肉スープ。

 二点で105元!味も文句なし!鶏肉飯は旨味が濃いのに意外とあっさり食べれた。そしてスープ!予想外に旨すぎて感動した。ハマグリはしっかり砂抜きされていてぷりぷりでフレッシュ。手羽元と一緒にめっちゃいいダシ出てる。

 かき込むように食べ終えたら、たまたま相席になった地元のおばちゃんに「あんたもう食べたんかいな」的なことを言われた。満面の笑みで「はい!めっちゃ旨かったッス!」とだけ伝えておいた。それ以上の感想は私の中国語力が足りんので。最近はちっとも勉強してないけれど少しでも語学が役に立ってよかった~。

高雄市立美術館

 再びお腹いっぱいになったのと、アドレナリンが切れて疲れてきたので、冷房がきいてそうな美術館へ行くことに。凹子底駅でLRTに乗り換えた。

路面電車なんていつぶりか!アムステルダムを思い出した。

こちらが外観。市役所みたいな地味さがとても良い。意外と中は見ごたえがあって広いのに、入場料95元は安すぎ。

パッと見て好きだなと思った作品①(どうして毎回紹介パネルを撮り忘れるのか)

その②。めっちゃかぼちゃ。某有名水玉アーティストを思い出した。

その③。台湾の人にとっても海ってこういう荒々しいイメージなのかと感動した。

水墨画家のアトリエ再現。水墨画が見れるのは東アジアの良さだなと思う。

 ソウルともパースとも違うアート。私は芸術に詳しくないけど、囲んでいる自然環境や文化が変わればその影響は確実に表れるんだなといつも驚かされる。色使い、モチーフ、素材選びなどなど。芸術素人でも足腰を休めながら「なんでこれを作ろうと思ったんやろ」「なんでこの素材・描き方じゃないとアカンかったんやろ」と想いを馳せるのは楽しい。ここは立体物も絵画も両方あって面白かった。

 ちなみに美術館あるあるだけど、私のリュックはデカすぎたようで、入場前に階下のコインロッカーに預けるように言われた。入れた10元が使用後に戻ってくるタイプのロッカーだった。私は幸いコインを持っていたから助かったけど、無いと大変じゃないかな。インフォメーションカウンターで両替してくれるんだろうか。ここは入場チケットが必要なので、小銭がない場合はあえて現金で買うといいかもしれない。

美術館の周囲は公園で、リスが走り回っていた。キュート!しかし暑そう!

左脚右脚経典按摩会館

 のんびりしてたら眠たくなってきた。新幹線で多少寝たとはいえ、さすがに体が悲鳴を上げ始めたのでHP回復のためマッサージへ。相変わらずぶっ壊れた中国語で乗り切る。マジで現地の人の優しさに甘えている……。台湾の人マジラブ。

Googleマップで評判よかったので駆け込んだマッサージ屋。全身マッサージ100分で1,700元!

マッサージ後に出てきた薬膳軽食。茶叶蛋とごぼう茶と緑豆の冷たい煮込み。

 お茶飲んでテレビを見ながら足湯→足湯のまま肩と首のマッサージ→個室で着替えて全身マッサージ、という流れだった。2ステップ目で既に「あんた凝りすぎやで」と担当のおばちゃんにドン引きされた。個室に入ったらまず鏡の前に立たされ、「ほら見てみ」と真っ赤に揉まれた首を確認。爆笑。おばちゃんごめんね。でもめっちゃピンポイントでツボに刺さって最高の手だった。あちこち揉まれるたびに痛いけど気持ちよく、ほどほどにウトウトできた。そしておばちゃんには都度「硬すぎ」と言われた。ウケる。

 マッサージして会計を終えたら、写真のとおり薬膳軽食が出てきた。料金に含まれているらしい。喫茶エリアでゆっくりいただいた。あの八角ゆで玉子、今回の旅行では食べるタイミングないと思ってたのでありがてぇ!緑豆で体の熱がスッと抜けていくのも心地いい。やっぱり台湾のマッサージ最高~!どこでもドアがあったら会員登録して通うのに~!

三鳳中街

 100分間しっかり揉みくちゃにされたら、HPゲージが6割ぐらい戻ってきた。ここに来て全く買い物してないことに気づいたので、高雄駅へ移動。地元の乾物市場を覗きに行った。台北の迪化街みたいなところ。

近寄りがたい雰囲気なのがまた面白い。

 アーケードの中の写真を撮ってないのは、開いてるお店が少なかったのと、若干古めかしくておどろおどろしかったから。迪化街のようなハイカラで活気ある感じではなく、地元の人がガチで漢方を買いに来るようなところだった。行った時間が悪かったのかな?観光客も少なかった。でもせっかく来たので、自分の勘だけを頼りにドライ愛文マンゴーを購入!

左営駅にて

 そんなこんなでもう16時半を過ぎた。新幹線(高鉄)は18時過ぎ。土壇場で急ぎたくないし、晩ごはんの駅弁も買いたいなと思ったのでそそくさと高雄駅から退散。左営駅に移動。うろうろしていたら肉まん屋があったので、その場で1個食べた。

ポップアップストアみたいなところだった。招牌(看板メニュー)味を選択。

思ってたより具が少なかった。シンガポールの南記や大阪の551の方が旨い。(なので店名は伏せる)

 左営駅を散策して分かったのは、新光三越のフードコートがめちゃ充実しているということ。駅直結フロアも地下も座席数多いし店のバラエティも豊富。ただテイクアウトが全然ない。もっと早く決断していれば私もそこで食べたけど、ぎりぎりまで歩き回って弁当にこだわったので、フードコートは結局使わず。肉まんが胃に残ってたのもある。

 悩んだ末に、今朝看板だけ見た台鐵の弁当を買うことにした。あと前回気になってたカナヘイと高鉄コラボのシールを買った。

100元とは思えないボリューム。肉の下にまだ具がある。そして冷めても美味しい!

 ぼーっと電光掲示板を見ていて気付いたけど、この日は18時~20時の間、指定席を全て自由席として開放していたらしい。一人でも多くのお客様にご利用いただきたいと思います!的なことが書いてあった。前日が台湾の父の日だったので、それで帰省している人が多かったのかも?だから18時台で指定席はビジネスクラスしかなかったのか~とここで謎が解けた。

 お弁当を食べ、また無料のコーヒーを飲んだ。帰り道の軽食はクッキーを選んだよ。満腹になったらまた爆睡。高鉄最高。

復路の車窓から。台風が嘘だったかのように天気が良くなっていた。

戻って来たぞ、台北

 空港に行く前にどうしてもカルフールに寄りたかったので、わざわざ西門まで行った。万家福の桂林店は駅徒歩10分・24時間営業・しかも大型店。最高かよ。

 帰宅後にまとめて撮った今回のお土産はこんな感じ↓

リュック一個だから本当に最小限の買い物だけ。

左上から時計回りに、

  1. 三鳳中街で買った、ドライの愛文マンゴー
  2. カルフールで買った胡椒餅(前回買っておいしかったので。小さいクラッカーが入った小袋×8個入りで、人に配りやすいのが素晴らしい)
  3. 高鉄とカナヘイのコラボシール2種(各100元)
  4. リプトンの高山烏龍茶(たぶんシンガポールでも買えるけど……ええねん)
  5. 高鉄でもらったミックスナッツ
  6. 高鉄でもらった金柑クッキー

帰国

 最後の最後に1個だけすごい困ったこと、桃園空港にシャワーがない!厳密には物理的にはある。しかし潤沢なターミナル2に比べて、ターミナル1でシャワーが集中しているのは到着エリアのみ。出発客では辿り着かれへん!え、ターミナル1の出国エリアの無料ラウンジエリアにもシャワーあるやろって?誰が22時までにそこまで辿り着くねん!私のフライトは25時や!寄ってみたけど閉まってたわ!

 有料ラウンジでもあればと思ったけど、航空会社ラウンジはなんと19~20時で閉店。従業員に優しすぎるやろ。ということで、私のような愚行チャレンジをする人は「ターミナル2へ行ってシャワーを浴びてから、シャトルバスでターミナル1へ移動」してください。街中でオイルマッサージとかアカスリとかしとくのもアリかもね。私は精魂尽き果てたので、体拭いて服着替えるので精一杯でした。上着かぶってストールも巻いて乗ってたので、臭くなかったと思いたい……。

 仁川空港のシャワーは有料だけど、スタッフもいたしあんなにも綺麗だったしドライヤー含めてアメニティが充実していた。チャンギだってもちろんシャワーあるよ。どうしてなの桃園空港。(世界の空港ランキング常連トップランカーと比べんな、と言われたらそれはそう。)

 フライト自体は、往路と比較にならないぐらい揺れた。台風終わったんちゃうんかい。スクートプラスにしてたので、揺れながらもご飯を食べて爆睡。フットレストと幅広い座席にここでも救われた。疲労回復が段違い。アップグレード入札しておいてよかった!シンガポールには朝6時ぐらいに無事帰国。帰宅して念願のシャワーを浴び、お昼まで熟睡できた。

おわりに

 楽しかった~!正直終盤は「なんでこんなことしようと思ったんや」と少し自分を呪った。でも帰ってきて冷静な頭に戻ると、やっぱり挑戦してみて良かったと思う。こんな強行スケジュールでも私は行けるという自信がついた。これの何が良いって、会社で鬼ストレス溜まったら金曜の夜にそのまま空港行って、なんでもない週末でも遊べる可能性が出てきこと。(ホテル1泊できるとなおいいけど。)最近はストレスでくさくさしており、今の生活にも飽きてきていた。でも貯金と体力を日頃から作っていれば、こんなにもサクッと旅行できるんだという学びになった。貯金がんばろう!旅人レベルがまた上がった気がするな。

 冒頭にも書いたけど、こんな旅行は万人にはおすすめしない。実際私は過去に友人と台北1泊2日に挑んだけど、LCCが往復とも大遅延して全く台湾を楽しめずに終わった経験がある。初回台湾のとても苦い思い出。だから旅程は長いに越したことないと思うけど、それでも大人は生きてると「もう無理ー!」と叫びたくなる瞬間がある。そんなとき、こうやって少しでも日常を脱出できれば、また前を向いて日常に戻れる。足はぼろぼろになったけど、すごい満足感。台湾はまだまだ行きたいところがあるので、スケジュールの隙を見てまた行きたい!

 

2026年7月の見た・読んだ

映画

スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ

 先月に引き続き、絶賛スター・ウォーズの世界にいる。先人たちも公式も「映画6本の後はこれだ!」と薦めているので見てみた。本当に見てよかった!映画『マンダロリアン&グローグー』で大活躍だったロッタがまだ赤ちゃん!かわいい!ドラマ『マンダロリアン』であんなにカッコいい女剣士だったアソーカがめっちゃ生意気ガール!かわいい!映画6本見た直後だったからいろいろ話がスムーズに入ってきたし、こんな感じで「こいつあれじゃん!」っていう発見も多かったのでとても楽しめた。オビ=ワンとアナキン、こうやってずっと言い合いできる関係だったらよかったのにね。お前を弟のように思っていた、というEp.3のオビ=ワンのセリフが輪をかけて沁みる。え、ここからこれのアニメ版7シーズン見なきゃいけないんですか……?

ハミルトン

 せっかくDisney+に入ったので、以前から気になっていたミュージカルを見てみた。シンガポール公演も来てたんだけどほぼ全編ラップなので「絶対に歌詞が分からん!」と思って行かなかったんだよね。4ヶ国語以上話せるシンガポール人が「私でも字幕ないとこのミュージカル分からないよ」と言っていたので震えあがったぐらい。今回見た感想としては『オペラ座の怪人』と同じく、舞台芸術としては好きだけど話が絶望的に合わないタイプの作品だった。これ子どもに見せたいってなるのは嘘だろ。だってハミルトン、女性関係クズだしそれが間接的原因で身内死なせてるし、最終的に身を滅ぼしてるからね。立身出世物語として面白いというのも、時代が時代というのも頭では理解できるけど、なりふり構わなすぎるハミルトンが主人公として受け付けられなかった。私は清廉潔白な主人公が欲しいわけではなく、大切な人を大切にできない野郎が大嫌いなだけ。視聴前と比べて評価が変わったのはイライザ。イベントでのパフォーマンスを見ているとアンジェリカが前に出ることが多いので、てっきりイライザはあまり存在感がないのかと思っていたら真逆だった。最後に語られるイライザの功績が立派すぎて胸が熱くなった。え、こんな立派な女性をお前はないがしろにしたんですか!?ますますハミルトンの株が下がる。生で観たいとは思わなかったけど、経験として見ておいて良かったな。

www.disneyplus.com

レディ・オア・ノット

 Disney+で見たけど、期待してたのと違った。私が見たかったのは覚悟の決まった女が無双する痛快アクションムービーだっけど、出てきたのは痛いサバイバルスプラッタコメディだった。この痛いというのは物理的な意味でね。手に穴が開いたり、五寸釘が刺さったり、背中が裂けたり、なんかずっと痛いしグロい。ホラーということにはなってるけど、登場人物がポンコツっていう定番設定以外はホラー要素なかったと思う。幽霊?生きてる人間の方が厄介だよ。いいですか。「やったか!?」はやってないんです。反応がなくなったらOKではなくて、必ず頭を切り落とすなり轢くなりして確実に息の根を止めましょう。落ちた銃火器は見逃さずに入手しましょう。常に静かにしましょう。危機的状況で他人を信用してはいけません。人とは必ず距離を取りましょう。……これ追う側も追われる側も全然できてなくて笑う。まぁできちゃったら物語が成立しないから仕方ないか。評価サイトで点数だけ見て妄想を膨らますのは良くないと改めて理解できた映画だった。

レディ・オア・ノット2

 とかなんとか言いつつ、続編も見ちゃった。感想の前に一言。日本での公開は8月14日らしいね?こっちでは劇場公開が春頃に終わっており、Disney+にも普通に来ていたので、リンクを引っ張るために検索して驚いた。前情報なしで観たい人は次の段落は無視してください。

 実は他にもやべー家はありました!で再開するデスマッチ。私は1からそのまま流れてきたけど、間が空いたファンでも違和感なく見れるんじゃないかな。前作のあらすじもちゃんと挟まってるので親切。やっぱりグレースの覚悟は中途半端で、痛い描写と血飛沫がてんこ盛りなところも相変わらず。ホラーというよりコメディじゃんっていうスタンスは変わってないんだけど、もしかしてギャグホラー界隈ではこれぐらいのノリが一般的なのか?伏線の張り方含め根底にある脚本は悪くないのに、なぜちょいちょい悪ノリしていたたまれない展開にしてしまうのか。ぎゃーぎゃーうるさいテンプレ女描写には辟易したけど、最後の最後にようやく見たかったものが見れたので、前作よりはスッキリしたかな。www.searchlightpictures.jp

パーフェクト・ネイバー: 正当防衛法はどこへ向かうのか

 レイジベイト。視聴していて思い浮かんだのはこの単語だった。とにかくずっと腹が立つ。警察の立場を理性では理解できるけど、実際に近隣住民だったらたまったもんじゃないだろう。サイコパスババアへの態度が柔和なのは白人割ですか?これあのババアが有色人種だったら絶対対応が変わってただろ。最終的に起こる悲劇も視聴者としては「それ見たことか!」という怒りと呆れに尽きる。きちんと法の裁きが下りたことだけがせめてもの救い。米国に住んだことがないから分からないけど、このドキュメンタリーが必要なぐらい近隣トラブルが多いってことでいいのかな?とりあえず銃規制しなよ、マジで。見てて血管切れそうになるので、血圧高い人にはおすすめしない。

www.netflix.com

プーと大人になった僕

 SWでオビ・ワンことユアン・マクレガーの輝きに目を焼かれたので、その流れで見てみた。どうせこうなるんだろうなという読みが時々いい意味で裏切られて、心地よく楽しめた。プーさん、大人になって改めて見ると本当に目も当てられないようなすっとこどっこいで笑う。それに対してロビンはもちろんカリカリするんだけど、思ってたほどひどいことは言わなくて良かった。あまりに傷つくようなことを言うと、胸が痛くなって視聴が難しかったと思う。ロビン、他の社員を守ろうともするし、根っこはやっぱり善人なんだよな。余裕がなくなっちゃっただけで。(24時間戦えません!ワークライフバランス大事!)この映画が目指したのは『メリー・ポピンズ』なんだろうけど、ロビンが主役である以上、どうしても「大人を救う」という主題が最前面に出張ってしまって、ちょっと露骨で説教臭い味付けになってる感は否めなかった。とはいえ、それはある程度予想できてたことだし、100エーカーの森の仲間たちともう一度出会う体験としては満足できるものだった。

私ときどきレッサーパンダ

 元平成女児(つまり同世代)からのオススメが多かったので見てみた。かわいい~!あったあったこういう時期!そういう話だとは聞いてたので、視聴していてもっと痒くなるかと思ったけど、そんなことはなかった。恥ずかしい体験って、たぶん本人が思ってるより周りは覚えてないし話題にもしないんだよな。それを表すかのように、さらっと次から次へと話が流れて行って、飽きの来ない展開で面白かった。「女の子が突然レッサーパンダになる」ってことしか知らなかったので、こういう話だったのかと素直に驚きワクワクしながら楽しめた。上手いなと思ったのは、設定が2002年であること。スマホもSNSも登場していない時代。それならコンサートのチケットは当日でも買えるよなと納得。監督自身がアジア系なおかげで、度が過ぎないちょうどいいテンプレ描写がすごく上手でウケた。安易に太ったとか言ってくる親戚とか、親 is 神なとことか、教育熱心なとことか、アジア人ならバカウケすると思う。確かに強くおすすめできる作品。

おでん学!

 Kindleでセールになっているのを目にしたのが購入のきっかけ。通常この手の本って中身スカスカな印象があるので訝しんだけど、作者があの紀文なら大丈夫だろうということで買ってみた。私は実家のおでんがあんまり好きではなく、おでんに特段思い入れがあるわけではない。でもこの本を読んで、おでんってこんなに種類が豊富なのかと感動した。地域によって出汁から具まで全然違う。私は西の人間だから、牛すじ等の肉類がおでんに入っていることが当たり前だったけど、東北だと魚類の方が一般的らしい。そりゃそうだ!その地域の名産物が使われるのは当然のこと。雑煮に地域特性があるのは有名だけど、おでんまでこんなに違うとは。これまでは「あ~おでんね、はいはい」ぐらいに思ってたのに、今となっては「今度この地域に旅行したら絶対おでん屋寄ってみよう!」と思うぐらいになった。まんまと紀文の策略にはまった。カラー写真付きなのはズルいよね。

アクロイド殺し

 おすすめのミステリーみたいな話題で紹介されていて、ずいぶん前に買った一冊。久しぶりにどっぷり小説読みたいぜ~ということで開いたら面白すぎて一日で読んでしまった。真面目にアガサ・クリスティーを読んだのはこれが人生初だと思うけど、こんなに面白いの!?慌てて『アガサ・クリスティー完全攻略』を開き(後述)、ポアロシリーズの一作目も買った。ケネス・ブラナーの映画版ポアロが好きだったけど、それをはるかに上回る魅力。謎が次から次へと現れ、軽妙洒脱で意味深な会話劇が繰り広げられ、そうこうしているうちに伏線を踏んでいる。読んでいて全然飽きない。楽しい。ちなみに私は、この本がオススメされていた理由を思い出した途端にオチが分かってしまう、という悲しい体験をした。あれに似てるとかこういうタイプのミステリーっていう表現をするだけで、私のような不幸な人を増やすと思うので、とりあえずミステリー小説好きなら絶対読んでと言っておく。読後Wikipedia開いたら即ネタバレで仰天した。頼むから何も検索しないで読んでほしい。

スタイルズ荘の怪事件

 ということで読んでみた、名探偵ポアロの一作目。こ、こんなに面白いのが商業デビュー作って怖いんですけど。たぶんミステリーオタクが読んだらクリスティーもまだ粗削りで云々と批評するんだろうけど、私はド素人なので大いに楽しんで、これも一日で呼んじゃった。真相が明るみになるにつれて「これあの時のアレじゃん!」と大急ぎでページを戻ったり、「これ絶対後で重要になるやつでしょ……ほらぁ!」と己の勘の正しさにニヤニヤしたり、もうシンプルに楽しい。これだよ、ミステリーの醍醐味。舞台がイギリスなのも個人的なツボ。豪華なマナーハウス、やたら挟まるお茶の時間、もったいぶったような言い回し。あぁイギリス!(日本語で読んでるのに頭の中ではイギリス英語で想像できるんだから、翻訳者の力って本当にすごいよね。)最後にずーんと来た『アクロイド』に比べ、こんなにキャッキャ楽しめたのはヘイスティングズ君のおかげだと思う。え、シリーズはまだ30作以上ある?ヘイスティングズ君もしばらく続投?楽しみしかないねぇ!

アガサ・クリスティー完全攻略

 実は数年前に買って、今の今まで読むタイミングがなかった。それが『アクロイド』きっかけにアガサに目覚めて、ガイドブックがてら開いてみた。改めて思う、作品が多すぎる。20代後半から商業デビューして100冊書くって何?一生に一冊でもヒットが出ればめっけもんなのに、読んだことないけどタイトルは知ってるような本がずらっと並ぶのって恐ろしい。ましてや女性でここまで身を立てられるなんて。
 ところで実はこの本、厳密には読破してない。だってネタバレ部分はまだ読めないもん!ネタバレ箇所じゃなくても、他の本の例えが多くて良く分からんってところは流し読みした。次に読む本を探す上ではすごく役に立ってる。でも一番面白いのは、自分で読んでからこの本に返ってくること。「わかる、それな!」って共感できるところもあれば、「私はこう思ったけどなぁ」と比較できるところもある。アガサ・クリスティーを読みたくなっていの一番に買うべき本ではないけれど、数冊読んだことある、もしくは今後深堀りしていくつもりなら買って損はないどころか、むしろ必携の本。

そして誰もいなくなった

 ポアロではないクリスティー作品を摘まみたくなったので購入。超ウルトラスーパー有名作品だけど読んだことがなかった。クリティカルなネタバレを踏まずに生きてきたのは幸運だったと思う。攻略本によると戯曲版があるそうで、生きているうちに舞台で観れたらいいなと思った。これは生で観る方が絶対面白い。私は犯人こそ最後まで分からなかったものの、一番肝のネタについては読みが当たっていたので、さほど驚きはなかった。それでも面白いな~とどんどん読み進められたのは、攻略本でも言われていた通り、すごいスピードで人が死ぬから。そりゃ誰もいなくならなきゃいけないからそうなんだけど、ばんばん被害者が出る。それもバラエティー豊かな方法で。どえらい不謹慎だけど、そのスピード感が心地よくてサラッと読めた。
 本筋から離れた感想だけど、個人的に読んでよかったなと思ったのは、『うみねこ』のやりたかったことが少し理解できたから。あれは過剰に下品で足元にも及ばないので、ここで言及するだけでも不敬な気がするけれど、それでも目指したのはここだったんだなと少なくとも納得できた。

ゴルフ場殺人事件

 かわいい~!(殺人事件と表題にある作品の感想第一声にはふさわしくない。)ポアロもヘイスティングズ君もシンデレラ嬢もみんなかわいい!特にポアロ!誰ですか、ポアロは高飛車で居丈高で鼻もちならない探偵とか評する人は。褒められたらムフーッて鼻息荒く胸を張るし、仮説が外れたら目に見えてガッカリするし、笑いのセンスもユーモアもあるし、とっても素敵なキャラクターじゃないですか!絶対負けるだろうなっていう分かりやすいライバルが出てきたり、複数の愛憎劇が繰り広げられたり、第一作(スタイルズ荘)が探偵小説として面白かったのに対し、今作はエンタメとして非常に面白かった。ヘイスティングズ君視点で映画を見ていた気分。ポアロシリーズの超メジャー作品をまだ読んでないけども、もしポアロ読んでみたい人がいたら、私は暫定で今作を一番推したい。エンディングまでかわいくて、思わずブラボー!と声を上げ拍手してしまった。

青列車の秘密

 攻略本で星3評価だから果たして、と思ってたけどきちんと面白かった。でも同時に、星3である理由も納得できた。いらんのよね、スパイのパート。ここ無くても十分面白いのに、どうして入れてしまったのかは不思議。三人称視点ポアロは新鮮だけど、個人的には前作よりちょっと失速しがちだったと思った。金回り良くて派手で、視点がころころ切り替わって惹きつけられたけど、「ど、どうなっちまうんだー!?頼むぜポアロー!」感は前作の方が強くて、私はそれが好きだったので。それでも面白かったと思えるのは、ミス・グレーを取り巻く人間模様と、相変わらずチャーミングなポアロのおかげ。(私はリリー・ジェームズがミス・グレー役かなと妄想していた。)

マンガ

カゲロウデイズ(1)~(13)

 タイトルを見て様々な黒歴史を思い出した方、同世代ですね。といいつつ、私自身は当時小説を途中まで読んだだけで団員になるほどハマってなかった。それでも以前読んだ『うみねこ』と同じく、今になって突然思い出して結末が見たくなったので買ってみた。小説は途中で飽きたけど、漫画ならサクッと読めるだろう思ったのであえてこちらに。本当に知らなかったんですよ、漫画と小説でルートが違うなんてこと。しかもどちらもバッドエンドルートだってことを。だから最後まで読んで頭が疑問符だらけになった。古いコンテンツなので、幸いYahoo!知恵袋に多くの有識者が解説を残していて助かった。アニメを見たらすっきりするようだけど、作画崩壊で話題になってた印象があるのでわざわざ見なくてもいいかなぁ。とりあえず自分が疑問だった時系列とかそれぞれのバックグラウンドストーリーとかは理解できたので満足している。表現も話もイタい部分が多いけれど、2010年代のオタクの雰囲気を思い出して懐かしい気持ちにもなった。

おわりに

 アガサ・クリスティーに手を出したことで、『スター・ウォーズ』と名探偵ポアロシリーズを並走させることになってしまった。どう考えても同時期にハマるコンテンツじゃなさすぎる。どちらも膨大な歴史と作品を抱えており、おかげさまで自分でもびっくりするぐらい可処分時間がなくなっている。『デイブ・ザ・ダイバー』のDLCと『リズム天国』が中途半端なところで止まっているのは完全にこの影響。幸せな悩みだなぁ。ジムで自転車こいだり傾斜ウォーキングしたりしながらアニメ見て本読むことで、なんとか健康を保っている。(ジムならいつだってエアコン点いてるのもいいよね!)最新作にハマるのもそれはそれで楽しいけど、長年蓄積されたコンテンツに出会うと油田のように豊かな世界が広がっていて、これはこれで最高。「なんで今まで気づかなかったんだ!」と思わなくもないけど、年齢が上がっても新しい扉を叩けるのは嬉しいし、大人になった今だからこそよく味わえるん部分もあるんだろうなとも思う。

2026年6月の見た・読んだ

映画

スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー

 SNSで流れてくる緑の赤ちゃん(年齢50歳)が気になりすぎて見た。TDLの『スターツアーズ』は複数回乗ったことがあるだけで『スター・ウォーズ』作品は全く見たことない人間だけど、公式の1分紹介動画だけ見て劇場に行ってきた。結果、ドハマりした。Disney+も加入した。この映画自体はマジで何も知らなくても、冒頭に字で説明があるので理解できる。(スター・ウォーズの伝統芸ですね、さすが。)緑の赤ちゃんことグローグーが気になったらそれだけで見る価値がある。SNSでも呟いたけど、赤子はひどい目に遭いません。それはパパの役目だからです。赤子は足手まといではありません。ドラマでレジェンドに鍛えられているのでしっかり仕事します。どこを取ってもストレスなく見れたのが本当にすごい。フォースとかライトセーバーとかなんも知らなくていい。すっとこどっこいでベビーフェイスな父ちゃんと、万年空腹の悪食赤ちゃんが気になったら今すぐ見てほしい。

 初回は鑑賞中トイレに行きたすぎて気が散ってたので、しっかり見直したいのとドラマ視聴後の感想の変化が知りたかったので、実は2回劇場で見た。1回目見た時は感動したものの泣きはしなかったけど、2回目は自然と涙が頬を伝った。湿地帯を爆走するパパの心情を思うともう胸が痛くて。グローグーの大冒険パートも、ドラマ版を知ってるとものすごい成長が伺えて泣いた。2回目だと英語も比較的冷静に聴きとれたんだけど、「After dinner」のところはオタクの集団幻想かと思ってたのに本当に言ってて耳を疑った。パパ、ほんまにパパすぎる。本当は3回目も行こうか迷ってたんだけど、あっという間に上映回数が減ってしまった。日本でチャンスがあったら日本語吹き替え版も見たい。

 なお、グローグーは大活躍するけど、映画ではあまり喋らない。私は「あんなにSNSで見た『ぱとぅ』って劇場では言うてないやんけ!ドラマ見たらええんですね?分かりました!」という感じで気が狂い、まんまとDisney+に流れた。Disney+まで無理に来る必要はないから、ずっと何か食べてるかわいい緑のもちもちをぜひ劇場で見てほしい。そしてムキムキのナメクジやセクシーな賞金首など予想外なところを攻めてくる個性豊かな面々に脳を焼かれてほしい。

starwars.disney.co.jp

スター・ウォーズ エピソード1~6

 グローグーの影響でまんまと完走した。ブログの項目順の都合で映画の感想を先に書くけど、本当はドラマ『マンダロリアン』と『The Book of Boba Fett』をちゃんと視聴してから見たよ。エピソード4→5→6→1→2→3の順に見た。SF好きなんだからもっと早く出会っててもよかったのになと思うぐらいには面白かった。そもそも私は人外が好きなんだからハマらないわけがなかった。
 まず、いきなりエピソード4から見てええんかいな、と思ってたけど大正解だった。冒頭は若干置いてけぼりになるけど、ルークが出てきてからはすんなり馴染めた。だって主人公であるルーク自身がなんも知らん状態なので、周りがだいたい説明してくれた。それにしてもすごいペースで人が死ぬ。ドラマチックな演出とかあまりなく、サラッと重要な人物が逝く。これは本当に全年齢向けなんですかっていうぐらい。血飛沫こそないけど、子ども時代に見たらなかなかにショックだったろうな。

 エピソード4~6で驚いたことは大きく二つ。一つ目はベーダー卿がめっちゃ喋るしめっちゃ前線に出てくるところ。エピソード4なんか冒頭5分で出てきたよ。世界屈指の有名悪役なのに出し惜しみとかなかった。「エリアマネージャーかよ」ってSNSで言われてたけどほんまにそんな感じ。パワハラもすごい。成果出さないとすぐ首絞めてくる。帝国のトップオブトップぐらいだと思ってたのに、普通に現場の管理職でウケた。二つ目がヨーダ。こっちは反対に、すごさが全然発揮されることなくあっさり駆け抜けていった。なんか超強いレジェンドって聞いてたのに、ライトセーバー振ることすらなかったしアクションしてたのはルークだけだった。それとすごい悪食だし、勝手に機械がちゃがちゃいじるし、あれ、どこかの赤ちゃんとまったく同じだな……?ヨーダのすごさは旧三部作ではいまいち分からんかったけど、グローグーの万年空腹と好奇心旺盛なところは確実に種族特性であることが垣間見えたのは面白かった。他にも、ハン・ソロがあまり好きになれずインディー・ジョーンズの方が好きだなと思ったり、チューバッカってマスコットだと思ってたのにめちゃくちゃ働くじゃん!と感心したり、新たな発見がいっぱいあった。ルーク先生が元農家だなんて本当に驚いたよ。SFというよりファンタジーなので、小難しく考えなくても楽しめた。(小難しく考え出すとそれは深淵への入り口。)

 エピソード1~3は旧三部作の過去篇。4~6を見てからだとオチを知った上で物語を追いかけることになるけど、それでも驚きがたくさんちりばめられていて唸った。ヨーダのすごさが分かるのは過去篇に入ってからですね。とんでもねぇ強さで感動した。グローグーもこうなれる可能性があるってこと!?話し方が特徴的なのも気になった。「go, I will」みたいに、SVが後に来てOCが頭に来るんだよね。種族の言語に合わせた文法で銀河標準語(劇中の英語)を話すとそうなるのか、それともフォースで会話すること前提の種族だから標準語は苦手なのか。グローグーの未来を想像するとヨーダにどうしても注目してしまう。驚き要素でいうとチューバッカも出てきた!お茶目なところがあるけどいい奴だなと思ってたけど、本当に性根がいい子であることが分かってちょっと好きになった。あとアナキン、あまりにも顔がいい。でもそれでは庇いきれないぐらい血の気が多い。娘にありえんぐらい遺伝している。どう考えても優等生タイプのオビ=ワンとは相性が悪いだろ。私自身がオビ=ワンみたいな融通の利かない人間なので、アナキンみたいな部下は持ちたくないなと思った。別にどっちが悪いわけではない。単純に相性の問題。そしてオビ=ワンもアナキンも不器用なんだよな。「結局悪いのはあの野郎」っていうのをSNSで見て、ほーんそうなんですかぐらいに思ってたけどマジだった。人の純粋な願いを悪用するやつが100悪い。アナキンは不運だった。4~6に繋がる物語だからどうしても悲壮感があるけど、それだけに印象深かった。

 これでようやく界隈の入口に立った気がする。ここから正史に含まれるアニメ7シーズンが待ってるんですよね。あとスピンオフドラマと映画が複数。ふ、深い。これまで出会ってきたオタク界隈の中で間違いなく一番底が深い。深海レベルで終わりが見えない。年内すら見終わる気がしない。さすがにSW作品ばかり追いかけてると胃もたれするので、Diseny+に入っているうちにまだ見てないディズニー作品を見ておきたいな。あと『スターツアーズ』めっちゃ乗りたい。今なら待機列の展示も絶対キラキラした目で見る。とりあえずR2D2のグッズが欲しいです。

ドラマ

不毛地帯

 気づいたらNetflixに来てた。2009年ドラマ版。これまで山崎豊子作品を3つ見て、これが一番サラリーマンの夢小説っぽいなと思った。池井戸潤の大先輩って感じ。ビジネスパートはめちゃくちゃ面白いのに、小雪とのグダグダは夢小説臭すごくてキツかった。小雪、都合のいい女すぎてほんまに可哀そう。他人の前であんたに「愛してる」って明言できないやつはクソ確定だから早く捨ててやりなね。それはともかく、商社マンパートは本当に面白かった。前に見た2作品より格段にスケールがデカくて熱い。びゅんびゅん国跨いで、じゃんじゃん金が流れて、胃がキリキリするような駆け引きばっかり。見てる分にはすごい楽しい~!あ、時代が時代なだけに、昭和の商社マンのダメなところは全部出てた。パワハラ・セクハラ・労基ガン無視の残業……。家庭では家族への感謝ゼロだし妻の話は聞かないし、現代人から見たら石投げたいレベル。そういう世代を見てきたトモアツとかマコトみたいな人たちが、ちょっとずつ家庭のあり方を変えてきたんだろうなと、本編と関係ないけど感じた。シベリア抑留と商社マンの話がどう関係してくるんだろうと疑問だったけど、最後のビッグビジネスで絡んできてドラマチックだな~と感心した。

www.netflix.com

マンダロリアン(シーズン1~3)

 映画を見たらそれまでの話が気になりすぎて、初めてDisney+に加入した。教義に則ってシーズン2と3の間にはボバを挟んだよ。我らの道。

 なんかもうハマりすぎてもはやどこから感想を書いたらいいか分からない。これを書いている私の手元には英語のビジュアルガイドがあるし、グローグーのぬいぐるみもある。仕事帰りに紀伊國屋書店へたまらず駆け込んで買いました。ドラマ見てた当初はほぼ毎晩キャラクターが夢に出てきた。こんなにもハマったコンテンツは久しぶり。どこが魅力かって?もう全部だよ。このドラマの感想だけで500字くらい書いたんだけど消した。筆舌に尽くしがたいとはこのことか。マンドーとグローグーの父子物語としても面白いし、それでいてマンダロリアンの復興とか新共和国の行く末という視点でも楽しめるし、どこを切り取っても味がするんだよこのドラマ。ドキュメンタリーも3シーズン分全部見た。こんなにも愛に溢れた作品なのに、シーズン4がないとか嘘でしょ。頼むから制作陣は調子に乗ってもう3シーズンぐらい作ってくれ。劇場版でもいいから。それと漫画版の復刊も後生だからお願いします。

www.disneyplus.com

ボバ・フェット/The Book of Boba Fett

 順番的には『マンダロリアン』シーズン3の前に見たけど、一応別作品なので別項目として立てる。いや、本当になんで『マンダロリアン』の大トロの部分を余所様の作品でやっちゃうんだろうね。ほぼ乗っ取りだったよ。グローグーの修行シーンとか再会とか激アツなんだけど、この作品を見てボバ・フェットと愉快な仲間たちを大好きになったので、彼らの活躍をもっと見たかった。もうね、大名おもしろすぎるのよ。後々SW作品見ても、誰も大名なんて名乗ってないの。どっから出たんだよその単語。そりゃフェネック姐さんも「こいつおもしれー男」つってずっと一緒にいるよ。元賞金稼ぎなのに「俺は尊敬で統治したい」とか言い出すし、凶暴なモンスターをペットにしてニコニコしてるし、根っこが善人すぎる。あんたそれでよく賞金稼ぎやってたな。渋い賞金稼ぎのアフターストーリーを期待していた層からは不評だったらしいけど、私は新組長によるショバ平定物語としてとても楽しんだ。新町内会長による珍道中ともいう。(実際はもっと規模デカいけど。)『マンダロリアン』で大活躍だったコブ・ヴァンスが再登場したのも良すぎた。頼むからシーズン2作ってくれ。

disneyplus.disney.co.jp

都市伝説解体センター 断篇集 痕

 気づいたら出てたので買った。うーん、相変わらずオタクが欲しいものを提供してくれるおいしい公式アンソロ。ゲームをプレイしてて松田には興味がなかったのに、今回ちょっとときめいて悔しかった。司書さんと富入さんの話なんてみんな待ってたでしょ。その期待を裏切ることなくきちんと面白かったのはすごい。結局ゲーム2周目はしてないんだけど、トシカイユニバースは末永く続いてほしい。漫画も続刊待ってるよ。

おわりに

 6月は大きめの風邪をひいた。しっかり発熱までして、文字通り一歩も動けない状態を数か月ぶりに味わった。健康って本当に大事。それでも週末だけで治して月曜日には普通に出社してたから、立派な社畜仕草すぎて我ながら感動した。月初の旅行から帰ってきてすぐ風邪をひいたから、6月はあまり運動できなかったな。外出もろくにできなかった一ヶ月だけど、おかげさまでこんなにも『スター・ウォーズ』ユニバースにどっぷり浸かれたので、これはこれでよかったのかも。そういう時期も必要だよね。

4泊5日オーストラリア・パースの旅①

はじめに

 なんでこの旅行を計画したのか、もはや覚えてないんだけど、確か「手持ちの航空券が無くなった!何か手頃な航空券を持ってないと正気を失う!」ぐらいのきっかけだったと思う。

 オーストラリアは人生で2回目の訪問。前回は大学の卒業記念にブリスベン・シドニー・メルボルンを一人で駆け回った。個人的には3都市の中でブリスベンが一番好きだったな。一方でパースは「世界一住みたい街」というキャッチフレーズだけ知ってたけど、日本からは遠いのでそのうちと思っていた。パースは見たところアクティビティが少なそうだけどシンガポールから5時間もあれば行けるし、航空券もそこまで高くないし(※中東危機前の話です。実際に行ったのは2026年3月末。)、治安も良さげでアジアに飽きた身としてはちょうどいい選択肢だった。

1日目

 シンガポールから朝7時の便で出発。がら空きだった。3-3-3のシート配列で、各三人がけのところにぎり1人いるぐらいの感じだった。ハリラヤの1日前に飛び出してきたとはいえ、「この石油大インフレ時代にこんなにすっからかんで飛ばしていいんだろうか」と思わず心配してしまった。

 ゲームして昼寝して着いたのが12時過ぎ。荷物が出てくるのがのんびりだったのと、入国手続きで少し時間を食った。といっても、バリとか台北に比べたら超短い列だったので、この辺から「もしかして言うほど観光地の空港ではないな?」と気付く。

がらがらの駐機場。めちゃくちゃ平地の空港。

 それから電車の空港線に乗って都心に出た。空港の正面が絶賛工事中だったので、到着エリアから駅まではちょっと歩いた。2026年1月からクレジットカードをタップして運賃を払えるようになっていたため、トランスパースカードは買わなかった。redditとか旅ブログ系は過去の情報なので、2026年以降の旅人は安心して手持ちのVISAまたはMasterCardをピッピッしてほしい。シンガポールと同じで空港線も一般電車と同じなので、市内でも空港往復でもピッピッ。(バスは乗ってないので確認できてないけど、公式的にはやはりクレカOKらしいよ。)

www.transperth.wa.gov.au

 パース駅に着いたらホテルへまで徒歩移動。泊ったのはホリデイイン。たまたまフロント係が日本人スタッフで、お互い在外就労邦人女性ということで意気投合。ありがたいことに部屋も用意できていたようで、公式のチェックイン時刻より少し早いけど快く通してもらった。

www.ihg.com

 部屋に荷物を放り出して、早速観光へ。パース経験者から散々「オーストラリアはびっくりするほど店じまいが早い」と聞かされていたので、多くは期待せずにフリーマントルへ直行。

パース駅。実は下方向に広い。でもメルボルンやシドニーよりは格段にコンパクト。

駅前の郵便局とH&M。おしゃれすぎて笑う。のぺっとした石造りにめちゃくちゃ英国を感じる。

パースの電車。一部を除いてほぼ地上を走る。日本の田舎やスイスの電車と同じで、開閉時にはボタンを押す。

フリーマントル

フリーマントル駅。石とレンガ造りでかわいいね。駅の向こうが港。

マーケットストリートは屋根があり、日陰になっていて歩きやすい。飲食店も結構多かった。

 路面店が既にかわいいくて見たい店がめちゃくちゃあったけど、18時にはマーケットが閉まってしまうのでとにかくまずはマーケットへ急いだ。

フリーマントルマーケット

マーケットの入り口。いい感じに古いレンガ造りが素敵。(ちょうど『ぽこあポケモン』にドハマりしていた時期なので、建築物にめちゃくちゃ目が行った。)

中は服飾雑貨あり、アートあり、飲食店ありでいい感じにごちゃごちゃ。なお値段は概ね可愛くなかった。

 個人経営かつ写真嫌そうな店が多かったので、細かくは記録してない。素敵だなと思う洋服たちは、手作りまたは手染めなのか大抵AUD120ぐらいだった。私の支払意志額をオーバーしているので買わなかったけど、エキゾチックな柄(日本で言うところの『チチカカ』系)が好きならこのマーケットは刺さると思う。飲食店は多国籍で、バーガーやらミャンマー料理やらフィリピン料理やらメキシカンやら、腹ペコなら食べ歩き目的でもいいかなという感じだった。ただこれもやはり思っていたより値段が高め。レモネードを飲んだけど、中サイズが一杯9ドルは衝撃だった。喉渇きすぎて払ったけども。「通貨価値でいうならオーストラリアドルとシンガポールドルってどんぐりの背比べよな?観光地価格だから?……もしかしてオーストラリアの物価がそもそも高めなんです!?」とようやくこの辺で気づいた。ホーカー感覚で挑んだ私に非があったわ。ただしフルーツだけは安く感じたので、ホテルで食べようと買って帰った。ちなみに、マーケットはほとんどの店がクレカ対応だったものの「現金の方が嬉しい」「クレカはX%マージンが追加されます」みたいな表記を出してる店が多かった。この後旅したとこどこでも結構似たような注意書を出してる店があったので、パースではそういう追加料金が一般的に許容されている模様。

フルーツ盛り、これで5ドル。(ホテルの照明なので色が変。)下にはスイカがぎちぎちに敷かれていた。どれも甘くてしっかり味が濃くて驚き。

お土産には別の店でナッツを購入。これがとんでもなく旨かった。同僚から「これ買うために早よまたパース行って来てや!」と言われるほど。
マーケットストリート

 マーケット自体で買うものがほぼなかったので、気になっていた路面店探索に戻った。いろいろ見たけど服屋はやっぱり相場が私の想定より高めだった。

 歩いていたら小腹が空いたので、ガイドブックで目をつけていた店に突撃。焼きたてプレッツェルのお店。幸か不幸かがら空きで、客は私一人だけだった。どれくらいの甘さか不安だったので、無難なシナモンシュガーを選んだ。

www.pretzelaustralia.com.au

子どもの顔ぐらいありそうなプレッツェルをフラットホワイトと共に。ちょっと待つけど焼きたてを提供してくれるのが最高。

これおいしかった!甘すぎなくてシナモンがよく効いてる。食感はモッチモチ。淹れたてコーヒーと相性ばっちり。ここは夜遅くまで開いてるようなので、ぜひおすすめしたい。店全体がどピンクなので、写真映えもいいと思う。

 次に予想外に目に留まったのが食器屋。厳密には調理器具も売っていた。店員さんが超フレンドリーでよかった。完全に計画外だったけど、いいショッピング経験ができたので個人的にはおすすめ。

www.thehomeprovedore.com.au

陶器なんて重いから買って帰るつもりなかったのに、どうしても目が離せなかった子たち。現在愛用中。

別にたぶん世界中探せば他にも売ってそうなデザインだとは思う。でもどうしようもなく心が惹かれた。特に左のマグ!ワイルドフラワーの季節に行ったわけではないけど、なぜかパースみを感じて即決。魚もかわいいやろ?ほんまはこれで刺身を食べたいけど、シンガポールでは食べる機会が少ないので、ヨーグルト入れたり普通に野菜の漬物とか和えもの入れたりしてる。

 思わぬ買い物にホクホクしながらフリーマントルから帰った。ちなみに、フリーマントルでは翌日のフェリー乗り場を確認するという大事なミッションもあったはずだが、すっかり忘れていた。

帰り道、昼間は何もなかった駅前広場にフードワゴンが集まっていた。おにぎり屋さんも来てたよ!

2日目

 この日の目玉はロットネスト島観光。ぐっすり寝たので、朝早くても元気いっぱい。もりもり朝食ブッフェを食べて前日と同じ電車に乗り、いざフリーマントルの港へ。

土曜の朝7時半の都心。めちゃくちゃ静かでほぼ人がいない。

電車から見た貸コンテナ倉庫。前日は見逃してたけど、こんなとこまでクオッカ推しだったなんて。

フリーマントル駅を出たら駅舎沿いに右へ進み、昨日とは反対側、つまり駅の裏側へ。

 フェリーはPelagoで事前に予約していたので、チケット売り場でバウチャーを乗船券に引き換え。私はフリーマントルのB Shed発を選んだけど、パース都心からもフェリーは出ているらしい。ただフリーマントルの方が便数が多く、乗船時間も短いので、個人的にはフリーマントル発の方がおすすめ。朝の電車なら十中八九周りの人が駅から港へ流れていくので、迷子にならずに済むのもポイント高い。

www.pelago.com

 早く着きすぎたので、乗り場の正面にあるマーケット(E Shed Markets) の適当な椅子に座りながら、自分のフェリーの到着を待つ。乗り場には他社の船も来るので、バカでかい時刻表示(NEXT○○社のXX:YY発みたいなやつ)を遠目から見守り、自分のフェリーの時刻が表示されたら乗船列へ向かった。出発時刻のだいたい30分前には列形成が始まったかな。窓際に座りたい場合、例えば9時半発のフェリーなら9時から並ぶといいかも。もちろん乗船券はきちんと引き換えた状態でね。並んでる人は「ビーチピクニックするぞ!」「サイクリングするぞ!」みたいな気合の入った格好の人が多かった。日本からの観光客ももちろんいたけど、週末をエンジョイしに行く地元民もいた。愛されてるんだな、ロットネスト島。

こんな二階建てフェリーに乗った。(往路は写真忘れたので、これは復路に撮影したもの。)

見てのとおり結構しっかりした船。トイレもある。酔い止め飲んでなかったけど、私は船酔いしなかった。プーケットでダイビングするとき乗った小型船に比べたら全然揺れなかった。家族連れはテーブル席が便利かも。船内は飲食OKっぽい。30分ぐらいかかるのでしっかり寝た。

パースを出てすぐは行きかうフェリーを見送るだけだったけど、ロットネスト島に近づいてきたら豪華ボートがこんなにも。

船着き場にどーんと立っているモニュメント。(これも復路に撮影)
ロットネスト島

 フェリーを降りたら、ツアーの集合時間までぷらぷら周辺を散歩。かなりの数のボランティアガイドさんがいて、島の地図を配りつつ待機していた。私も待ち合わせ場所への行き方が怪しかったので尋ねたけど、丁寧に教えてくれたよ。集合場所も分かったので、今の間にショッピング。テーマパークと同じ原理で帰り際は絶対混むだろうからね。

ロットネストで買ったもの一つ目:石鹸。無難にいい匂い。

二つ目:タグキーチェーン。キーチェーン類はたくさんあったけど、カチャカチャ音が鳴らない上にかわいかったのでこれに決定。クオッカだけじゃなく灯台まで含まれているのが魅力。
バスツアー

 お土産もゲットしたので余裕をもってツアーの集合場所へ。自転車レンタル?いいえ、リンクの通りバスツアーです。

www.pelago.com

週末にレンタサイクルでビーチ沿いをサイクリングすることもある私。ロットネスト島でのサイクリングは正直考えた。でもね。「旅先で汗だくになりたいか?家帰ったらなんぼでも汗かけるのに?チル目的のホリデーのはずでは?」「途中でバテても自転車乗り捨てできひんぞ?自力で港まで帰るしかないぞ?」「一人でその辺で昼食食べんの?鳥嫌いやのに大自然の中で?シドニーでカモメに背後からイングリッシュマフィンを盗まれた経験を忘れたのか?(ガチの実話)」などなど考えてたら、これツアーの方が私には向いていると思ったので、バスツアーを選んだ。日本語のサイトじゃほとんど紹介がなかったので、やはりこちらもPelagoで予約。なおツアーにはフェリーのチケット代が含まれていないので、別途購入したというわけ。

これが集合場所。なんと鉄道の駅。ロットネスト島にも鉄道が走ってたなんて驚きでしょ。

 ベンチに腰かけていると集合時間より少し早めにガイドが登場。金髪ポニーテールに真っ黒いサングラスがイカす小柄なお姉さま。出席確認と昼食の好み(アレルギー無いか、ヴィーガンオプションいるか等)のチェックをすまして電車に乗り込んだ。お姉さまは到着先の高台で待ち合わせなので一旦別れ、鉄道は同じ会社の違う若姉さんが運転してくれた。

車窓からの景色はリアルぱさぱさこうやのまち。(『ぽこあポケモン』のやりすぎである。)

途中で戦時中の駅舎を通過。そもそもこの鉄道があるのも第二次大戦中に兵器を運ぶためだったからね。

自転車だとこういう上り坂も乗り越えないといけないんだよな。すごいと思う。

島内には実は飛行場もあるんだよ。セスナばっかりだったけど。たぶんどえらい金持ちか、スカイダイビング用だと思われ。

到着した駅は小高い丘の上。乗ってきた電車はこんな感じ。

 思ってたよりも長めの電車の旅だった。20分以上は乗ってたと思う。同じように一人で参加している人と写真撮りあいっこしたりしながら過ごした。窓がないので風が吹き抜けて気持ちいのなんの。

 到着したのは旧軍事施設。実はロットネスト島は、西オーストラリアの海上防衛において重要拠点だったらしい。敵(具体的には当時東南アジアでぶいぶい言わせていた大日本帝国軍)の船が近づいてきたら、ここから大砲をぶっ放すつもりで作られたらしい。なお、現実に砲台が使われたのは一回のみ。それも敵相手ではなく、無線で警告したにもかかわらず応答がなかった味方船への警告射撃だったとか。終わってみればそんな平和な歴史だけど、造りは完全に臨戦態勢で終始身が引き締まる思いだった。

全体像はこんな感じ。丘の上の砲台とその地下施設を見学できた。

これが砲台。そりゃ海まで届くなっていうぐらいデカい。現在は燕がめっちゃ住んでる。

砲台の中はこんな感じ。触らなくても重そうだなってのが分かる。

 砲台周りは地上だけど、地下では燕がバサバサ飛び交う薄暗い小道を歩くので、やや緊張した。1940年代に作られたとは思えないほど現代的かつ合理的な建築で、そこは素直に感動した。例えば火薬を扱うところでは、不用意な火花が散らないように床がゴム製になってたりとかね。オーストラリア軍は現代的だったんだなと驚いた。(いやまぁ日本がずっとジリ貧だったのは自業自得でもあるし……オーストラリアは天然資源豊富だし……。)これ目当てにツアーに行ったのかって?いいえ。英国から参加していたご高齢グループ以外、私も含めて「こんなとこ見学させてもらえるんだね~」ぐらいの感じだった。でも行ってよかったと思っている。ガイドさんの言葉が非常に印象的だった。「みなさんロットネスト島はレジャーを楽しむところだと思って来られるでしょ。それは悪いことじゃないのよ。でもこの島にも歴史はある。地元の人間ですら知らない、あるいは忘れているような歴史がね。それを学ぶのはとても意味があることだと思うわ。」
 見学が終わったらバスに乗り換え。車内でラップサンドとクッキーが入ったランチボックスを渡され、簡単なお昼ご飯。比較的涼しい見学路だったとはいえ、日差しから逃げてエアコンを浴びながらご飯食べられるの最高!鳥も飛んでこないし!ここからは完全に観光なので、写真でサクッと紹介。

乗ってたバスはこちら。電気自動車の割にしっかり観光バス。

車内から見た民家。働いてる人のほとんどはフェリー通勤だけど、一部在住者もいるんだとか。

島の裏側でも小型船がいっぱい。お金持ちの遊び方だ……。

潮風と乾燥した草の匂いが気持ちいい。

おそらく一番有名な観光ポイント。この灯台を目指してサイクリングする人が多いはず。

やっとこ出会えたクオッカは、すごい人相悪かった。「世界一幸せな動物」じゃなかったっけ?

違うところで見たクオッカは比較的優しそうだった。近くで見るとめっちゃネズミ感強くてビビった。

 ちょこちょこ停車してはトイレ休憩&写真撮影タイムを設けてくれて、時間がタイトであろう割にはいろんな景色を見ることができた。つくづく思うけど、これを自転車で回る人は本当にすごい!!私は早々に諦めてバスにしといて本当に良かったと思っている。

 バスツアーが終わったのは16時前。私は17時のフェリーを予約していたけど、ツアー客の中には16時の人も少なからずいたようで、解散後その人たちは波止場へダッシュしていた。日本人だけのツアーなら時間厳守で行程が進むけど、英語ツアーはたいてい「じゃあ〇〇分集合ね!」と言われてもそっから5分遅刻する人がいるなんてザラだからなぁ。彼らには気の毒だけど、スケジュール全体が遅延するのを予想しておいてよかった。とはいえ、船が戻ったらパースのお店はほぼ全て閉まっているので、乗船時間までの間にちょっと買い出しへ。バスに乗っていたから気づかなかったけど、波止場周辺の飲食店はすごい賑わっていた。こんなに人がいたのか。カモメとカラスがバサバサして常にご飯を狙ってるし、クオッカも餌を乞いにうろちょろしてるし、あー怖い。これだよ私が避けたかった海辺は。飲食店自体は充実してて、小さいけどスーパーもベーカリーもあった。

マッシュドポテトが乗ったパイを買った。観光地価格なのは目を瞑らざるをえない。

繁華街で出会ったクオッカは、大自然の中で出会った子たちよりもスレて見えた。気のせいだろうか。

 それからフェリーに乗り何事もなくフリーマントルへ戻って、電車に乗り換えホテルへ帰り2日目は終了。マジでこのバスツアーおすすめ!お金はかかるけど私には本当に合っていた。鳥嫌いでも体力がなくても、豊かな自然と歴史を味わってロットネスト島を満喫できた。

 3日目以降は②に続く(相変わらず不定期更新)

2026年5月の見た・読んだ

映画

ひつじ探偵団

 おぉ、思ってたのと違った。『ミニオン』とか『ホーム・アローン』みたいなゲラゲラ笑える系コメディを期待してたけど、『レディ・イン・ザ・バン』『木曜殺人クラブ』のようないわゆるイギリスの皮肉系コメディだった。羊、意外とまともなこと喋る。人間、想像以上にポンコツ。そしてそこまで凝ってない割にはしっかりミステリーしてる。同僚に「これは面白いに違いない!」と激推ししたものの、鑑賞翌日に「人を選ぶと思う」と真顔で訂正した。私は好きなんだけど、万人受けはしないと思う。なんでRotten Tomatoes の評価があそこまで高いのかは謎。いや、好きなんやけどブラボーッ!ってレベルではなかったので。本編始まる前の予告がどれも子供向け映画の宣伝だったんだけど、あれはマーケティングミスだと思う。これ子供向け映画というには示唆に富みすぎているような。ませた子で高学年ぐらいからじゃないかな。トレイラーにあるようなしっちゃかめっちゃシーンが少なかったんだよ。とはいえ、これを本来日本では後悔しない予定だったってのは甚だ疑問。日本人好きやと思うで。SNSでは「原作は読みづらい」とあったことからも、たぶん『動物農場』とか影響受けてそう。「最愛の人を失った時、忘れることでしか悲しみを乗り越えられないのか」「なぜ些細な違いが差別を産むのか」「人はなぜ愚か者を羊と呼ぶのか。羊より人間の方が愚かではないのか」とか提起される疑問がなかなか深かった。(ここが面白いけど、だからこそお子様向けではないような……と思った。)ちなみに原作はオチも主羊公も違うらしい。機会があれば読んでみようかな。日本語吹き替え版はキャストがめちゃんこ豪華らしいので、それも見てみたい。

hitsuji-tanteidan.jp

レディ・バード

 たしかショーレースに入賞するぐらいには話題になってた映画だったと思う。見たことなかったのでNetflixで見てみたけど、うーん、私には合わなかった。そもそも私ジュブナイル系苦手だったわ。(私は社会人最高!学生?楽しかったけど絶対戻りたくねー!という思想の持ち主。)全く理解できなかったわけじゃない。大学入試、親との対立、恋愛、性への好奇心、お金の問題、アイデンティティーの確立。あったあったこういう時期。ちょっと厨二病入ってるところもあって主人公は微笑ましい。でも自己破壊的な行動が強めであまり理解してあげられなかった。母親もそう。愛情表現下手すぎん?精神科のナースっぽいけど、お前こそがセラピー受けた方がいいぞ。距離が近すぎると上手く愛せない、という部分は分からなくもないんだけどね。青春ドラマと親子ドラマが上手く相まって「オ~これぞ郊外の高校生活!ノスタルジア!ブラボー!」っていう高評価だと思うんだけど、どちらも自分には納得できなかったというか根本的なところで理解に苦しんだので合わなかった。でもね、これ私が高校生の時に見てたらちょっと感想が違う気はする。

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ファイト・クラブ

 これこそ有名な映画だけど見たことなかったので見てみた。奇跡的にネタバレも踏んでこなかったので新鮮に楽しんだ。でも最後の30分はともかく、映画好きが好きそうな哲学者気取りのノリや「エロもグロもイケちゃう過激な俺」っぽさに乗れなかった。感想を一言で表すと?不眠症怖い。これ昔だとアナーキーでロックだって熱くなれたのかもしれないけど、9.11を経た現代人が見るとがっつりテロ活動でドン引くしかない。面白かったし、今後この映画のネタが理解できるから見てよかったとは思う。あのエンディングが脚本界ではブレイクスルーだったんだろうなとも理解する。けれど別に一生見ることがなくても大した損ではないかな。

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フォールガイ

 ザ・エンタメ映画。序盤はずっとライアン・ゴズリングとエミリー・ブラントのラブロマンスがメインで、いつになったら陰謀パート始まんねんと思っていた。そこだけ難点。ただ陰謀パートが始まったらめっちゃ面白かった。格闘あり爆発ありのスタントてんこ盛り。車は横にも縦にも回転する。スタントマンの映画やからそらそうなんやけど、あまりに景気が良すぎるド派手さでウケた。なんも考えずに映画流したい時に最適。

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ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー

 遅ればせながら見てきた!『マリギャラ』のサントラを学生時代ヘビロテしてた人間なので、アレンジ曲が使われるたびに一人大興奮していた。(劇場の他の客は親子連ればかりで、オリジナルゲームやってなさそうな人たちばかりだった。悲しい。)蘇る色んな記憶に鳥肌立つし情緒ぐちゃぐちゃ。ストーリーはあくびが出るレベルだけど、それ目当てに行ってないからな。とにかく「これアレやん!」ていうアハ体験を楽しむ、任天堂ファンへ捧げれられた作品なので。私はあれを劇場で聴けただけでも満足。無性に『マリギャラ』またプレイしたくなったし、なんなら今度発売される『スターフォックス』も欲しくなってる。任天堂のマーケティングにまんまと踊らされている……。余談だけど最後の最後にあの姫が出てきて、背後の客が「なに!?まだ続編作るの!?」ってキレてたのは爆笑した。ええやんけ、なんぼでも作ってもらいたいわ。

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ドラマ

キリゴ

 超面白かった!邦ドラだったらたぶん被害者二人目まで主人公のパニックが続くタルい展開になるところ、さくっと真相究明編に入っていくので飽きることなく完走できた。こういう「視聴者の見たいところって、ここじゃなくてそこだよね」を的確に突きつつ予想の斜め上の展開に持って行くところが韓国ドラマの素晴らしさ。単なるスクールホラーで終わりかなと思ったら、スムーズに専門家が登場して解呪に進むのも胸アツで良かった。主演俳優たちみんな若くてメロドラマでも売れそうなのに、ばりばり体張っててすごかった。走る、跳ぶ、戦う。特にセアちゃん、手足長くて外見が良いだけじゃなく覚悟決まってて内面も超カッコいい。そらヒーローも惚れるわな。続編作りたそうなのがひしひしと伝わってきたのだけはちょっと微妙だけど、あまりにも気になるので来たらたぶん見る。いやだって、あの兄ちゃんと姉ちゃんの話は気になるやろ……。個人的にこれぐらいのオカルトホラーだと怖がり過ぎずに見ることができてありがたい。ただ冒頭から首にカッターナイフぶっ刺すなど、過激でグロい描写はてんこ盛りなので、グロ耐性ない人や自死に関するつらい経験がある人にはオススメできない。

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マイネーム:偽りと復讐

 途中までは悪くないレベルだったのが、ラスト2話が面白くなさ過ぎて悪い意味で衝撃を受けたドラマ。韓国ドラマもこんなに面白くないのがあるのか!登場人物全員が絶妙に頭足りてなくてもどかしいところまでは耐えてたけど、最終決戦までの展開を引っ張りどいつもこいつも互いの足を引っ張り濡れ場で尺を引っ張り、「もうええ加減にせぇよ」とさすがに罵倒が口から出た。初めてやで、Netflixの1.5倍速機能に感謝したの。『キリゴ』の対極をいく、「まさにドラマのこういうところが嫌い」っていうポイントの詰め合わせだった。気になりつつ今まで見てなかったけど、今となっては見なくても別によかったなと思う。

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杏のとことこパリ子連れ旅

 実は杏さんのYouTubeはちょこちょこ見ている。主に旅行編と料理編。なのでパリ関係のエッセイが出ると知り、気になって両方買ってみた。こちらはパリに住むまでの話の方。日記を基に書かれているようで、他人の日記を覗き見ているみたいで面白かった。幼児3人連れて海外旅行はすごすぎる。国内でも大変なのにましてやヨーロッパって。もちろん周囲の助けがあってこそできることではあるけど、そういう人を惹きつけるのは杏さんの人柄あってこそだよなと思う。なんでこの人パリに住んでるんやろ、とは思ってたけど、旅行記の筆致がすごく軽やかで生き生きのびのびとしていて、街に合ってたんだなというのがとてもよく分かった。ふとしたきっかけで移住を考えるようになったのもすごく共感できた。知らぬ間にじわじわと自分の中で街に対する好きが積もっていて、最後に「住もう」っていうボタンがクリックされるのってなんでもない瞬間なんだよな。自分は子育てもしないし、パリとは馬が合わなかった人間だけど、読んでよかったしこういう旅行も楽しそうだなと思った。子育て中の人じゃなくても旅行エッセイとしてかなりオススメ。

杏のパリ細うで繁盛記

 前述のとは出版社すら違うけど、こちらはパリ移住後のエッセイ。個人的には続きで両方読んで良かったなと思った。あれやこれやを経験しての生活編って感じで、地続きな部分を感じられたので。読んでて本当に杏さんが暮らしててパリは楽しいんだろうなっていうのがひしひしと伝わってきた。楽しいって言うか、水が合うとか息がしやすいって表現の方が正確かもしれない。(水問題にはだいぶ苦労してらっしゃるようだけども。)あと本当にお子さんのことを大事にしていて、忙しくても一人一人としっかり向き合おうとしてるところがとっても素敵。YouTubeで見ていたフィンランド生活やパズル世界大会のお話なんかもあって、YouTubeのディレクターズカットみたいな本だと思った。オススメ度は先の旅行記の方が高いけど、杏さんのYouTubeのファンならこっちもオススメ。犬の話もこっちの方が充実してるよ。

おばあちゃんのガールフレンド

 SNSで見かけて買ってだいぶ寝かしてた本。中高年の性的マイノリティって確かにいるに決まってるんだけど、話を聞いたことなんてなかったから気になって買った。もったいないのが、最初の説明が長い!台湾のレズビアン事情や歴史を解説して、それを理解してから読んでほしい気持ちは分かる。でも「どんなお話が聞けるのかな」とワクワクしていた出端を挫かれて私は一回そこで本を閉じてしまった。そこさえ乗り越えれば、一人一人のインタビューが展開されて非常に興味深かった。偽装結婚というわけでもなく、本当に義務感や「自然なこと」として必ず結婚するあたりが隔世の感があるというか、今との決定的な違いだった。そういう若者からすると違和感が残る部分も含めて、後世にこういう声を残していくことが重要なんだなと思った。

マンガ

マダムたちのルームシェア(6)

 定期的に読んでる数少ない漫画。穏やかに軽やかに、そしてなにより楽しく歳を重ねていきたいもんですわね。

木更津くんの××が見たい(12)

 だいぶ遅ればせながら読んだ。完結まで見届けられてよかった!エロ漫画を飛び出してお仕事&社会人恋愛ドラマに舵を切ったのは本当に英断だと思う。タイトルとはかけ離れた結末になったけど、旭が一番幸せになれそうな選択だと納得できた。心から祝福したい。外伝出るならたぶん買う。

じゃあ、あんたが作ってみろよ(4)

 完結するまで買うの待とうかなと思ってたけど、まとめ買いセールが来たので待ちきれず買った。やっぱり面白い。新しい自分、なりたい自分に進むのって何歳からでもいいよね。風呂敷を畳む方向に近づいているらしいので、最後まで追いかけたい。

海が走るエンドロール(9)

 ついに完結。完走しておいていうのもなんだけど、私は会話劇が好きなので、モノローグと画で話が進むこの作品は刺さらなかったな。「で、結局なんだったんだ」となってしまった。私の感受性が低いという批判は甘んじて受け入れる。やはり私は映画オタクではないし作品を作る側の人間にはなれない。ハマらなかったけど、京アニ版は絶対見たい。このモノローグ満載の作品をアニメとしてどう魅力的に作るのかめちゃくちゃ気になる。

おわりに

 今月は2回も映画館に行った。仕事終わりにフラッと映画館行ってスクリーンにかぶりついて集中して映画を見るの、体験として満足度高くて最近の楽しみ。平日だと若干安いし!残業少ない仕事と駅近の映画館と英中字幕に毎度感謝している。でもしばらく見たい映画がないのが残念。

 今月は初めて中国楽器の楽団の演奏会に行ってみた!女子十二楽坊しか知らなかった人間だけど、せっかく中華文化が盛んな国に住んでるんだからと一念発起して足を運んだ。とてもいい経験になった。着いたら各座席にでんでん太鼓が置かれていて困惑したけど、最後の一曲で会場一体となって鳴らす演出があり、非常に楽しかった。音楽を「する」ことまで組み込んだプログラムって面白いな。西洋の音楽とはまた違った話し方(楽器同士の掛け合い・文節・表現)なのも感動した。市民会館みたいなこじんまりした規模だったけど、ほぼ満席で観客の民度も良かったのでまた行きたいな。

2026年4月の見た・読んだ

映画

スタンド・バイ・ミー

 どえらい有名な映画だけど今まで全く見たことがなかった。Netflixのおすすめに出てきたので、たまにはこういうのもいいかなと思って見てみた。正直見ている間は「面白いけど不朽の名作ってほどではないかも」と思っていた。しかし、見終わってからふと振り返って考えたくなるようなことが増え、なるほど名作の力にもいろいろあるんだなと理解した。例えばミルクマネー(邦訳は給食代)窃盗事件のところ。自分の小学校時代にも筋金入りのワルはいたけど、彼に窃盗容疑があったとして弁明を聞こうとするだろうか。閉鎖的な街の中で少なからず信頼していた大人に裏切られたら、子どもはどうすればいいのだろうか。あるいはエンディング。小学校時代にどれだけ仲が良くても気づけば疎遠になっているなんて、現実ではよくあることだ。その友人のことを嫌いになったわけではないし、彼らに関するニュースを見れば胸を痛めるし、思い出が色あせることはない。でも、彼らの葬式に駆けつけるわけでも、刑務所に会いに行くわけでもない。ただ胸の中をざわめかせる風が吹いて、懐かしさに浸るだけ。創作の世界ならもっと夢のある話にもできたろうに、このドライな現実と閉塞感をそのまま描くことが非常に心に残った。
 話の力強さだけでなく、映像作品としても面白かった。クリスの行く末にはびっくりして、思わずシークバーを冒頭まで戻した。伏線の描き方がお上品すぎる。クリスの演技だけ桁違いに上手すぎませんか、と思っていたら正体はリバー・フェニックスで椅子から転げ落ちた。天才って本当に素人が見ても分かるもんなんですね、恐ろしい。
 個人的には兄の野球帽を最後まで返してもらえなかったのが不満だった。そういうままならなさがやはりリアルでいいんだけども。「大好きな映画になりました」とか「人生で絶対見るべき映画です」とかそういうわけじゃないんだけど、見てよかったなと思うし、たぶん今後も時々思い出す。いい映画を見たな~。

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カンフーパンダ2

 先月見たやつの続編。なんでガチョウの息子がパンダやねん、とは思いつつも前作ではフル無視だったのでそういうもんかと納得していたけど、きちんとストーリーがあったのね。相変わらずのなんちゃって中華だけど、もうここまできたらそういうもんだと目を瞑って見るようになった。ジャック・ブラックが楽しそうなのでなんでもいいです。悪役のゲイリー・オールドマンがすごかった。隠し切れない上品なブリティッシュアクセント、顔が出ていないのに思い浮かぶあの天下一品の悪役顔。鳥は大嫌いなんだけど、中の人が良すぎてイケメンに見えたわ。ところで1も2も日本語字幕で見たから全然知らんかったけど、日本語版声優は奇天烈な人選やってんな。主役なんか犯罪者になっとるやないか。論外やから日本語では見ないけど、中国語音声があればよかったのになと思った。絶対カッコいいのに、なんちゃって中華だからOK出ないか……。

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ジュラシック・ワールド

 年越しの時にちょこっとだけ見たけど、結局話が分かってなかったので重い腰を上げてようやく見た。面白かった。序盤は出てくる人間どいつもこいつもことごとく愚かで呆れたけど、「そういえば全て人間の愚かさから始まったエンタメ映画だもんな。バカがいねぇと話進まねんだわ」と思い出してからは大ウケしながら楽しんだ。個人的には初代『ゴジラ』みたいな「動物はあくまで動物で、人間のいうことなんか聞かん」みたいな方向性が好きなんで、人間と協調できる恐竜は好みではなかった。でも新時代の幕開けにふさわしいといえばその通りな気もした。なるほど今後はこういう方針で行くんですね。音楽はさすがのクオリティでそこは素直に感動した。今こそガーデンズバイ・ザ・ベイの展示見たらもっと楽しめるかも。

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レヴェナント:蘇りし者

 先々月に雪山ドキュメンタリー見てぶーすか言ってたけど、最初からこれを見ればよかった。サバイバルレベル100って感じで面白かった。これはね、『金カム』からギャグ要素を全部抜いて杉元しかいなかった場合のお話。画面がずっと寒いしずっと過酷。楽しいクッキングシーンとか無い。すごい勢いで人が死んでいく。開拓時代のアメリカの冬は厳しい。ただ『金カム』を履修済みだったおかげで、「グリズリーって顔からいかないんだ。熊より優しいんですね」「不死身のディカプリオかよ」「鹿の内臓抜いてその中で寝ると温かいんだよね!知ってる!」など飽きることなく視聴できた。『金カム』未履修または極寒サバイバルもの初見の状態で視聴して面白いかは不明。ディカプリオはもちろんだけど、こんだけ無茶苦茶やらされる仕事のオファーを受ける俳優がこんなにもいて実写化できたのは単純にすごいと思った。

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ジャンゴ 繋がれざる者

 全く何も知らない状態で視聴したので、常に驚きワクワクしながら楽しんだ。こちらも西部劇なのでバタバタ人は死ぬ。タランティーノ監督とクリストフ・ヴァルツ?絶対面白いやろ、と思ってはいたけどめちゃくちゃ面白かった。一周回って悔しい。「西部劇やけどあえての黒人主人公やで!相棒は謎のドイツ人やで!血と銃弾と悪口雑言が飛び交う西部劇や!どや、おもろいやろ!?」と全て準備されていてもはや臭いんだけど、五体投地で面白かったと叫びたいぐらいものの見事に全部刺さった。完敗。とりあえずヴァルツさんが出てる作品にハズレがないことは分かったわ。最初悪人だと思っててごめんね。
 ※連続してディカプリオ出演作を見ているけれど、彼個人を肯定する意図はまったくありません。腹出た中年が20代女性を追い回しているのは普通に気持ち悪い。

ジャンゴ 繋がれざる者 (字幕版)

ジャンゴ 繋がれざる者 (字幕版)

  • ジェイミー・フォックス
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プロジェクト・ヘイル・メアリー

 やっと見た~!事前にSNSで流れてくる感想で期待値爆上げだったんだけど、それを満たすどころか上回ってくる完成度で超楽しかった。確かに最初は「忙しい人のための『プロヘメ』上巻」って感じで面食らった。知らんキャラも出てくるし。でもロッキーと出会うまでのやきもき感は読書体験だから味わえたものであり、あれをそのまま映像化してもダレるだけなので、この構成は英断だと思う。さすが原作者ががっつり監修してるだけあって、内容が所々変わっていてもしっかり面白さが担保されてるのはありがたかった。同じ作品でもちょっと違う味がするので二度おいしい。一番泣いたのはロッキーと初対面のシーン。(ここでは他に誰も泣いてなかった……。)オチを知ってるからこそ、グレースと出会うまでのロッキーを想像するともう色んな感情があふれてしまい「よかったねぇ~~~!!」と涙が止まらなかった。そこから紆余曲折あるたびに泣き、逆にエンディングでは落ち着いて後方彼氏面オタクみたいに満面の笑みで腕組みしていた。今もSNSで引き続き感想や考察をすすっている。どこを切り取っても味がするぞこの作品。海外でもストラットさん人気高くて嬉しい。原作もそうだけど出てくるキャラクターみんな味があって素敵なんだよな。もう一回原作読み直そうかな……。
 実は人生で初めてIMAXで見たんだけど、画面が近すぎて少ししんどかった。私は劇場前方にどかっと座ってかぶりつきで見るのが好きなんだけど、IMAXだと画面が大きすぎて視界に全て収まりきらず、舞台鑑賞みたいに忙しくなってしまった。近いとそのIMAX特有の黒もあまり分からなかったし、なによりこの映画で多用されていたフラッシュ効果で目がやられた。普通のスクリーンでもう一回見ようと思っているけど、なかなか時間が合わなくてまだ行けてない。日本語吹き替え版も気になるので、今度機内エンタメにあったらそれも見たいと思う。

youtu.be

ドラマ

華麗なる一族(2007年版)

 なんで今!?と我ながら思うけど、Netflixに来てたから思わず見ちゃったよね。第一話見てオチを思い出す程度には内容覚えてたけど、細かいところはすっかり忘れてたので新鮮に楽しんだ。当時どういう目線で観てたのかもはや覚えてないけど、今視聴するといろんな人間模様が見えて面白かった。『うみねこ』と同じでとりあえずジジイがクソ。息子の嫁が入浴中のところに乗り込んでいくなボケカス。親父もクソ。強姦疑惑ある妻にかける言葉の何をどう間違ったら「裏切者!」になるんだよバカ。それはそれとして、親父からしたら鉄平はマジで邪魔だろうなと同情もした。せっかくなりふり構わず家業守ろうとしてんのにあっちこっちでいらんことして「貴様ー!」ってなるのも無理はない。韓国ドラマなら暗殺者を送り込まれてると思うので、鉄平はここが日本であることに感謝すべき。高須相子は現代なら絶対男に頼らずとも人生を謳歌できる逸材なので、憎たらしいというよりずっと哀しいキャラクターだなと思っていた。冷静に状況を俯瞰できる視野と抜群のコミュニケーション能力と政治力、おまけに語学力もあるんだぞ?万俵家を追い出されてから会社を興して利益爆上げの女社長編、スピンオフで一本いけるよ。美馬ちゃんすら不要だよ。肝心の鉄平はカリスマ性や技術力はあるものの、経営者らしい理性に欠けるので、個人的には上司にしたくないタイプだと思った。熱意だけで商売できたら何も困らんのですわ。最終的に妻と息子を無視して自分の絶望だけに浸るところもドン引き。これは漫画『砂時計』の影響なんだけど、自殺した親族の「踏みとどまる理由」になれなかった人々の気持ちをどうしても考えてしまう。お前は自分が絶望から逃げるために、息子に新たな絶望を丸投げするのかと憤りすら感じた。言うまでもなく親父が全部悪いけど、お前も立派な大人なんだからもう少しまともな踏ん切りの付け方ができただろバカたれ。
 と、くだを巻いているけれどこれ以上のエンディングがあるかといったら思いつかない。ままならないこの人間模様と経営ドラマが本当に面白かった。あの手この手で盛大な親子喧嘩が繰り広げられるのが見てて飽きない。あと俳優も演出も金がかかってて、画面がずっと豪華。そういえば原作小説は親父が主人公らしいね?息子が主役になったのはこの2007年版だけで、他のドラマ版はどれも親父が主人公と知って驚いた。最新の中井貴一版めっちゃ見たい。Netflixに来てほしいな……。

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白い巨塔(2003年版)

 超有名どころなのに見たことがなく、Netflixに来てたので「こうなりゃ山崎豊子祭りだ!」と『華麗なる一族』視聴後そのまま見始めた。え、めちゃくちゃ面白い!21話もあって長いなと最初は思ってたのに、気づけば最終回まで見ていた。そりゃ名作と呼ばれるわけだ。たぶんもう少し若い頃に見ていたら、私は里見に肩入れしていたと思う。だが今の私では里見を好きになれなかった。財前の方が理に適っていると思った。そう、偉くならないと誰も話を聞いてくれないし組織は変えられないんだよ。嫌いなキャラでいうと佐枝子はぶっちぎり一位。なんなんあの女。自分の男の近くにいてほしくない女No.1すぎる。ずっと気持ち悪くて「頼むからもう画面に出てこないでくれー!」と叫んでいた。私が三知代さんだったら家まで乗り込んで「てめぇの娘が私の夫に色目を使ってマジで勘弁ならんのでちゃんと教育してくれ」と言いに行く。だいたいフランス語学科の院生のくせして、全然大学行ってへんやんけ。しっかり研究せぇアホ。本にマーカー引くぐらいで勉強した気になってええのは大学受験までやろがい。院生やったら留学経験ぐらいあってもよさそうやのに、あまりにも世間知らずで自活力皆無なのも意味不明。嫌いなキャラ二位は柳原。あいつどっからどう見てもトカゲの尻尾でしかないのに、その自覚もないのはあまりにも愚か。女あてがわれて途中まで満喫してんのも草。その後にキレてもお前説得力ないって。終盤までぐずぐずしてる伊藤英明の演技が最高に腹立たしかった。ここまで書いてて思ったけど、私は無能なくせにいっちょ前の正義感がある、組織に有害な善人が嫌いなのかもしれない。逆に一番好きなのは竹内。「自分は結局大学病院を離れて家継ぐからな~」と飄々として一歩引いたところから眺めて、器用に立ち振る舞おうとしているくせに、意外と情に厚いところが憎めない。オリキャラらしいけど、彼がいないと里見の研究室は四面楚歌だったと思うのでいてくれて良かった。東先生も良かったな。本来は純粋に良いお医者さんで志も高いのに、財前と出会ってしまったことが不運だった。進んで悪人になれる性格の人じゃないだけに負けてしまうところは悲しかったけど、だからこそあの財前ですら最期まで師と仰ぎたかったんだろう。
 「大学病院の話がなんでそんなにおもしろいんや」と思っていたけど、これはほんまに面白い。なにせこんなにも各キャラクターに入れ込んで長々感想書くくらいですからね。本当に毎話濃かったんだよ。昔の邦ドラってこんなに質が高かったんだな。山崎豊子作品が面白すぎて他のも見たいんだけど、全然配信にないんだよね……。

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8番出口

 旧友が映画を見て面白かったと言っていたので買ってみた。こっちでは劇場公開してないので。個人的に好みの話ではなかったので刺さらなかったものの、ゲームの映画化という視点では非常に上手だなと感心した。主人公は徹頭徹尾情けないし、大震災はただの舞台装置扱いされているし、なんだかなと眉をひそめることばかりだったけど、あのストーリー性皆無のゲームにここまでしっかりとした背骨を与えてやったのは手放しで賞賛に値する。

8番出口

8番出口

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音楽の聴き方

 映画や本の感想はある程度言語化できるのに、音楽になるととんと言葉が出てこない。頑張ってひねり出せるのは情景の比喩かシンプルな感想(上手い・キレイ等)だけ。昨年秋ごろからオーケストラのコンサートへ足を頻繁に運ぶようになっただけになんだかなぁと思っていたところ、SNSでたまたま見かけたので購入。もうめちゃくちゃ面白かった。たぶん今後の人生で時折読み直すんだろうなと思うぐらい、人生の中で読んでよかった本の中には入る。
 まず「音楽というのは語れない」という超定説に疑義を呈するところが目から鱗だった。確かに語らないと伝わらないんだから、語れないわけがない。作曲家は作曲中でも言語を用いて試行錯誤するだろうし、自分だって演奏するときは言葉で考えた。逆に「語れないことにしたいのはなぜか」という方向性から考えるのも非常に興味深かった。する・聞く・売るの三権分立に気づかされ、もっと気軽に音楽をしてもいいんだなと理解した時はなんだか嬉しくなった。(おかげで今は一番気軽に始められそうなピアノに興味が出てしまっている。もちろん本当は金管を触りたいけど団地生活じゃあなぁ。)
 「音楽に国境がない」という定説についてもそうだ。ないわけがない。スメタナ『わが祖国』を聴いても、私の感想とチェコ人の感想では理解度に大きな差が出るだろう。一定の共通バックグラウンド(=国境)があるのとないのとでは大きく変わる。共通理解という意味では、第二次世界大戦中のドイツの演奏会の話は想像するだけで鳥肌が立った。公に肯定されるものではないけれど、タイムマシンがあったらちょっと覗いてみたいと思った。また、話し言葉のように音楽を聴くというのも、新しい発見だった。英語話者が話す日本語ではアクセントや文節の区切りに違和感が生じるように、同じショパンのエチュード『黒鍵』でも演奏者によって音の区切り(=話し方)が変わるなんて。紹介されているピアニストを実際にYouTubeで聴いてみて、素人でも分かる違いに興奮した。私は今までピアノがあまり分からなくて、聴いてもオーケストラの協奏曲とかだったんだけど、あまりの衝撃に今後はピアノのリサイタルも通おうと思ったぐらい。
 『わざ言語』という考え方も面白かった。「身体感覚に関わる独特な比喩」は身に覚えがありすぎた。高校時代、とあるマーチの裏打ちを人の足ではなく馬の4本足で歩けと指導されて、なるほどと思い自分の楽譜にデカデカと「「「馬」」」と書いた記憶が一瞬でよみがえった。
 とにかく新しい発見に満ちていた上に、これまでなんとなく感じていたことを「実はこれも音楽を語る方法ですよ」と拾い上げて体系的にまとめられており、非常に楽しい読書体験だった。この手の新書は読んでいると良い睡眠導入剤になるのに、この本に限っては引用される曲をYouTubeで探して比較したり、自分の体験と照らし合わせたりと積極的に楽しめる部分が多く、稀にみる「睡眠前に不適切な新書」だった。読んでるとアドレナリンどばどば。なにより語り口が易しくて読みやすく分かりやすい。先生の他の本も既に購入済みなので、追々楽しむつもり。クラシックのコンサートにももっと足を運んで、自分の音楽図書館を増築していくぞ!

おわりに

 4月はしっかりいろいろ楽しんだ分、書きたいことが多くなってしまった!しかし私のブログだから、SNSと違ってみっちり書いても誰の邪魔にもならない。ふふ、これこそブログの良いところ。旅行に行く月はそのことで頭がいっぱいになって、それはそれで楽しんだけど、こういうじっくり作品に浸って一人あーでもないこーでもないと考え事するのも楽しい。
 最近映画館に行くことが増えた。5月も見たい映画があるので、また仕事帰りに行くつもり。散歩がてらガーデンズ・バイ・ザ・ベイへ行ったり、オーケストラのコンサートへ出かけたりと、外に出る趣味が増えてきた。家にいることが悪いわけじゃないけど、この狭い国で少しでも新たな楽しみを見出せるのは嬉しいな。
 ここのところ夜間の雷雨が続いていて、ジムにはなかなか行けていないけれど、代わりにまた休日サイクリングへ行くようになった。5月もこのまま心身ともに健康的に過ごしていきたい。