空飛ぶ雑草

観た・行ってみた・食べてみたのログ置き場

2023年見たドラマ・映画

はじめに

 2023年の振り返り第二弾。今年楽しんだドラマ・映画を順不同で振り返る。Netflixに偏ってるのは許して。なお、ドキュメンタリー系もいろいろ見たけど、手放しで褒めづらいので今回は割愛。

ドラマ

ザ・クラウン

 せっかくイギリス行って王室関連のとこ行くんだから!と見始めたらそんなこと抜きにしてドハマりした。中身は大河ドラマなので、全体的に重くて濃くて長い。特殊メイクでもないのに、出てくる人みんな似ててなおさら説得力ある。ダイアナ元妃とか本当にギョッとするぐらい美しい。演技も皆様さすがのクオリティなので一層心揺さぶられる。特に恋愛事情はだいたい不幸な結末を迎えるので見ていて本当につらい。

 建物も狂ったように予算使ってるだけあってめちゃくちゃ豪華だし本物によく似てる。(なので旅行前に見ておくと現地で楽しさ倍増する。)王室史ひいては英国史の勉強にもなるし、ブリティッシュイングリッシュに溺れるのにも最適。

 一番好きなのはクレア・フォイ、初期のエリザベス女王!でも一番泣いたのは最終シーズン。マーガレット王女の回は電車の中で見たけど泣いた。史実とはいえ愛する家族、それも年下が先に旅立ってしまって取り残されるのは胸が張り裂ける……。

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クリミナル:イギリス編

 イギリスをまだ摂取したくて見た。取調室だけに焦点をあてた短いシリーズ。一話一話の会話劇がシャープで痺れる。キャラクターも事件も現代的で、毎度「あるよな、こういう事件」とニヤッとするけどそのリアルさに暗い気持ちになる。特に私刑の回とセクハラの回はゾッとした。スッキリする回もあれば苦い終わり方の回もあるので好みは分かれそう。

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コラテラル

 イギリスの刑事ドラマもっと見たいと思って探した。後述の『プロミシング・ヤング・ウーマン』を先に見てたので、キャリー・マリガンに惹かれたのも理由。軽い気持ちで見始めたら、移民問題・性暴力・パワハラ等々、社会問題てんこもりでしかも後味が苦かった。4話しかないリミテッドシリーズなのですぐ見れるけど、私的に一番救われてほしかった人が救われなかったのでもう一回見るのはキツイな。

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模仿犯

 刑事ドラマもっと見たくてたどり着いた。台湾ドラマこんなにおもしろいの!?と気づかせてくれた作品。宮部みゆき模倣犯』をあくまで原作として、台湾オリジナルに作り変えてる。私は原作小説読んでないけど、いろいろ見るに「日本で昔実写化されたやつより遥かに出来がいい」らしい。それも納得で、二転三転する話運びがすごいよくできてるし、キャストもめちゃくちゃいい。グォ検事、あんなカッコいいししっくりきてるのにドラマオリキャラってどういうこと?あなたの演技がすごすぎて何度泣かされたか。事件は全体的にグロい(『ソウ』の100倍希釈ぐらい)のと、性暴力描写がある。それが大丈夫ならおすすめ。

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WAVE MAKERS

 台湾ドラマおもろすぎ第二弾。台湾初の官僚ドラマということで、日本の『CHANGE』とか『半沢直樹』みたいな世界観を期待すると肩透かしを食らうけど、主人公がクィアだったり女性の社会的地位が高かったり、おっさんだらけの日本のドラマよりはよっぽど進歩的で変な引っ掛かりなく見れた。(日本のドラマじゃセクハラ問題にあそこまできちんと対処できないしな!)政治に希望が持てる台湾という国がすごく気になってきたので、ぜひ訪れたい。

 政党の広報部に焦点を絞って、変に話を広げすぎないところがまた良いなと思った。ウェンファンさんマジで上司に欲しい~!下を守るために上にブチ切れてくれる強い女!最高!大好き!彼女の立候補編が出るなら絶対見る。

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映画

プロミシング・ヤング・ウーマン

 各所で話題だったので見た。「司法制度が機能しない場合、性暴力被害者はどうすればいいのか」という命題がぐぅっとのしかかるストーリー。終盤は唇噛みちぎれそうなぐらい悔しい気持ちで見てたけど、きちんとオチがついてすっきりした。一方で「これしか方法がなかったのか?」と絶望して号泣した。主人公を演じるキャリー・マリガンがすごい。頭の良さと怒りで狂った感じが絶妙に混在してる。メンタルが元気な時に見るべし。

natalie.mu

ザリガニの鳴くところ

 これもメンタルが元気な時に見たほうがいい系。話題になってたのも納得だった。DV被害で逃げた家族と、逃げられなかった主人公。離れていく大事な人と、近づいてくる危険人物。見てる間ずっと心がギシギシするけど、オチでは気持ちよく息が吸えた。余談だけど、テイラー・スウィフトはぜひ主題歌書かせてくれとアプローチしたぐらい原作小説が好きらしい。さすがぴったりな曲だと思いながらエンドロールを見て、ストーリーを反芻して沼地のようなジトッとした気持ちがこみ上げるまでがセット。

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プライドと偏見

 超有名タイトルだけど初めて見た。ジェーン・オースティン作品の中では一番好きになれた。ポンコツ家族と縁が切れない、自活する手段がない、女性にとって結婚=就職な時代マジで無理……私は現代人で本当によかった。とはいえ最後のお父さんの演技にはジーンときた。キーラ・ナイトレイがずっとかわいくてキュンキュンする。ちなみにこれにもキャリー・マリガン出てる。今とベクトル違いすぎて全然気づけなかったけど。

eiga.com

西部戦線異状なし

 第一次世界大戦中のドイツ兵の物語。ぶっちゃけ第一次世界大戦ってあまり知らないなと心配しつつ見たけど、一兵卒の悲哀は古今東西共通で問題なく見れた。戦場の有様は気合の入った演出で、どれも生々しくて辛い。史実とはいえ本当に何においても救いがない。これらの犠牲を経ても(むしろ経たからこそ?)第二次世界大戦の諸々につながっていくんだよな、と思うといっそう気持ちが沈んだ。

 見終わってから制作の舞台裏も見た。若いキャストも含め、この作品を作る意義というのを全員が強く意識しているのが印象的だった。中でも「これまで何度か映画化されてきたが、ドイツが制作するのは初めて。この本はドイツが映画化してこそ意味がある」という言葉は重い。

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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

 ミシェル・ヨーキー・ホイ・クァンジェイミー・リー・カーティス!みんな最高!泣いた!と古典的なCMに出てくる陳腐な客みたいな感想がまず出てくるけど、本当に最高だったので許してほしい。熟年キャストの説得力あってこそのぶっ飛びストーリーと、パロディや下ネタ満載の演出。笑って泣けるとはこのことかと。ストーリー自体は途中で振り落とされそうになるけど、しがみついて見続けるとハッピーエンドにたどり着けるので腰を据えて見てほしい。

gaga.ne.jp

バチカンエクソシスト

 推しが推してたので見た通称『バチクソ』(不敬すぎる)。実在の人物とその回顧録に基づくという点は震えるけど、蓋を開けてみたらホラー要素少なくてビックリ宗教バトルって感じだった。自分がキリスト教徒じゃないからかもしれないけど。ガブリエーレ神父自身がお茶目さんなので、エンタメ作品として見れる。イタリアまた行きたいな〜。

otocoto.jp

名探偵ポアロベネチアの亡霊 

 ケネス・ブラナーの『名探偵ポアロ』シリーズが好きで追いかけてる。古典ミステリーなので目新しさはないけど、だからこそ安心して見れるのがいい。私にとっての「こういうのでいいんだよ」。このシリーズは毎度キャストが豪華で、今回はまさかのミシェル・ヨー出てきて興奮した。イタリアまた行きたいな〜(2回目)

www.20thcenturystudios.jp

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン

 このシリーズも好き。ダニエル・クレイグが楽しそうなのがひしひしと伝わる。相変わらずキャラクター全員変人で、現代が舞台なのに絶妙に奇妙。でもトリックはきちんとしていて古典的、オチもすっきりしてるしサクッと見れる。お手軽ミステリー映画としておすすめ。

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ディア・エヴァン・ハンセン

 来年ミュージカル見るつもりなので予習のために見た。嘘ついて後に引けなくなる話とは知ってたけど、なるほどこういうオチかと納得した。高校生らしい若気の至りや、周囲の目を気にする息苦しさを思い出して胸がぎゅっとなる部分もあれば、これはアメリカ特有だわ〜と違いを感じる部分もあって興味深かった。エイミー・アダムスが本当に素敵。ぐっしゃぐしゃになった母親の姿が痛々しいぐらい上手かった。

www.cinemacafe.net

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー

 字幕版を機内エンタメで見た。おもしれ~~~!深く考えずに見てほしい、脳直でおもしろいから。個人的にはマリオよりピーチ姫をどう動かすか気になってたけど、なるほどという感じ。かわいらしすぎないけどちゃんとプリンセスしてて、アニャ・テイラー=ジョイめちゃくちゃ良かった。マリオシリーズの売上が伸びたのも分かる。見るとプレイしたくなった。

www.nintendo.co.jp

おわりに

 今年はリアリティショーをあまり見なかったな。海外ドラマは面白すぎると制作側がずるずる続編作ってしまうというのが嫌で、Netflixリミテッドシリーズや映画しか見れない体になってしまっている昨今。来年も通勤時間をフル活用していろいろ見よう。

2023年始めてよかったこと・買ってよかったもの

はじめに

 年末になるとこの手の記事が増える。人のは読むと楽しいし、意外な発見があったりするので好き。私自身はモノより思い出派なので振り返るほどの買い物はしてないけど、せっかくブログ始めたので私も見よう見まねで書いてみる。(土佐日記みたいな言い方になってしまった。)

 

始めてよかったこと

マシンピラティス

 これはマジでよかった!マンツーマンでやってるから高いけど、先生大好きだし毎度しっかり教えてもらえるので、価値アリと思って最近またレッスンチケット買い足した。

 元々興味を持ったきっかけは雑誌『TARZAN』。載ってる女性芸能人が高確率でやってて、しかもメインのスポーツ(ダンスやら格闘技やら)にプラスしてって形が多かったのが不思議だった。体幹は確かにどんなスポーツするにも必要な基礎だよな、きれいな姿勢は一生ものだよな、と惹かれ始めて私もやってみることに。

 しかし、日本人向けのところに行ってみたものの、インストラクターが若干スピってて無理だったので挫折。(宗教ベースのヨガと違い、元ダンサーのおっちゃんが考えたリハビリベースのエクササイズっていう点に魅力を感じたのに、指導者がエナジーとか言い出したらマジ無理……。)

 それからしばらくして、今年ようやく見つけたローカルのスタジオ。これが大当たり~!まず先生が優しい。英語だからたまに混乱するし、期間が空くと教えてもらったこともすぐ忘れるけど、いつも辛抱強く実演して教えてくれる。なにより説明が論理的。「ここに力を入れるとここの筋肉が~」「ここは脱力しないとここを痛めて~」とか、説明の仕方が整体っぽい。激しい動きはないけど毎度一時間終わるとヘロヘロになって、静かに動く・止まるがいかに難しいのかってことを実感させられる。

 劇的な変化はないけど、O脚が目に見えて改善してきてるし、何より定期的に正しく体動かすのはめちゃくちゃ楽しいので、しばらく続ける!

海外旅行

 長々ブログにも書いたので自明だけど、久々のヨーロッパ超楽しかった!コロナ禍中は当然どこにも行けなかったし、最近はマレーシアやらベトナムやらアジア圏しか行けてなかった。10時間以上飛行機に乗る旅行は本当に久しぶりで、その苦痛を乗り越えた先の、現地で爆発するようなトキメキをようやく思い出せた。また冒険心に火がついたので貯金して旅行するぞ~!

インスタグラム

 いまさら~!でも今年始めた。ずいぶん疎遠になってた人とも再びつながれたり、新しい人とつながるきっかけになったりした。Twitterが実質死んだ今、ニュースを仕入れるにも便利。リール文化にも追いついたよ!TikTokは未履修ですが……。

サイクリング

 この年末からシェアサイクルに登録して、数年ぶりに自転車乗ってる。楽しい!ビーチ沿いの自転車専用道を何も考えずに走ってると、日光浴びつつ海風を感じて頭がすっきりする。朝イチ走った後、家帰って気絶してゲームしてひきこもるので、結果的に健康的かどうかは微妙だけど。少なくともこの狭い国で新たな楽しみを見出せたという意味では良かった。雨季なので天気と相談しながら続けたい。

マッチングアプリ

 既に退会したしもうやらないけどね!久方ぶりに新しい友達が欲しくてやった。結果いろいろあったけど、普段一人じゃ行かないとこにも行けたし、きちんと友達もできたし、自分の生き方を見つめなおすきっかけにもなったし、総合的には良かったと思う。

低用量ピル

 マジのマジで最高!もちろん体が慣れるまでの間は不正出血やら体の不調やらあったし、服用中は各種リスクが伴うけど、それでも最高!!

 一番は生理期間を自分でコントロールできること。一時帰国や大きな旅行は絶対に日程を動かせないので、かぶった時の絶望感たるや。(日本なんて風呂目当てで帰ってるも同然なので。)でも飲んでると何も心配いらない!私は本当に経血でいろんなものが台無しになった経験があるので、何も心配いらないことが言いようもないほど嬉しい。この全能感のために課金してる。あとは具(伝われ)が生成されないので例えばくしゃみした時の「あ、出た」みたいな、ふいの不快感に悩まされなくなったり、腹痛が減ったり。頭痛は私の場合あまり変化ないけど、閃輝暗点とかたまに発生する質なので仕方ないかもしれない。

 いろんなリスクはあるけど人は何してても死ぬときは死ぬし、だったら生きてる間快適に過ごしたくない?と私は思う。血栓が怖いから健康にますます気を遣うようになったし、むしろ私の体にとっては良いことのようにも思う。

 

買ってよかったもの

アクセサリースタンド

 外出時は必ずネックレスを付けるぐらいネックレス好き(トイレの鏡を見るときニヤッとしたいじゃない)。だけど数が増えるにつれ、箱に入れると絡まるのが悩みだったので、T字型のスタンドタイプを購入。しょっちゅう使えばホコリかぶることもないし、外したらかけるだけでいいので本当に楽。あと引き出しと違って常に机の上にあるので、好きなキラキラがいつも目に入ってテンション上がる。イギリスで買ったネックレスとか一生見てられる、最高。ネットで800円ぐらいだったけどいい買い物した~。

エルゴノミクスキーボード

 要は人体工学に基づいて作られた、うねうね型のキーボード。仕事用に購入。最初は打ち間違えるけど、慣れると快適!私は肩が巻きがちで、寝るときに「なんか胸部がギュッと縮められるような感覚がする」とか感じることがあったけど、タイピング中もきちんと胸部を開いたままの姿勢が保てるようになった。肩こり改善かはちょっと分からないけど、手や胸部の疲れは減った。タイプ音も軽やかで好き。

www.logicool.co.jp

家庭用光脱毛器

 昔サロンで光脱毛して、手足の毛量は減ったけどツルツルはならなかったし、肝心な箇所は元気に残ったまま。なので脱毛したいけどまたサロン通うのはバカバカしいな~と迷ってた矢先、大型セールで安くなってたので購入。ブラウンは他社より痛いって口コミも見たけど、これしかこっちに売ってなかった……。でも個人的にはサロンでやってたのこれぐらいの強さだと思うので平気。サロンと違って毎月バシバシ当てられるので、目に見えて効果が出ている。いきなり自分でやるのは勇気いると思うけど、過去に脱毛サロンでやったことある人とかならお勧めできる。

www.braun.jp

古着いろいろ

 今年はめっちゃ古着買った!!冬服が旅行に必要だけど常夏の国だと割高だな~、じゃあ古着屋で調達しよう!とチャレンジしたのがきっかけ。意外にも質がいいものが手に入って感動して以来、福袋ぐらいの気持ちで買って楽しんでいる。

 しまむらやハニーズやGUが存在しない、「ダサくて粗悪で安い服」か「おしゃれで粗悪で高い服」か「おしゃれで上質で超高い服」しか売ってない市場に常日頃絶望してたので、それなりのデザインがそれなりの値段で買えるのは本当に助かる。保存状態も悪くないし、一度洗ってから着れば全然気にならない。ただオンラインだとサイズの当たりハズレがあるので(そして古着なので返品不可)、3着買って使えるのは1着とかいうことはままある。それでも定価より断然安いけど。今年は旅先でも古着屋チャレンジできて面白かったな。定価だと挑戦しづらいようなデザインも「まぁこの値段なら」で手に取れるのも嬉しいし、それが意外な自分の発見につながったりする。服は日本で買うのが間違いなくベストだけど、どうしようもないショッピング衝動を癒すうえで古着は自分的最適解!

ミニ枕

 マイ「機内持ち込みスタメン」の新メンバー!(他はメディキュット、ストール、ノイズキャンセリングイヤホン、NetflixNintendo Switch)こいつがいるだけで快眠度が違う!

 私はネックピローが無理で、首がしまるし暑くなるしで絶対に使わない派。代わりにミニ枕を持ち込んでる。50cm幅というと大きそうに聞こえるけど、A4サイズが入るリュックなら全く問題なし。綿だから最悪押し込めばなんとかなるし。首や腰に挟む以外で一番快適だったのが、テーブルに置く方法!つまりは学生が授業中にうつ伏せで寝る感じになるけど、これを腕でやるとしびれるし疲れる。でも枕があれば気にすることなく夢の世界へ!エコノミーしか乗れない民にはこれ最高の答えなのでは?と私は思っている。みんな恥ずかしからずに枕を持ち込め~!

 ちなみにこいつ、機内に限らず家でも、抱き枕代わりにしたり、椅子の合間に入れて腰のサポートに使えたり、なかなかどうしていい仕事する。確かマレーシアで買って500円もしなかったぐらいだけど、これはマジでいい買い物だった。

 

おわりに

 たぶんもっといろいろ経験した・買ったんだろうけど、特別思い出せるのはこの辺かな。中国語のオンラインレッスンとかムエタイ体験とか、やって失敗したこと・失敗した買い物もあるけれど、総合的にはいい一年だったんじゃなかろうか。始めてよかったこととは違うけど、新たな始まりという意味ではやっと正社員にもなれたし!これは本当に大きな一歩だった。医療保険も入れたし、移住4年間を経てやっと生活基盤が安定した気がする。これからも楽しみつつ、5年目もいい年にするぞ!

イギリス旅行7泊10日(4)周辺都市観光

はじめに

 行ってからだいぶ時間が経ってしまった……。それでも書かないよりいいだろうと、自分の気持ちを立て直して書く。(日記とか続けられない性格がモロ表れている。)

 大好きグリニッジの他、今回のイギリス旅行ではウィンザー城・ストーンヘンジ・オックスフォード・バースも訪れることができた。先の3つはバスツアーに参加しての周遊。バースもツアーに組み込まれがちだけど、「もっとゆっくり見たかった」という感想がオックスフォードより多く感じたので個人で行くことにした。交通の便も良いし。あと、Netflixで『プライドと偏見『エマ』『説得』を見て、バースの景色に憧れたことも理由。正直ジェーン・オースティン作品は刺さらなかったけど、ロンドンやエディンバラとも全く違う街並みを、ふらふら散策したいと思うきっかけになった。

ウィンザー

 またNetflixの話をするけど、今回は『ザ・クラウン』を見てから行ったので、こういう王室関係はテンション爆上がり。内装はバッキンガム宮殿よりは慎ましやかで、なるほどもう少し住居機能を重視したのかな?という感じ。(とはいえ超豪華、日本刀も飾られていた。)屋内の写真撮影厳禁だったので紹介できないのが残念。窓からイートン校が少しだけ望めるのは「これドラマで見た景色!」と興奮した。

ウィンザー城内にて。ここは立入禁止なので門の隙間から撮影。

 周辺の街並みもロンドン市内ほどごちゃごちゃしてないし、過ごしやすそうな城下町という雰囲気。エリザベス女王がお好きだったのも納得~と何様目線かでふんふん言いながら散歩した。

ストーンヘンジ

 デカい、広い。(アホみたいな感想やな。)世界遺産でパワースポットということぐらいしか知らないまま行った。移動中にWikipedia斜め読みしたし、現地で音声ガイドも聴いたけど結局よくわからず。でもこういう「ちょっと不思議」感がめちゃくちゃイギリスっぽいとも思った。

 見た目通り広いので、ウォーキングにはちょうどいい。バス移動が長かったので、いい気分転換になった。あとビジターセンターで買ったジュースがおいしかった。お土産にはTシャツと靴下を買って、今も常夏の国で愛用している。

 余談だけど、母が大昔に訪れていたようで、当時の同じような位置で写真撮影して見比べてキャッキャしてた。そっちの方が楽しかった。

オックスフォード

 やはり世界トップレベルの頭脳が集う街ということで、すれ違う人みんな頭よさそうに見えた。でもフローレンス・ピューの「私はあそこ出身なだけで、頭の良さは違うからね」っていう発言を思い出して、本当は彼らもただの地元っ子かもしれないと思うとちょっと笑えた。

 とはいえ、同じ学生街でもグリニッジに比べると重々しい感じがしたのは事実。やれ王が生まれた場所だの、やれ高名な学者がどうのだの、歴史的価値が高いかつ学術的意義の深い建物が多いとこうなるのも無理ないのかも。

 ガイドさん曰く「学生は周辺の寮で教授と寝食を共にしながら学ぶ」らしい。カスみたいな卒論ですら苦しんだポンコツ文系からすると想像を絶するけど、本気で学びたい人たちには喉から手が出るほどほしい環境なんだろうな。

大学敷地内。左手が英国第二位の蔵書数を誇る図書館らしい。

 ところで街を訪れた時、私はだいたい直感的に住める・住めないとか判断するきらいがあるけど、なんとなくここは無理かなと思った。ロンドンも住めないと思うけどそれとはまた違う感覚で、なんというかうっすら高飛車な気を感じた。完全なる個人の感想だし、おそらくこの街も私に住んでほしくないと思うけど。(よそ者から見た出町柳みたいな……これも怒られそうな表現か。)

 そんなこと考えつつ、頭よさそうなデザインのセラミックコースターを買って帰った。母と叔母はでかでかとオックスフォードと書かれたアパレルを息子たちに買っていた。土産物は充実しているのに、立ち寄ったカフェのカンノーロとボンボローニは美味しくなかった。これもまたいい思い出。

バース

 見どころはやっぱりローマン・バスとロイヤルクレセント。

 ローマン・バスは音声ガイドを聴きながらゆっくり回った。驚いたのが、有名な大浴場(下の写真)はほんの一部で、むしろ敷地内の他の建物や地下にこそ当時の生活を見られるということ。垢すり処やマッサージ室やサウナがあったりして、なんだスパワールドじゃないか。同じ風呂文化を持つ民として、一人でへぇへぇ言いながら大いに楽しんだ。(せめて『テルマエ・ロマエ』読んどけばよかったかもしれない。)

 入浴できないけどお湯は沸いてるので、試飲コーナーが別途用意されていた。しかしまぁこれの不味いこと不味いこと!血みたいというか、鉄分が過分な味がしてとてもじゃないけど料理にも使えなさそう。体にはいいのかもしれないけれど。なにより世界各国から来た観光客がみんな一様にウェッて顔してておもしろかった。

 ちなみに売店で茶葉を買って帰ったけど、バッキンガム宮殿で買ったやつよりおいしかった。風呂屋に負けてんぞ、がんばれ王室。 

ローマン・バス。入浴は無理だけど今もボコボコお湯が沸き出てる。

 ロイヤルクレセントでは特に何をするでもなく、周囲を散歩した。今も実際に人が住んでるので、宅配便が来てたり、配管工事の人が出入りしてたり、歴史的建造物なのにとても生活感があった。住んでる人たちは大金持ちばかりなので、みなさん身なりは良かったという点は別として。なんにせよ、これこそドラマや映画で見た景色であり、私が今回見たかったものなので感慨深かった。

横から見たロイヤルクレセント。歴史的建造物にして現役高級住宅。

 エディンバラのゴツゴツ感をレベル100とすると、バースの建物はどれもレベル1のつるぺた感。(オックスフォードはレベル60ぐらい?)あと長崎並みに坂道が多い。駅からロイヤルクレセントまで歩いたけどじんわり汗ばんだ。同じ国でもこんなに個性があるのかと知れたのは、遠方まで足を延ばした甲斐があったな。

 食べ物に関していえば、サリーランで名産バンのカリカリベーコンのせフレンチトーストを頼んだ。甘じょっぱくて、見た目より重くないパンでおいしかった。セットのミルクティーとよく合った。(こういう小さな店でもさらっとリーフティーがポットでサーブされるところがめちゃくちゃ英国。ラブだ~)

Sally Lunn's にて。隣でお茶会しているマダムたちが素敵だった。

 同じく有名なバースバンは、買って帰って帰りの電車内で食べた。こちらも軽めのパンで、私には氷砂糖が若干くどく感じたけど、総合的にはおいしかった。

 冒頭のとおり、バースはジェーン・オースティンの影響で訪れたわけだけど、ジェーン・オースティン・センターには立ち寄らなかった。というのも、当日なんらかのお祭りだったのか、彼女の作品に出てきそうな恰好(当時の中上流家庭の娘さんたちのフリフリドレス+ボンネット)をした人たちが集まっており、それを見ただけで満足したから。あれだけのファンを見た後では立ち寄りづらい。でもそんな珍しいコスプレを見れたので、これはこれで満足。

 ついでにファッションについていうと、バースはロンドンに負けず劣らずおしゃれだと思った。高級住宅街の影響かお高目なブランドがずらっとそろっているだけでなく、お手頃な古着屋やセレクトショップも充実していた。感動したのが古着屋で、穴場なせいか「このブランドがこんな値段!?」みたいな古着がかなりあった。ロンドンより安いしおすすめ。私も実際に何着か買って、ある店では「あら、素敵なチョイスね!」と優しい店員さんとお話できたり、すごくいい思い出になった。(ロンドンの古着屋も楽しかったけど、いわゆる都会の店員さんでちょっと怖かったんだよね。)

 バースまで乗ったのはGreat Western Railwayという緑色の長距離列車で、日本の新幹線より簡素だけど広々した車内が快適だった。平日朝イチと昼間の便だったからかかなり空いてたし、車窓から見る風景も田舎らしい緑が続いてて、ちょこっとコッツウォルズ方面も垣間見れた。電車旅にはもう一度挑戦したいな。

おわりに

 こんなに書いておきつつ、総合的な感想はどこも「一回行ったから満足」と、グリニッジやロンドンよりはあっさりしたものだったけど、逆に言えば「一回は絶対行っておきたかった場所」なので、とても楽しかった。特にバースは当初の目論見通りゆっくり散策できたので大満足。

 だらだらと書きあぐねているうちに、次のイギリス旅行も決まりそうでワクワクしている。こんな風に感想を残しておくと、次回の私と比較できて楽しみだな。

 そんなこんなで、2023年イギリス旅行編はこれにておしまい!

シンガポール版『イントゥ・ザ・ウッズ』を観た

はじめに

 シンガポールのSingtel Waterfront Theatreで、『イントゥ・ザ・ウッズ』を観てきた。これはワールドツアーとかではなく、完全にシンガポールのプロダクション。版権買ってローカルが演出してローカルが出演してる。もう上演期間終わっちゃったけどよかったので、今後も頑張ってほしいと思うプロダクションだった。(寄付募ってたので経済的には苦しいみたいだけど。)

pangdemonium.com

 そもそも観たいと思ったきっかけをいうと、

  1. Netflix『チック、チック…ブーン!』を見てソンドハイム作品に興味を持った。(ジョナサン・ラーソンの方じゃないんか、というツッコミはさておき)
  2. ミュージカル紹介系動画でこの作品の曲が「とにかく難しい」「言葉が多いし音程のアップダウンが激しい」「絶対オーディションで歌うな、自殺行為だぞ」としょっちゅう取り上げられてたので気になっていた。
  3. 日本版は悪い意味でヤバイとTwitterですさまじく批判されていたので、いつか英語で観たいと思っていた。
  4. ちなみにディズニー版は「あくまでディズニーの息がかかってるのでこれは違う」というオタクの声を聞いていた。
  5. YouTubeで初演版を見て、これはぜひ一生に一度生で観なければと思っていた。でも米国内ぐらいしか公演が見つからなかったのでほぼ諦めていた。

    Into The Woods - YouTube

  6. そんな中、ウエストエンドで観た『レミゼ』のエポニーヌ役がシンガポール人であり、まもなく契約終了で帰国し、今作にシンデレラ役で出演することをインスタで宣伝していた。

    Login • Instagram

特に(6)は、「アジア人がウエストエンド最前線で活躍している!それも納得の技術力!」と打ち震えて印象に残った役者さんだったので、こりゃもう行くしかないなと運命を感じ、即チケット購入したという流れ。

 あと、今回の会場がマリーナベイサンズ(MBS)じゃなかったことも観劇を決めた理由として大きい。これまでベイサンズシアターで『アナ雪』と『サウンドオブミュージック』を観て、観客の民度の低さに辟易したのでもう二度と行かないと心に決めていた。(MBSの客は金はあるのにマナーや良識がない。観劇中に不快な思いをするぐらいなら、貯金して大枚はたいてWEやBW、なんなら日本で観る方が何百倍も精神衛生上いい!)MBSが唯一の劇場だと思って「この国に舞台芸術は無いんか!」と絶望していた矢先の発見だったので嬉しかった。実際、来ていた客層はミーハーな人より演劇好きそうな人が多くて安心した。途中で一瞬スマホ鳴らしたボケもおったけど。。。

演出

 YouTubeをヘビロテしてたオタクなので、どこまで初演版に寄せてくるか気になってたけど、概ねそのまま持ってきつつ新しいことに挑戦していた。

 新しいことというのは、例えばプロローグの魔女パートが一部ラップぽくなっていたり、ラプンツェルと魔女のくだりが少し増えていたり、白雪姫と眠り姫を登場させていたりといったところ。ラップは正直うーんと思ったけど、時代に沿った方がウケるという意図も分かるしなぁ。白雪姫と眠り姫はセリフなしだったけど、学生さんが実際に板踏めるのはデカいので素敵な考えだと思った。若手ぜひ育成してくれ。

 それと、牛を人間にしたのは大きな変更点!顔芸で笑わせてくるのがすごい。前述のラップしかり、主題がかなりダークなだけに演出をコメディテイストに振り切っているのが今回のプロダクションだけど、牛はその中でも一番の道化。「喜劇を見に来たわけじゃねぇ!しっかりやれ!」とギリギリならないライン、主題を壊すことないレベルでしっかり笑いを盛り込んでくるのは新しくておもしろかった。これぐらい軽い方がやはり大衆ウケはいいと思う。

 あと個人的にいいなと思ったのは、垂れ幕で場面分けしていたところ。プロローグの場面で、初演版は物理的にフレームを作ってシンデレラ一家・パン屋・ジャック一家を区切っている。そこを今回はフレームなしで、両家を左右一番前、パン屋を舞台真ん中後方に配置して、各人の背景絵を背後に垂らすことで、簡素だけどしっかり場面分けできていて面白い発想だと思った。

 階段ではなく、スロープを採用しているところもユニークだった。初演版の舞台は二段に分かれている(若干の段差がある)けれど、今回は段差が大きいけど横幅の狭い足場を後ろに作って、その行き来を石段とスロープでできるようにしていた。石段を上り下りすればえっちらおっちら森を探索している雰囲気が出るし、スロープから滑り降りてくれば焦った演出を安全にやれる。顕著なのがシンデレラのずっこけシーンで、初演版はかなり派手に転んでるけど(あれはあれで体張っててすごい)、今回のズサーッと滑ってくるシンデレラもこれはこれでかわいい。

 それに何より、全体をT字に組めるのは二階席のない小劇場ならではだな~と感動した。大きな舞台だとキャストの安全的に無理だろうし。バタバタ走ってくる音も含めてしっかりと演出に組み込まれていた。ジャックや牛がドタバタ走るのは耳にも目にも楽しかった。

キャスト

 元エポニーヌことシンデレラはさすがの歌唱力だった!小声の高音も外すことなくピタッと出してくれるし、ソロは会場を包み込む声量!はにかんだ時の笑みがプリンセスらしくてかわいい!ただ、今作のシンデレラってどっちかというと頭空っぽで「善き人でいればいつか報われる」と信じて思考を放棄した他力本願女なので、あなただとどうしても賢さがにじみでてますね……と感じた。エポニーヌの印象が強すぎたのかな。でも意志強いキャラの方が似合うと思うな~。とにかく役者としては好きなので、今後も応援していきたい!

 シンデレラの王子は彼女に合わせたのか、そこそこできる人でよかった。高慢さが腹立つぐらい似合ってた。狼はちょっと圧が足らんかな~、これならそもそも婆さん負けなさそうと思ったけど。

 魔女は初演のバーナデット・ピーターズ御大をかなりリスペクトしてることが分かった。残念ながら彼女には及ばない(比べたらアカン)けど、重要なポイントでは面影をみることができて、きちんと愛をもって取り組んでくれていることが分かってよかった。

 パン屋夫婦めっちゃよかったな~!妻は歌がちょっとか細めで説得力なかったけど演技がよかった。喜怒哀楽の移り変わりが激しいキャラだけどクオリティが安定してた。というか、ベイカーが良すぎて!シンデレラとこの人だけで評価点跳ね上がってしまう。歌上手いし演技上手いし、特に親父と最後の会話で本気で泣いてるのがグッと来た。頼りなかったところから苦難を乗り越えて成長していくベイカーがしっかりとそこにいた。それを見守る親父、というか狂言回しは、その存在だけで舞台全体がしっかり引き締まってたからすごい。さすがプロダクションの責任者やわ。

 赤ずきんもいい役者やった!私は初演版よりこの人の方が好きかも。キンキンしやすい声質が選ばれるキャラやけど、きちんと歌いながら演じてて、自分は大人だと思ってるけどまだまだ子供な性質がよく表れていた。ジャックも同じ立ち位置やけど、こっちはちょっと声質的に歌がしんどそうだったな。。。おバカな演技はめちゃ似合ってた。

 一番残念だったのがラプンツェルの王子。パンフレット曰く「昼はエンジニア、夜は役者」らしいが、両立できてなくない?と首をかしげてしまった。声量がシンデレラの王子に完全に負けてる。二人でしっかりハモってこその『アゴニー』なんだが……。役者一本で食っていけるようになれるといいね。

 あとシンデレラの母もちょっと不満が残った。あれはぜひ原曲キーで歌ってほしかったな。高音が出てこその木の精、精霊っぽさの表れだと思うの。婆さんと巨人の演技はよかったよ。

おわりに

 9月にウエストエンド、10月に大阪で『アナスタシア』を観た後だったので期待しすぎないようにしていたけど、下げていた期待値よりは上の体験ができたのでよかったなというのが結論。いろいろ書いたけど、非難轟々だった日本版よりは絶対にいい出来だからね!絶叫シンデレラに耳が痛くなる赤ずきんとかいなかったし。(観てないけどほんまどういうことやねんな。)

 なによりやっと国内でまともな観劇体験できたことが本当に嬉しい。この国にも舞台オタクはおったんや……!まだまだ若いプロダクションなので、今後もぜひ応援したい。来年は『ディア・エヴァン・ハンセン』やるらしいので絶対観るぞ。

イギリス旅行7泊10日(3)ミュージカル『BTTF』観劇

はじめに

 最近人に会うたびこの旅行の話をしてるけど、中でも必ず伝えてるのが「ウエストエンドに行ったらミュージカル『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観てくれ」ということ。悲しいことに、大体の人がそもそもミュージカル化してることを知らない。ウエストエンドで始まったのが2020年初頭で、その直後コロナ禍に見舞われてしまったからというのが大きな原因みたい。実際、私が見た平日昼間は前方の座席にも空きがあった。悲しすぎる。今回旅行中に『レ・ミゼラブル』『マチルダ』も観て、過去に『マンマ・ミーア』『ウィキッド』もウエストエンドで観たけど、個人的に一番深く刺さったのが『BTTF』なので紹介も兼ねて語る。ブロードウェイ版も上演始まったらしいので、本当に全世界観てくれ~!

※当然ながら映画のネタバレは含む。SF映画の金字塔なのでぜひ見てほしい。

演出

 まず劇場に入ってすぐ、目に飛び込んでくるのがこの光景。

Adelphi Theatreの内部。アトラクションと見まがうほどの豪華さ。

思わず「スペースマウンテンか!?」と口から出た。BGMとして流れてるのは、チッチッチッという時計の針の音。ここでまずテンションが爆上がりする。いざ始まると、あの有名なメロディーが生オケで流れてくるから、座席から吹っ飛びそうになる。

 そして……やはり一番の目玉はデロリアン!実物の車体がプロジェクションマッピングという現代テクノロジーを味方につけて、文字通り駆け抜ける爽快感!

 このプロダクションが素晴らしいのは、「舞台上で上手く表現できないことはやらない」という方針を採用したところ。例えば、パンフレットに書いてあったけど「犬と子どもは扱いが難しいので、アインシュタインと叔父は削除しました」とか「カーチェイスと銃撃は無理があるので、放射能汚染に変更しました」とか、絶対に無理をしていない。おかげで変な引っ掛かりや見苦しさを感じることなく観劇できる。一方で、「ここ!」という原作シーンはそのまましっかり再現。ビフを倒すシーンや、ジョージとロレインのキスシーン、何より感動したが終盤ドクの足元から火が出るシーン!(映画見た人なら分かる。)観客が思うここは絶対見たい!というシーンを余すことなく再現してくれているので、大満足の拍手喝采。それもこれも、原作映画に関わっていた人起案で制作しているからこその丁寧さで、本当に心底惚れ惚れする。

 ここまで読んで、観る楽しみが減ったと心配しなくても大丈夫、演出全部バレはしてない。もっとすごいシーンが最後の最後まである。ミュージカル『美女と野獣』もそうでしょ?この作品も、劇場がどよめくレベルの驚きが最後まで待ってる。

キャスト

 どのキャラクターも本当に原作どおり。特にマーティ・ドク・ジョージ・ゴールディウィルソンの4名は、日本語吹替版の声を思い出すぐらいそっくりそのまま!ジョージの笑い声は会場がざわっとしたぐらい。

 当然みんな実力者で、例えば私が観た時のマーティ役は『ジャージーボーイズ』でフランキー・ヴァリ役を務めた若手。劇場の広さを感じさせない圧巻の歌唱でしびれた。ドクもコミカルさそのままに、これまたテクノロジーをふんだんに使った歌と踊りで終始ニヤニヤしてしまう。

 面白かったのは、ロレインの肉食っぷりが輪をかけて増していたこと。映画版はキスを迫るぐらいだったけど、舞台版はそのまま押し倒して完食しそうなレベルで肉食系女子。目の前まで寄られてパンツ凝視されるマーティがかわいそうで、みんな爆笑してた。(お子様向けではない演出だけども。笑)

 ちなみに、私が一番推したいのはゴールディウィルソン!!そう、ダイナーの掃除係から市長に成り上がるあの黒人のナイスガイ!!もうめちゃくちゃ歌がかっこいい。演じているのはイギリス人だけど、アフリカンアメリカンに期待するあの歌い方・声量・踊りがどれもパーフェクトに再現されてて、映画でも印象的だったキャラクターだけどさらに際立ってる。パンフレットによると、オバマ大統領の登場など映画公開当時よりも黒人の人気(というか社会的地位)が格段に変わったことを踏まえて、このキャラクターにぜひ歌わせようよ!となったかららしい。いや~英断。サントラでもTOP3に入るぐらい大好きな曲です。歌詞が本当に勇気づけられる。ほうきを使った踊りもキュート!

おわりに

 これをもう一度観るためだけにロンドン行きたいぐらい、心の底からハマった。Tシャツとパンフレットだけ買って帰ったけど、今度は諸々買い占めて帰りたいな。。。

 これを読んでもし気になった人は、ぜひサントラを聴いてほしい。ストーリーの復習にもなるし、わくわく度も高まる。サントラを何十回も聴いて行った人間だけど、実際の舞台は想像以上にぶっ飛ぶ出来なのでご安心を。各種ストリーミングで配信されてるよ!

 実際の映像まで確認しておきたい、という人はYouTubeのトレイラーを!

youtu.be

 役者が知りたい人はインスタもあるよ!

https://www.instagram.com/BTTFmusical/

 このプロダクションをマンチェスターからウエストエンドに連れてきてくれたアンドリュー・ロイド・ウェバー御大にはマジで大感謝。先に実現できなかったブロードウェイはさぞや悔しがってると思うよ。

 私の好きなミュージカルナンバーワンの『Back To The Future』をぜひよろしくお願いします!!!!!!

イギリス旅行7泊10日(2)グリニッジ

はじめに

 今回はグリニッジ観光について書く。私個人は今回訪れた街の中でぶっちぎりNo.1に気に入った街。他の都市観光とまとめようと思ったけど、熱く語りすぎたので切り分けた。

カティ・サーク

 突然ゲームの話するけど、『リターン・オブ・ジ・オブラディン』っていう謎解きゲームがあって、こういうイングランド商船が物語の舞台になってる。それを旅行するつい数週間前に遊んだもんだから、実際の船を見て「船員室やっぱり狭い!」「こういう通路探索したな〜!」「航海士や船長の部屋はさすが豪華!格差!」と一人キャッキャしながら歩き回った。肝心の展示内容は時間の都合でサッとしか見てないけど、船好きにはたまらないんじゃないだろうか。


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ロイヤル・オブザバトリー

 いわゆるグリニッジ天文台、教科書に載ってる本初子午線があるところ。みんな線の上に並んで写真撮ってた。他の観光客に写真撮ってくれと頼まれたので手助けしたら、彼らの母国語でブツクサ文句言ったあと自分たちで撮り直していた。なんやねん。

 天文台だから高台にあって、ちょっと息切れするぐらいの坂道を上る必要があったけど、見晴らしはめちゃくちゃ良い。そして全世界の時刻の基準となった場所なだけあって、時計と望遠鏡の展示がすごく充実していた。時計パートは物理チンプンカンプンな私にはとっつきにくかったけど、食い入るように見てる人もいた。

 私がじっくり見たのは望遠鏡の方。昔の望遠鏡の使い方を説明する映像を口開けて見てたら、学芸員のお兄さんが「望遠鏡に興味ある?そこの階段上がったらもっと大きいやつあるよ」とおすすめしてくれた。誰も行ってないけどな?と半信半疑で向かうと、確かにここで一番大きい現代的な望遠鏡があった。めっちゃかっこいいしワクワクするのに私以外誰もいない!みんな本初子午線ばっかり気にしてる!もったいない!窓から身を乗り出して宣伝したいぐらい、私には刺さった展示だった。見終わってお兄さんにお礼言いたかったけど、同僚とお話されてたのでチキって何も言わず立ち去った。ちょっと後悔。

 大気汚染が進んで今となっては天文台本来の役割は終えてしまっているけど、たまに一般向けに天体観測イベントを開催してる模様。住んでたら絶対行ってる……。大昔は星月学園の紅一点だったから星の話は今でもヨダレが出るぐらい楽しい。(またゲームの話してる。)
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コスタコーヒー

 昔飲んだホットチョコが初海外旅行で荒んだ心にしみたことがあり、以来コスタのファン。久しぶりに飲んだホットチョコ(生クリームトッピング付き!)は相変わらず甘くてホッとした。川沿いを散歩してちょっと冷えた体がたいそう喜んでいた。

ペインテッドホール

 大学構内にあるホール。有料だけど観光客もずかずか入っていける。正直、時間的に行くか迷ったけど「絶対見た方がいい」ってGoogle先生が言うもんだから行ってみた。確かにその通りだった!チケットはそんな安くないけど、これの保存のためなら全然払うよ〜!と思わせられるほどの出来。圧倒されるとはまさにこのこと。オーディオガイド聞きながら口開けて天井見上げてた。写真じゃすごさが全然伝わらないのが悔しい。午前中だからか人が少なかったんだけど、静謐な空間で腰掛けてガイド聞いて鑑賞できるのはめちゃくちゃ贅沢な時間だった。昔行ったヴァチカンとはまた別の感動があったんだよなぁ。一回見たけどまた絶対行くよ!

 そもそも英語でグリニッジ(Greenwich)を調べるとすぐここがオススメされるのに、日本語だと全然検索に引っかからないんだがなぜ?日本語のオーディオガイドもあるので、めちゃくちゃ良かったのでみんな行ってほしいよ。

Painted Hall - Old Royal Naval College

 大学自体もレミゼをはじめ様々な映画の撮影に使われてるようで、もっと構内をじっくり見かったけど本当に時間がなかったので駆け足で通り過ぎた。

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グリニッジマーケット

 駅近でぶらぶらするのにちょうど良かった。コヴェント・ガーデンやオールドスピタルフィールズに比べたら、かなりこじんまりしてるので穴場。ストール出してる人たちもみんなのんびりしてて商魂弱めなのがまた良い。私はここでパールのネックレスをゲットして帰ってきた。都心で見るよりお値段もかわいかったので、グリニッジに行くなら立ち寄ることをオススメしたい。フードワゴンもいろいろ出てた。

おわりに

 イギリス国内で初めて「ここなら住める。というか住んでみたい!」と思った街。もし留学するならここがいいと思ったぐらいめちゃくちゃ気に入った。大学周辺を主に歩いたからか、歴史ある厳かさと学生街らしい若さ、でもきちんとした大学だからチャラチャラしてない程よい雰囲気があって、そこに惚れ込んだ。ペインテッドホールに行くために大学敷地内を歩いた時、音大生の演奏が漏れ聞こえてきて、ここのことは全く知らないはずなのに「この学生っぽい感じ知ってる」って胸がキュンとした。立地条件も歴史も全然違うのに、石造りの洋館に母校の面影を見出して懐かしい気持ちになった。(グリニッジ大学は平地。)

 この数日前に訪ねたオックスフォードは、その権威が滲み出したような重苦しさと知性の香りがあって、それはそれでかっこいいんだけれどもストレスなくに住めるのはグリニッジかなというのが個人の意見。ロンドン都心にも電車やボートですぐ行けるし、グリニッジ自体にもこじんまりしたシアターもあったし、ミュージカルオタクには嬉しい。

 半日しか設定しなかったのは割と悔やんでいる。ミュージカルの昼公演を取ってたから、国立海洋博物館とビジターセンターは外観しか見れなかった。ビジターセンターは大学内なのにクラフトビールが飲めるとあったのでぜひ寄りたかった。次回チャンスがあれば絶対に行く!f:id:jpmirandasg:20231009091144j:image

イギリス旅行7泊10日(1)旅程~ロンドン観光

はじめに

 人生3度目のイギリス。めっっっっっっちゃ楽しかった!これまでの海外旅行でTOP3に入るぐらい、心の底から楽しかった。時間もお金もめちゃくちゃかかったけど全く悔いなし!めいいっぱい満喫してきた。あまりに楽しかったので、まだ記憶に残ってるうちにキッチリ記録に残したくてこのブログ作ったまである。

 一旦思いのままに書いたら論文並みの長さになったので、複数投稿に分割することにした。マジで語りたいこといっぱいある、今回の旅行。この記事だけでも5,400字ぐらいあるよ。

旅程

 往路が深夜便、復路は早朝便ということで、遊べたのは実質7日間。現地のオプショナルツアーはいろいろ使ったけど、航空券やホテルは自分で予約した。改めて思ったけど、私は団体旅行よりこういう自由な個人旅行の方が好き!

  1. ロンドン観光
  2. ウィンザー城・ストーンヘンジ・オックスフォード(バスツアー参加)
  3. ロンドン観光
  4. ロンドン観光
  5. 半日グリニッジ+半日ロンドン
  6. ロンドン観光
  7. 半日バース+半日ロンドン

 ちなみに、イギリスに限らずいつもオプショナルツアーの予約に使ってるのは「ベルトラ」。日本語で予約して日本円で支払いできる。ミュージカルのチケットとかは英語のサイトでも直接買えるけど、例えば日本語のガイドツアーに参加したい!とかならここオススメ。基本的なラインナップは充実してるし、なにより私個人は今までトラブったことないので信頼してる。

www.veltra.com

フライト

 シンガポールからは直行便で約14時間。自分史上最長のフライトで行く前からずっと憂鬱だったけど、念入りに準備したおかげでそんなに苦にならなかった!通路側の座席に陣取り、装備はいつも通りメディキュット+腹巻+ショール。それと、Kindle・Switch・事前にダウンロードしたNetflix & YouTube。特にSwitchは必携だなと最近思う。フライトの残り時間を忘れて没頭できるので、ゲーマーにとっては一石二鳥。ちなみに、往路で見かけた乗客が普通のクッションを持参しており、なるほど名案と思ってロンドンで購入したのはいい思い出。ネックピローは首が絞まるのが苦手でいつも使わないけど、クッションなら実際いろいろ使えて便利だった。難点はかさ張ることだけかな。

 機内エンタメでは『スーパーマリオブラザーズ』と実写版『リトルマーメイド』が見れたのでホクホク。機内食もおいしかったよ!英国飯に疲れた後、復路で出てきた海鮮やきそばは泣きそうなぐらいしみた。やはり私はアジア人の舌。。。

 唯一の不満は、復路のモニターで手持ちのイヤホンが使えなかったこと。おのれBoeing777-330ER……。往路のA380は航空会社のイヤホンじゃなくても使えたぞ!それ以外にも、A380はトイレも多いし広いし諸々最高だったな。今回はエコノミーだったけどいつか絶対アッパーデッキに乗るぞ!!(宝くじ買うかぁ)

ロンドン

 行けたスポットは下記のとおり。(順不同)

観光

  • ビッグベン
    やっぱり見ておきたいロンドンのアイコン!中には入らず外で写真撮っただけ。以前はリニューアル中で見れんかったけど、新しくなった時計の文字盤は離れて見ても分かるぐらいピッカピカになってた。
  • タワーブリッジ
    同じく外から写真だけ。近くにあったギフトショップがかわいかった。珍しく船が通行して橋が上がってるところ見れたので、ラッキーだったな。
  • バッキンガム宮殿
    2度目の内部見学。ある程度覚えてるからか、余裕をもってゆったり鑑賞できた。
    前もってNetflix『ザ・クラウン』も最新シーズンまで完走していたので、感動もひとしお。写真撮影厳禁なのが惜しまれるぐらい本当に金ぴか宮殿。私が一番好きなのは絵画の間。でもこれが「家」だと思うと全くくつろげないので、やはり私は生粋の庶民。そういえば、ついでに見た馬小屋もおもしろかったな。馬小屋といいつつ、金ぴかの馬車が複数台展示されてたし、ロールスロイスもおいてたけど。戴冠式の馬車はなるほど確かにとびぬけて豪華だった。
  • ウェストミンスター寺院
    ここも以前は工事中だったので、初めて中に入った。めちゃくちゃ広い!そして床は墓標だらけ!あのダーウィンの名前が普通に床にあった。日本人の感覚だと踏むのためらわれるけど、そんなこと気にしてられへんぐらい床に名前が彫ってあって笑った。豪奢な彫刻と天井の高い立派な建築で、思わずため息が出た。戴冠式関係の展示が目立ったのもタイムリーだったな。人のお墓ってこと忘れるぐらいそこかしこに豪華な彫刻が置かれてた。
  • ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
    服飾の博物館といえばここ!私は衣服よりジュエリーに釘付けになった。でっかい色石見るとアドレナリンがドバドバ出て楽しい。ヴィクトリア女王のティアラは、アルバート公とのエピソードも相まって一番印象に残った。あれ生で見れただけで価値があった。他にも彫刻やら絵画やら見るとこ多すぎ。これが入館料タダはほんまに最高としか。あと、この辺に住んでんのかなみたいなマダムたちが内設のカフェで優雅にお茶してるのを見て、私もそんな老後を過ごしたいと思った。
    さらに、この博物館はなんといってもギフトショップが至高。洗練されておしゃれな雑貨たち!手ごろでおいしいクッキー!しかも入れ物かわいい!みんなと同じようにエコバッグとクッキーを買って帰った。
  • 大英博物館
    時間がなかったのと、宮殿やら他の博物館やらを先に見ていたので芸術品の食傷気味だったので、滞在時間はごくわずか。セキュリティチェックがあるとはいえ、入館料タダなので「ミュージカルまでまだ時間あるから立ち寄るか」ぐらいの気持ちでふらっと行けるのはありがたい。こういう時に世界史勉強しとけば良かったなって心底思う。けどその場で気概はないので、速足でエジプトコーナー等々を通過。少なくともモアイとシヴァ神は見た。(特に深い理由はなく、たまたま通りがかったらいた。)日本コーナーが閉まってたのは非常に残念!ギフトショップではなぜか『冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏』モチーフのネックレスがあったので思わず購入。展示品が描かれたタンブラーもかわいかったのでゲットした。

食事

  • ボロマーケット
    噂には聞いてたけど本当に食べ歩き天国だった。パエリア激うま!もっと腹ペコで行くべきだったな。ちなみに鳥めっちゃおったので(しかも全然人から逃げへんし隙あらば飯強奪をもくろんでる。くそっ。)私みたいな鳥恐怖症の人は注意。
  • Brown's Hotel
    念願の本格ホテルアフタヌーンティー!お値段するけど十二分にその価値あり!その理由はお茶とお菓子のおかわりし放題だから!しかも余ったらお菓子は持ち帰れる!最初のサンドイッチから最高すぎておかわりしてしまった。結果、後半のスイーツが食べきれず実際にお持ち帰りしたよ。入れてくれた箱がまた豪華で五つ星のおもてなしパワーにひれ伏した。淹れてもらったお茶も言わずもがな美味しいこと美味しいこと。。。スコーンはもう粉から美味しいことが伝わったし、持ち帰って翌日に食べてもおいしかった。すごすぎ。一番感動したのはスタッフの対応。腰はひけてるし英語は拙いしな日本人に対して、気さくに声をかけてくれて「小エビのサンドイッチだけおかわり?もちろんどうぞ」「お茶なくなっちゃったね。次何にする?」「持ち帰り?OKちょっと待ってね」ってリクエストをするする解決してくれて本当に気持ちよく時間を過ごせた。ヨーロッパでこんなにきちんと丁寧な接客に出会えるなんて。また行きたいよー!
  • Mercato Mayfair
    ミュージカルの昼公演後、中途半端な時間だけど晩ご飯食べたくて寄ってみた。これが大当たり!元教会という厳かな内装に対して、とてもカジュアルでスタイリッシュなフードストールが立ち並んでいてそのギャップに驚く。深く考えずに手打ちパスタを食べたけど、もっっっっっっっっちもちの生パスタだった!フードコートのクオリティとは思えない。レストラン行くより手頃でパブより健康的で最高の一人飯。今回は飲まなかったけど、ワインやジンを取り扱ってるところもあった。ここでお酒飲んだらめちゃくちゃ気持ちいいに違いないので、次回に持ち越し!
  • Seven Dials Market
    上記に比べると見た目のインパクトはないけど、屋内できれいなフードコートだった。メキシカンやらピザやらお酒やら基本を押さえたラインナップだし、コヴェントガーデンに近いので立地は最高。観劇前後のご飯にぴったり。私の場合、ここに寄る前の数日間で洋食、というか小麦粉に飽きていたので我慢できずに韓国料理を食べた。ポンドだと割高~と思いつつも、久しぶりに食べた白米に全身が喜んでた。

買い物

  • ハロッズ
    王道・鉄板と揶揄されてもかまわない。だってかわいいから!行く前から数か月ほどオンラインショップを覗いて悩んでたけど、行ってからもやっぱり悩んだ。右を見ても左を見てもかわいい。でも値段はかわいくない……。結果的に分かりやすいロンドン柄の小さいリュックを買った。地下のデリやパンも充実していたのでよく使った。アジア系のデリもあるし便利。本当にいつ来ても手堅いデパート。
  • リバティ
    特に何を買うわけでもないけど、ついつい立ち寄りたくなる。相変わらずエレベーターが極狭でエスカレーターのない建物に懐かしい気持ちになった。前に来た時も不便すぎてビックリしたな。大半が予算オーバーなアイテムなのでウィンドウショッピングだけにしたけど、上の方にあった本・文具エリアは物珍しくかわいかったのでオススメ。
  • フォートナム・アンド・メイソン
    ド定番、それもそのはず安定の旨さ。「また買うのか」と理性はつぶやくけど、本能は次々とティーバッグを買い物かごに入れてしまう。でも本当においしいから仕方ない。スモーキーアールグレイはやっぱり鼻から煙が出そうな濃い香りがする。お茶以外でいうと、ここのショートブレッドは絶品。源氏パイ的な軽さ(比べていいのか?)なので袋を開けると手が止まらない。
  • パートリッジス
    いかりスーパーのような高級スーパー。全国レベルでいうと成城石井とか?ともかく、ここで買った今年のフレーバーティーがおいしかった。あとデリが最高。でっかいスコッチエッグとでっかいパイとでっかいカプレーゼを買って帰った。あんな肉厚トマトと肉厚モッツアレラは初めて。店員のおじさんに温めをお願いしたら「いいよ。どれ?スコッチエッグ?」「そうです」「パイも?」「ええ(来るかな)」「カプレーゼも?」「そんなわけないやろ(来たわ)」と、きれいな三段オチを見せてくれてウケた。笑いのセンスは国境を越える。ちょっと駅から歩くけど、訪れて損はない。
  • ロンドン交通博物館
    コヴェントガーデン行ったら絶対立ち寄るけど、展示は一度も見たことない。目当てはタダで入れるギフトショップ。どうしてこうカラフルな路線図とか交通ロゴマークってかわいいのかね。ここでエリザベス線のクッション買った。今ではそいつを抱きしめながら仕事してる。
  • TESCO Superstore
    アールズコート駅が最寄りの巨大スーパー。ローカルチェーンの旗艦店なのかな。とにかく手ごろな土産探しに最高。アジアでは見たことないネスプレッソの互換カプセルやビールを手あたり次第買った。インスタント麺も面白そうなものがたくさんあった。ばらまき土産に困ったらここに来れば間違いないと思う。

おわりに

 9月まではバッキンガム宮殿の内部が見学できるので、個人的にロンドン観光は9月がおすすめ。秋も楽しめるし……と言いたいところだけど、今回最初2~3日はヒートウェーブ直撃で30℃以上あった!カラッとしてるとはいえ、暑いと観光が本当にきつかったし、持参した秋服が役に立たず悲しい思いをした。でも旅の後半は25℃前後で秋らしい涼しさに。日陰に入ったときにサッと冷たい風が頬を撫でていくのが気持ちよかったな。

 ファッションとミュージカルについては、思いが爆発するので別の記事に。文化・芸術資本が豊かなロンドンは羨ましいこと限りない!一方で、大英博物館とか見てると「これって帝国支配による強奪の成果よね?つまりはハリソン・ハイタワー3世のコレクションと同様の文脈……?」という雑念が湧いてモヤモヤしたのも事実。(詳しくはTDSタワー・オブ・テラー』参照。)

 そしてこれも余談だけど、V&A博物館とバッキンガム宮殿には日本刀がいた。どっちか忘れたけど、そのうち一振に長船の銘をはっきり見てきたよ。もし彼が日本に帰国したら、きっとそれはそれは英語が堪能でロイヤルでジェントルな刀剣男士になるんだろうなぁと一人ニヤニヤした。

 そうそう、博物館といえばオーディオガイドやけど、どこも大抵スマホみたいな端末になってて感動した!重さはあるから首から下げると重いけど、直感的に操作できるし、高画質で図解してくれるのもめっちゃありがたかった!これは世界的に普及してほしい。

 テクノロジーの進化でいえば、マーケットでもクレジットカードが普通に使えて超便利だった。実際、両替していった現金は8割手元に残ってしまったので、今度行くときは両替あまりしないで行くつもり。電車もバスもタッチ決済クレカでスルッと乗れるし、オイスターカードももういらない。フィンテック最高~!

 ここまで書いてて気づいたけど、完全にまた行くつもりだな自分。貯金がんばろう。。。