空飛ぶ雑草

観た・行ってみた・食べてみたのログ置き場

イギリス旅行7泊10日(4)周辺都市観光

はじめに

 行ってからだいぶ時間が経ってしまった……。それでも書かないよりいいだろうと、自分の気持ちを立て直して書く。(日記とか続けられない性格がモロ表れている。)

 大好きグリニッジの他、今回のイギリス旅行ではウィンザー城・ストーンヘンジ・オックスフォード・バースも訪れることができた。先の3つはバスツアーに参加しての周遊。バースもツアーに組み込まれがちだけど、「もっとゆっくり見たかった」という感想がオックスフォードより多く感じたので個人で行くことにした。交通の便も良いし。あと、Netflixで『プライドと偏見『エマ』『説得』を見て、バースの景色に憧れたことも理由。正直ジェーン・オースティン作品は刺さらなかったけど、ロンドンやエディンバラとも全く違う街並みを、ふらふら散策したいと思うきっかけになった。

ウィンザー

 またNetflixの話をするけど、今回は『ザ・クラウン』を見てから行ったので、こういう王室関係はテンション爆上がり。内装はバッキンガム宮殿よりは慎ましやかで、なるほどもう少し住居機能を重視したのかな?という感じ。(とはいえ超豪華、日本刀も飾られていた。)屋内の写真撮影厳禁だったので紹介できないのが残念。窓からイートン校が少しだけ望めるのは「これドラマで見た景色!」と興奮した。

ウィンザー城内にて。ここは立入禁止なので門の隙間から撮影。

 周辺の街並みもロンドン市内ほどごちゃごちゃしてないし、過ごしやすそうな城下町という雰囲気。エリザベス女王がお好きだったのも納得~と何様目線かでふんふん言いながら散歩した。

ストーンヘンジ

 デカい、広い。(アホみたいな感想やな。)世界遺産でパワースポットということぐらいしか知らないまま行った。移動中にWikipedia斜め読みしたし、現地で音声ガイドも聴いたけど結局よくわからず。でもこういう「ちょっと不思議」感がめちゃくちゃイギリスっぽいとも思った。

 見た目通り広いので、ウォーキングにはちょうどいい。バス移動が長かったので、いい気分転換になった。あとビジターセンターで買ったジュースがおいしかった。お土産にはTシャツと靴下を買って、今も常夏の国で愛用している。

 余談だけど、母が大昔に訪れていたようで、当時の同じような位置で写真撮影して見比べてキャッキャしてた。そっちの方が楽しかった。

オックスフォード

 やはり世界トップレベルの頭脳が集う街ということで、すれ違う人みんな頭よさそうに見えた。でもフローレンス・ピューの「私はあそこ出身なだけで、頭の良さは違うからね」っていう発言を思い出して、本当は彼らもただの地元っ子かもしれないと思うとちょっと笑えた。

 とはいえ、同じ学生街でもグリニッジに比べると重々しい感じがしたのは事実。やれ王が生まれた場所だの、やれ高名な学者がどうのだの、歴史的価値が高いかつ学術的意義の深い建物が多いとこうなるのも無理ないのかも。

 ガイドさん曰く「学生は周辺の寮で教授と寝食を共にしながら学ぶ」らしい。カスみたいな卒論ですら苦しんだポンコツ文系からすると想像を絶するけど、本気で学びたい人たちには喉から手が出るほどほしい環境なんだろうな。

大学敷地内。左手が英国第二位の蔵書数を誇る図書館らしい。

 ところで街を訪れた時、私はだいたい直感的に住める・住めないとか判断するきらいがあるけど、なんとなくここは無理かなと思った。ロンドンも住めないと思うけどそれとはまた違う感覚で、なんというかうっすら高飛車な気を感じた。完全なる個人の感想だし、おそらくこの街も私に住んでほしくないと思うけど。(よそ者から見た出町柳みたいな……これも怒られそうな表現か。)

 そんなこと考えつつ、頭よさそうなデザインのセラミックコースターを買って帰った。母と叔母はでかでかとオックスフォードと書かれたアパレルを息子たちに買っていた。土産物は充実しているのに、立ち寄ったカフェのカンノーロとボンボローニは美味しくなかった。これもまたいい思い出。

バース

 見どころはやっぱりローマン・バスとロイヤルクレセント。

 ローマン・バスは音声ガイドを聴きながらゆっくり回った。驚いたのが、有名な大浴場(下の写真)はほんの一部で、むしろ敷地内の他の建物や地下にこそ当時の生活を見られるということ。垢すり処やマッサージ室やサウナがあったりして、なんだスパワールドじゃないか。同じ風呂文化を持つ民として、一人でへぇへぇ言いながら大いに楽しんだ。(せめて『テルマエ・ロマエ』読んどけばよかったかもしれない。)

 入浴できないけどお湯は沸いてるので、試飲コーナーが別途用意されていた。しかしまぁこれの不味いこと不味いこと!血みたいというか、鉄分が過分な味がしてとてもじゃないけど料理にも使えなさそう。体にはいいのかもしれないけれど。なにより世界各国から来た観光客がみんな一様にウェッて顔してておもしろかった。

 ちなみに売店で茶葉を買って帰ったけど、バッキンガム宮殿で買ったやつよりおいしかった。風呂屋に負けてんぞ、がんばれ王室。 

ローマン・バス。入浴は無理だけど今もボコボコお湯が沸き出てる。

 ロイヤルクレセントでは特に何をするでもなく、周囲を散歩した。今も実際に人が住んでるので、宅配便が来てたり、配管工事の人が出入りしてたり、歴史的建造物なのにとても生活感があった。住んでる人たちは大金持ちばかりなので、みなさん身なりは良かったという点は別として。なんにせよ、これこそドラマや映画で見た景色であり、私が今回見たかったものなので感慨深かった。

横から見たロイヤルクレセント。歴史的建造物にして現役高級住宅。

 エディンバラのゴツゴツ感をレベル100とすると、バースの建物はどれもレベル1のつるぺた感。(オックスフォードはレベル60ぐらい?)あと長崎並みに坂道が多い。駅からロイヤルクレセントまで歩いたけどじんわり汗ばんだ。同じ国でもこんなに個性があるのかと知れたのは、遠方まで足を延ばした甲斐があったな。

 食べ物に関していえば、サリーランで名産バンのカリカリベーコンのせフレンチトーストを頼んだ。甘じょっぱくて、見た目より重くないパンでおいしかった。セットのミルクティーとよく合った。(こういう小さな店でもさらっとリーフティーがポットでサーブされるところがめちゃくちゃ英国。ラブだ~)

Sally Lunn's にて。隣でお茶会しているマダムたちが素敵だった。

 同じく有名なバースバンは、買って帰って帰りの電車内で食べた。こちらも軽めのパンで、私には氷砂糖が若干くどく感じたけど、総合的にはおいしかった。

 冒頭のとおり、バースはジェーン・オースティンの影響で訪れたわけだけど、ジェーン・オースティン・センターには立ち寄らなかった。というのも、当日なんらかのお祭りだったのか、彼女の作品に出てきそうな恰好(当時の中上流家庭の娘さんたちのフリフリドレス+ボンネット)をした人たちが集まっており、それを見ただけで満足したから。あれだけのファンを見た後では立ち寄りづらい。でもそんな珍しいコスプレを見れたので、これはこれで満足。

 ついでにファッションについていうと、バースはロンドンに負けず劣らずおしゃれだと思った。高級住宅街の影響かお高目なブランドがずらっとそろっているだけでなく、お手頃な古着屋やセレクトショップも充実していた。感動したのが古着屋で、穴場なせいか「このブランドがこんな値段!?」みたいな古着がかなりあった。ロンドンより安いしおすすめ。私も実際に何着か買って、ある店では「あら、素敵なチョイスね!」と優しい店員さんとお話できたり、すごくいい思い出になった。(ロンドンの古着屋も楽しかったけど、いわゆる都会の店員さんでちょっと怖かったんだよね。)

 バースまで乗ったのはGreat Western Railwayという緑色の長距離列車で、日本の新幹線より簡素だけど広々した車内が快適だった。平日朝イチと昼間の便だったからかかなり空いてたし、車窓から見る風景も田舎らしい緑が続いてて、ちょこっとコッツウォルズ方面も垣間見れた。電車旅にはもう一度挑戦したいな。

おわりに

 こんなに書いておきつつ、総合的な感想はどこも「一回行ったから満足」と、グリニッジやロンドンよりはあっさりしたものだったけど、逆に言えば「一回は絶対行っておきたかった場所」なので、とても楽しかった。特にバースは当初の目論見通りゆっくり散策できたので大満足。

 だらだらと書きあぐねているうちに、次のイギリス旅行も決まりそうでワクワクしている。こんな風に感想を残しておくと、次回の私と比較できて楽しみだな。

 そんなこんなで、2023年イギリス旅行編はこれにておしまい!