空飛ぶ雑草

観た・行ってみた・食べてみたのログ置き場

2023年見たドラマ・映画

はじめに

 2023年の振り返り第二弾。今年楽しんだドラマ・映画を順不同で振り返る。Netflixに偏ってるのは許して。なお、ドキュメンタリー系もいろいろ見たけど、手放しで褒めづらいので今回は割愛。

ドラマ

ザ・クラウン

 せっかくイギリス行って王室関連のとこ行くんだから!と見始めたらそんなこと抜きにしてドハマりした。中身は大河ドラマなので、全体的に重くて濃くて長い。特殊メイクでもないのに、出てくる人みんな似ててなおさら説得力ある。ダイアナ元妃とか本当にギョッとするぐらい美しい。演技も皆様さすがのクオリティなので一層心揺さぶられる。特に恋愛事情はだいたい不幸な結末を迎えるので見ていて本当につらい。

 建物も狂ったように予算使ってるだけあってめちゃくちゃ豪華だし本物によく似てる。(なので旅行前に見ておくと現地で楽しさ倍増する。)王室史ひいては英国史の勉強にもなるし、ブリティッシュイングリッシュに溺れるのにも最適。

 一番好きなのはクレア・フォイ、初期のエリザベス女王!でも一番泣いたのは最終シーズン。マーガレット王女の回は電車の中で見たけど泣いた。史実とはいえ愛する家族、それも年下が先に旅立ってしまって取り残されるのは胸が張り裂ける……。

www.netflix.com

クリミナル:イギリス編

 イギリスをまだ摂取したくて見た。取調室だけに焦点をあてた短いシリーズ。一話一話の会話劇がシャープで痺れる。キャラクターも事件も現代的で、毎度「あるよな、こういう事件」とニヤッとするけどそのリアルさに暗い気持ちになる。特に私刑の回とセクハラの回はゾッとした。スッキリする回もあれば苦い終わり方の回もあるので好みは分かれそう。

www.netflix.com

コラテラル

 イギリスの刑事ドラマもっと見たいと思って探した。後述の『プロミシング・ヤング・ウーマン』を先に見てたので、キャリー・マリガンに惹かれたのも理由。軽い気持ちで見始めたら、移民問題・性暴力・パワハラ等々、社会問題てんこもりでしかも後味が苦かった。4話しかないリミテッドシリーズなのですぐ見れるけど、私的に一番救われてほしかった人が救われなかったのでもう一回見るのはキツイな。

www.netflix.com

模仿犯

 刑事ドラマもっと見たくてたどり着いた。台湾ドラマこんなにおもしろいの!?と気づかせてくれた作品。宮部みゆき模倣犯』をあくまで原作として、台湾オリジナルに作り変えてる。私は原作小説読んでないけど、いろいろ見るに「日本で昔実写化されたやつより遥かに出来がいい」らしい。それも納得で、二転三転する話運びがすごいよくできてるし、キャストもめちゃくちゃいい。グォ検事、あんなカッコいいししっくりきてるのにドラマオリキャラってどういうこと?あなたの演技がすごすぎて何度泣かされたか。事件は全体的にグロい(『ソウ』の100倍希釈ぐらい)のと、性暴力描写がある。それが大丈夫ならおすすめ。

www.netflix.com

WAVE MAKERS

 台湾ドラマおもろすぎ第二弾。台湾初の官僚ドラマということで、日本の『CHANGE』とか『半沢直樹』みたいな世界観を期待すると肩透かしを食らうけど、主人公がクィアだったり女性の社会的地位が高かったり、おっさんだらけの日本のドラマよりはよっぽど進歩的で変な引っ掛かりなく見れた。(日本のドラマじゃセクハラ問題にあそこまできちんと対処できないしな!)政治に希望が持てる台湾という国がすごく気になってきたので、ぜひ訪れたい。

 政党の広報部に焦点を絞って、変に話を広げすぎないところがまた良いなと思った。ウェンファンさんマジで上司に欲しい~!下を守るために上にブチ切れてくれる強い女!最高!大好き!彼女の立候補編が出るなら絶対見る。

www.netflix.com

映画

プロミシング・ヤング・ウーマン

 各所で話題だったので見た。「司法制度が機能しない場合、性暴力被害者はどうすればいいのか」という命題がぐぅっとのしかかるストーリー。終盤は唇噛みちぎれそうなぐらい悔しい気持ちで見てたけど、きちんとオチがついてすっきりした。一方で「これしか方法がなかったのか?」と絶望して号泣した。主人公を演じるキャリー・マリガンがすごい。頭の良さと怒りで狂った感じが絶妙に混在してる。メンタルが元気な時に見るべし。

natalie.mu

ザリガニの鳴くところ

 これもメンタルが元気な時に見たほうがいい系。話題になってたのも納得だった。DV被害で逃げた家族と、逃げられなかった主人公。離れていく大事な人と、近づいてくる危険人物。見てる間ずっと心がギシギシするけど、オチでは気持ちよく息が吸えた。余談だけど、テイラー・スウィフトはぜひ主題歌書かせてくれとアプローチしたぐらい原作小説が好きらしい。さすがぴったりな曲だと思いながらエンドロールを見て、ストーリーを反芻して沼地のようなジトッとした気持ちがこみ上げるまでがセット。

www.sonypictures.jp

プライドと偏見

 超有名タイトルだけど初めて見た。ジェーン・オースティン作品の中では一番好きになれた。ポンコツ家族と縁が切れない、自活する手段がない、女性にとって結婚=就職な時代マジで無理……私は現代人で本当によかった。とはいえ最後のお父さんの演技にはジーンときた。キーラ・ナイトレイがずっとかわいくてキュンキュンする。ちなみにこれにもキャリー・マリガン出てる。今とベクトル違いすぎて全然気づけなかったけど。

eiga.com

西部戦線異状なし

 第一次世界大戦中のドイツ兵の物語。ぶっちゃけ第一次世界大戦ってあまり知らないなと心配しつつ見たけど、一兵卒の悲哀は古今東西共通で問題なく見れた。戦場の有様は気合の入った演出で、どれも生々しくて辛い。史実とはいえ本当に何においても救いがない。これらの犠牲を経ても(むしろ経たからこそ?)第二次世界大戦の諸々につながっていくんだよな、と思うといっそう気持ちが沈んだ。

 見終わってから制作の舞台裏も見た。若いキャストも含め、この作品を作る意義というのを全員が強く意識しているのが印象的だった。中でも「これまで何度か映画化されてきたが、ドイツが制作するのは初めて。この本はドイツが映画化してこそ意味がある」という言葉は重い。

www.netflix.com

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

 ミシェル・ヨーキー・ホイ・クァンジェイミー・リー・カーティス!みんな最高!泣いた!と古典的なCMに出てくる陳腐な客みたいな感想がまず出てくるけど、本当に最高だったので許してほしい。熟年キャストの説得力あってこそのぶっ飛びストーリーと、パロディや下ネタ満載の演出。笑って泣けるとはこのことかと。ストーリー自体は途中で振り落とされそうになるけど、しがみついて見続けるとハッピーエンドにたどり着けるので腰を据えて見てほしい。

gaga.ne.jp

バチカンエクソシスト

 推しが推してたので見た通称『バチクソ』(不敬すぎる)。実在の人物とその回顧録に基づくという点は震えるけど、蓋を開けてみたらホラー要素少なくてビックリ宗教バトルって感じだった。自分がキリスト教徒じゃないからかもしれないけど。ガブリエーレ神父自身がお茶目さんなので、エンタメ作品として見れる。イタリアまた行きたいな〜。

otocoto.jp

名探偵ポアロベネチアの亡霊 

 ケネス・ブラナーの『名探偵ポアロ』シリーズが好きで追いかけてる。古典ミステリーなので目新しさはないけど、だからこそ安心して見れるのがいい。私にとっての「こういうのでいいんだよ」。このシリーズは毎度キャストが豪華で、今回はまさかのミシェル・ヨー出てきて興奮した。イタリアまた行きたいな〜(2回目)

www.20thcenturystudios.jp

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン

 このシリーズも好き。ダニエル・クレイグが楽しそうなのがひしひしと伝わる。相変わらずキャラクター全員変人で、現代が舞台なのに絶妙に奇妙。でもトリックはきちんとしていて古典的、オチもすっきりしてるしサクッと見れる。お手軽ミステリー映画としておすすめ。

www.netflix.com

ディア・エヴァン・ハンセン

 来年ミュージカル見るつもりなので予習のために見た。嘘ついて後に引けなくなる話とは知ってたけど、なるほどこういうオチかと納得した。高校生らしい若気の至りや、周囲の目を気にする息苦しさを思い出して胸がぎゅっとなる部分もあれば、これはアメリカ特有だわ〜と違いを感じる部分もあって興味深かった。エイミー・アダムスが本当に素敵。ぐっしゃぐしゃになった母親の姿が痛々しいぐらい上手かった。

www.cinemacafe.net

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー

 字幕版を機内エンタメで見た。おもしれ~~~!深く考えずに見てほしい、脳直でおもしろいから。個人的にはマリオよりピーチ姫をどう動かすか気になってたけど、なるほどという感じ。かわいらしすぎないけどちゃんとプリンセスしてて、アニャ・テイラー=ジョイめちゃくちゃ良かった。マリオシリーズの売上が伸びたのも分かる。見るとプレイしたくなった。

www.nintendo.co.jp

おわりに

 今年はリアリティショーをあまり見なかったな。海外ドラマは面白すぎると制作側がずるずる続編作ってしまうというのが嫌で、Netflixリミテッドシリーズや映画しか見れない体になってしまっている昨今。来年も通勤時間をフル活用していろいろ見よう。